【インタビュー】「アバウトタイム」イ・サンユン <前編>「運命だったんだと思います」
現在BS11で好評放送中の「アバウトタイム~止めたい時間~」。本作でなぜかミカの寿命を延ばすことができる御曹司イ・ドハを演じたイ・サンユンに本作について話を聞いた。
【プロフィール】イ・サンユン
1981年生まれ。185cm。ソウル大学物理学科卒の高学歴俳優で、優しく知的なキャラクターに定評がある。時代劇から現代劇まで幅広いジャンルで活躍中。近年の出演作に「2度目の二十歳」「空港に行く道」「耳打ち~愛の言葉~」など。
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― まず台本を読んだ時の感想と、出演を決めた理由を伺います。感想からお話しください。
台本を読んで、序盤はラブコメのような明るくて漫画っぽい感じが気に入りました。寿命についてのファンタジー的要素が、ストーリーが進むにつれて胸に迫る話に変わっていきます。
段々、濃厚なメロドラマのような雰囲気になっていくので、2つのジャンルが交ざった感じが気に入りました。それに、何より監督を信頼していました。最終的に決断したのは監督に対する信頼感からでした。
― 前作とはまったく違いますよね。
ええ、全然違います。
― イメージを変えようとしたのかなと感じました。前作のイメージから脱却したい気持ちがあったのかなと。
それよりも、放送局にいる親しい知人のアドバイスが大きかったです。その方は現実的でためになるアドバイスをいろいろとしてくれる方なんですが、こう言いました。
イ・サンユンという俳優を視聴者や周りの人たちが思い浮かべた時に好ましい姿が浮かぶと思うが、それは僕が役者として挑戦したいことと一致しないこともあり得る。やりたいことに挑戦するなら、視聴者が望む姿も少しは見せなくては、というアドバイスです。
それだけで出演を決めたわけではありませんが、影響は受けました。
― 本作で演じられたイ・ドハという人物は「宇宙最強の気難し屋」と表現されています。野心家であり、冷淡な人物ですが、チェ・ミカと出会って変わっていきます。
ドハのキャラクターとご自身の性格を比べてみて、共通点と違う点は何ですか。
似ている点は興味のある分野とない分野で反応が極端なところです。
ドハは自分が気を使うべき相手と、ほとんどの人たちですが、気を使わなくていい相手への態度が違います。気難しいというより無関心に近いと思います。
僕も興味のある分野とない分野で態度というより興味の度合いが違って、知らない分野のことはまったく知らず、興味のある分野についてはどこまでも突き詰めるところがあります。そういう点では似ていると思います。
違う点は...。好きな人に誠実で一生懸命に何かをしてあげようとするところは似ていますが、ドハはすべてを捨てて、命まで捨てようとする。僕はそこまではできないと思います。
― 実際にドハを演じる時に心がけた点などがあれば教えてください。
ドハは財閥の御曹子だということで、制作発表会の時から「宇宙最強の気難し屋」と表現されていましたが、実際はそこまで気難しく演じなかったと思います。
もちろん神経質な反応を見せることもありましたし、不安障害を抱えてはいますが、それには明らかに原因があります。
ドハが気難しい態度を取るのは性格ではなく、生まれ育った環境のせいだと思うんです。
ドハの家は人を使う立場の人がほとんどで、自分を良く見せる相手よりも、自分たちに良く見られようとする人たちのほうが多い。そんな環境で育ったので、必然的に備わった、生きるための態度だと思っています。
だから気難しいというより無関心で、わざわざ自分を良く見せる必要がないという点が、逆の立場で見ると、少し不作法に見えるのだと思います。そう思いながら役作りをしました。
ドハは不作法に見えますが、悪意を持って他人と接しているわけではありません。
彼に興味を持って好意的に接すれば、逆に温かさを感じることもあると思います。それがミカや兄であるドサンなどに対する態度に出たと思います。
― そうですね。態度や感情表現が相手によって極端に違うところがありましたね。演じていて大変だったことはありましたか。
いえ、楽しかったです。何というか...、気を使わなくていいことが多かったので。
人に接する時、普通は相手によって態度を変えなくてはいけないところを、ドハは限られた人たちにだけ態度を変えて、ほとんどの人たちに対しては同じ態度を取ります。そういう点で楽でした。
― 私が特に面白いと思ったのは、秘書へのいたずらっ子のような態度でした。秘書役のカン・ギドゥンさんは大変だったでしょうね(笑)。
ええ(笑)。カン・ギドゥンさんはとてもいい役者です。
― ミカは、自分の寿命を伸ばすための頼みの綱となるドハに猛アタックしていましたが、ドハもミカに惹かれ始めますよね。ドハはミカのどんなところに魅力を感じたと思いますか。
運命だったんだと思います。ドラマの後半で話が出てきますが、ミカに寿命時計を見る力が備わったことも、二人が会う度にドハの気持ちが変わるポイントとなったことも。二人は運命的に惹かれ合ったのだと思います。
(ドハの気持ちが変わる)ポイントをあえて挙げるとすれば...。
それまでの態度が少しずつ変わっていくきっかけになったのは、ミカの舞台での姿だと思います。初めて舞台を見た時は珍事件となりましたが、それまでとは違う目でミカを見るようになり、次の舞台でまた気持ちが変わるというように、ミカの舞台はドハが心を少しずつ開いていくポイントになったのではないかと思いました。
― 女性から見てもミカの舞台での姿はほれぼれとしました。
ミカは皮肉なことに相手の寿命が分かり、自分の寿命も知っています。サンユンさんがミカのように自分の寿命を知ったらどんなことをしたいですか。
残りの時間がどれだけかによって違うと思います。
十分な時間が残っていると思えば、まずは日常生活に没頭し、残りの時間をうまく配分して、仕事ではなくプライベートで純粋に自分だけの時間を過ごすタイミングを探そうと思います。
それまでは、自分の時間を十分に楽しむための準備しておき、最後は自分のためだけに時間を使います。
残りの時間が短ければ、すぐにでもやりたかったことをしたり、行きたかった場所へ行ったりしながら、他人を気にせずに本当に自分のためだけの時間を過ごします。
― 自分ではなく、大切な人の寿命が残り少ないと分かったら、どんなことをしてあげたいですか。一緒にいてあげるとか...。
ミカは最後に一緒にいてあげることが大事だと言いましたね。反対に大切な人を見送らなくてはならないと分かったら、何をしてあげますか。
僕もミカと同じだと思います。まずは相手が何を一番望んでいるかを知らなくてはいけませんが、僕が相手を愛しているのと同じように、相手も僕を愛しているなら、できるだけ長く一緒にいようとすると思います。一緒に相手がやりたいことをするなどして、できるだけ一緒に過ごしたいです。
<後編へつづきます>
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