中国時代劇にでてくる「内功」とは?|中国時代劇トリビア#51
中国ドラマを観ていて、あれ、これ…なんかちょっと気になる~!?という小さな“なにか”を見つけてしまうことはありませんか?そんな中国ドラマに登場する、ちょっと気になる小さなアレ!を集めた、小ネタトリビアをまとめてご紹介していきます。 今回はドラマ「剣王朝~乱世に舞う雪~」から武侠に関連した小さなアレを探ってみました!
内功ってなに?
武侠小説の世界では、登場人物が「剣法」と「内功」を鍛錬していきます。技の本来の力を発揮するためには、技術としての「剣法」にさらに力を加えるものとして「内功」が大きな威力を発揮するため、言い換えれば、この力なくしては闘うことができない大切なものです。
「剣王朝~乱世に舞う雪~」より
「内功」は、内功、気功(チャクラ)など、様々な呼ばれ方があります。
漢方・中医学的な観点からすると、人間は誕生する際、両親から精(せい)という物質を受け継ぎます。精は生命エネルギーの結晶のような存在であり、この精から生み出される気が“先天の気”と呼ばれるものです。そして、飲食と呼吸法などで自分の中にとりこんだ自然界からの“清気”によって生まれる気を“後天の気”と呼びます。
この自分の身体にある二つの“気”が高められ、融合して生まれるのが「内功」の力です。
武侠作品に登場する達人は、この内功が最高レベルの「身知」にまで高められており、「体が気の巡りを知っている」(←こういう場面、ドラマでもよく登場しますね!)状態になる技術を身に着けているのです。ごく平凡だった主人公が、ひょんなことから内に眠っていた「内功」を目覚めさせ、ある日突然超人並みのパワーを発揮して、武術の達人へと急成長…というワクワクの展開も、武侠あるある!と言えるかもしれないですね。
「剣王朝~乱世に舞う雪~」より
ちなみに、「月下の恋歌」(「秘曲 笑傲江湖」)に登場する東方不敗がいた「日月神教」の教祖・任我行は、相手の内功を吸い取ってしまう「吸星大法」ができる、という恐ろしい設定があるのも、“気”のパワーを重んじる武侠小説ならでは、と言えるそうです。
「月下の恋歌」任我行 ©Cathay Media Group, All Rights Reserved.
こうした技や各流派の秘法会得に欠かせないものが、「秘伝書」であり、この秘伝書の攻防を巡り、時に激しい闘いが繰り広げられます。
その秘伝書の中で、小説「秘曲 笑傲江湖」(ドラマ「月下の恋歌」)には「葵花宝典」が登場します。「葵花宝典」は宦官が作った流派で、ここには、激しい「内功」の修行をするので、男だと「内功」が暴発して死にいたってしまうため、去勢しなければならいことが絶対条件として記されていました。しかしこの技を習得することを望んだ東方不敗は、自らその教えに従い、江湖最強の名を手に入れるのです。
先に登場した「日月神教」の教祖・任我行は、「吸星大法」の副作用で、体内での真気の衝突に悩まされていた、ということもあり、“内功”はかなり取扱いに注意が必要とされるパワーでもあるのです。
「月下の恋歌」東方不敗 ©Cathay Media Group, All Rights Reserved.
翻訳・編集:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。
「剣王朝~乱世に舞う雪~」
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