Cinem@rt エスピーオーが運営するアジアカルチャーメディア

【インタビュー】「台北ラブ・ストーリー」ワン・シーシェン「壊れない人はいないし、愛を全てわかる人もいない」※ネタバレあり※

現在、毎日ちょい見せで期間限定公開中の「台北ラブ・ストーリー~美しき過ち」。本作で、亡き妻に似たマンチンに少しづつ惹かれていく男性、チェン・ダーシャンを演じたワン・シーシェンに本作について話を聞いた。
※本インタビューは「台北ラブ・ストーリー」が日本DVDリリースされた2013年に実施されたものです。

【プロフィール】ワン・シーシェン
1968年生まれ。『モンガに散る』をはじめ数々の映画・ドラマで活躍。歌手としても活躍しており、「台北ラブ・ストーリー」ではエンディング曲「上岸」で美声も披露している


【12/28まで!「台北ラブ・ストーリー~美しき過ち」第1~4話公開中!】

=========

※ネタバレあり:物語の展開に触れています。ご視聴後に読まれることをお勧めします※




― まず、この作品への出演を決めた理由を教えてください。

作品のテーマがよくある台湾ドラマとは違っていたからです。一人の役者として、ぜひ挑戦してみたいと思いました。


― 最初に脚本を読んだ感想はいかがでしたか?

本当にきめ細かく素晴らしい脚本でした!読み始めたら、最後まで一気に読んでしまったくらいです。そしてそれぞれの役が交差していく愛に感動させられ、そして改めて「愛」について考え直しました。


― ダーシャンを演じるにあたり、何か役作りや意識したことはありますか?

ダーシャンは、すごく自分の気持ちを抑える人で、話す時もストレートに言わないし、とても慎みがある人です。なので演じる時も、そういうことを意識した話し方や態度にするよう心がけていました。




― ダーシャンを演じてみて、ご自分と共通する部分、また違う部分はどこですか?

基本は全然違います。ダーシャンは過去の出来事などによって自分の本当の心を抑圧しながら生きていますが、僕は自分にこんなストレスは与えないですね(笑)。何かがあったら直接話して解決しようと思います。

唯一共通しているところと言えば、自分の家族を愛していることです。


― リン・チェンシーさん、モー・ズーイーさんと共演してみていかがでしたか?

リン・チェンシーはとても個性的で魅力的なひとでした。演技も他の役者とはちょっと違う感じでした。

モー・ズーイーは純粋で、真面目な役者です。そして演じているときは、すごく役に入り込むタイプです。プライベートではあまり多くをしゃべりませんが、とても礼儀正しい青年ですね。




― 魅力的な役者さんが多いドラマでしたが、撮影現場の雰囲気はどうでしたか?

現場は本当に仲が良かった!覚えているのはドーナツを食べるシーンですね。一日中ずっとドーナツを食べ続け、それはもう吐くほど食べました(笑)。それなのにとても幸せそうな顔で食べなくてはならなかったので大変でした。でも現場はとても楽しかったです。


― ワン・シーシェンさんご自身は、マンチンのダーシャンに対する愛情は父親に向けるような愛情と恋人に向ける愛情のどちらか近かったのだろうと思いますか?

マンチンは父親がいなく、三人の母親に育てられたという特殊な環境からか、同じ年の女の子たちよりも独立していて大人びていました。そういうこともあり、マンチンは誰かに頼りたかったし、安心感を求めていたのではないでしょうか。

そんな時にあらわれたダーシャンは優しくて思いやりのある大人です。知らないうちに、マンチンはダーシャンを頼りにしました。嬉しいことや悲しいことがあれば、まず最初にダーシャンに話したくなる。

これを父親に対する愛か恋人に対する愛かと聞かれれば、私は恋人への愛だと思います。




― ワン・シーシェンさんにとって印象に残っているシーンはありますか?

最も印象的だったシーンは、物語の後半、病院で自分のメガネを妻のチュンホイに渡すシーンです。それは、自分のすべてを託すという意味でもあります。これからの人生はお互いに頼っていくしかない、そして自分がいつなくなるかも分からない無力感、恐怖感、そして絶望感は、想像もできないほどです。


― 演じていて一番つらかったり、大変だったシーンはどこですか?

とにかく撮影現場がとても楽しかったので、改めてすごくつらかったことはあまりなかったような気がしています。

しいて言うと、森で不審者を追いかけるシーンですかね。夜のシーンなので、あまり周りも見えず、争っている最中に石にぶつかってしまいました。痛みを我慢して最後まで演じましたが、すごく腫れてしまい、涙が出るほど痛かったです。




― オープニングの映像で黒板に「愛とは○○」と書くシーンがありましたが、ワン・シーシェンさんのさんの思う「愛とは○○」は何になりますか?

「愛とは捧げること、報われることを望まないこと」です!


― ワン・シーシェンさんの思うこの作品の魅力とはどんなところだと思いますか?

やっぱりセリフが一番の魅力ではないでしょうか。このドラマのセリフから、皆さんの人生で起きる問題に対して様々な考えかた、見えかたを学べるのではないでしょうか。

既にいろんなことを経験した人たちにとっては、きっとこのドラマは共感できると思いますし、まだ経験してない人は人生の予習に出来るかもしれません。そのくらい、このドラマのセリフは素晴らしいものが多いです。

私も好きなセリフが多くて、実生活でもよく使っています(笑)。




― 主題歌もワン・シーシェンさんが歌われていますね。

シュー・ユーティンさんと会って台本に関して相談しているころ、ちょうど私の新しいアルバムが完成するタイミングでした。彼女はそのアルバムを聞いてくださり、『上岸』という曲がダーシャンのイメージにぴったりだと言ってくれました。彼女はその曲の「沒有誰是金剛不壞,能把愛看明白」(訳:だれでも絶対壊れない人はいないし、愛をすべてわかる人もいない)というフレーズを気に入ってくれました。それで「上岸」が主題歌となりました。


― 日本でこの作品を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。

このドラマのなかで私が演じるダーシェンも言ってますが、「誰かを愛することによって、自分は何者なのかがようやくわかる」のだと思います。この「台北ラブ・ストーリー」は皆さんにさまざまな愛を教えてくれると思います。そして同時に、人を愛するということはどういうことかいうことも教えてくれると思います。ぜひ楽しんでください。




<おわり>

==========

「台北ラブ・ストーリー?美しき過ち」DVD情報






DVD-BOX1~3 好評発売中 各9,500円+税

2012年|台湾|音声:オリジナル中国語・字幕:日本語|発売&販売元:エスピーオー c 2012 Taiwan Television Enterprise, Ltd. All Rights Reserved. 
公式サイト:http://www.cinemart.co.jp/taipei-lovestory/

記事の更新情報を
Twitter、Facebookでお届け!

TOP