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中国ドラマあるある問題 第三弾 ~あなたが知らない繋がり~

皆さまは「蘭陵王」「後宮の涙」「風中の縁」「賢后 衛子夫」「宮廷の諍い女」、「宮廷の女官 若曦」などの中国時代劇をご覧になりましたか? ご覧になった方はこの作品たちの繋がりに気付いたでしょうか。中国は4000年の歴史があるとはいえ、実は作成される歴史ドラマが結構限られています。主人公として描かれる歴史上の有名な皇帝や武将など歴史人物も限られています。ドラマを見る時、ちょっと気になりましたが、本当に関連しているかどうか疑問を持っている方に、今回は日本に輸入された中国時代劇の繋がりをご紹介します。

「宮廷の諍い女」&「宮廷の女官 若曦」:四爺、一体本命は誰?
「宮廷の諍い女」と「宮廷の女官 若曦」のヒーロー役は同じく清朝の雍正帝です。この二作だけではなく、「宮パレス」シリーズなども雍正帝を主人公にしています。一時期の中国では、どのチャンネルでも雍正が誰かと恋に落ちているので、ネットユーザーに「四爺、忙しいね~」と揶揄されました。好き放題にアレンジするドラマを見た歴史家たちは、「歴史上の雍正帝は史上まれに見る勤勉な皇帝で、一日の睡眠時間は4時間に満たず、そんな暇はないよ! けしからん!」と怒ったこともあります。

「蘭陵王」&「後宮の涙」:イケメンばかりの家族
「蘭陵王」の高長恭は「後宮の涙」の高演と高湛と、たまたま名字が同じということではありません。実は、高長恭の父親である高澄は高演と高湛の兄弟だということです。つまり、高長恭は高演と高湛の甥です。ちなみに、高澄も立派な風格と才智を備えた美男と評されました。やはりこの家族の血には美男子のDNAが入っているようです。



「衛子夫」&「風中の縁」&「雲中歌」:隠れた真実
皆さま、「風中の縁」(原題:風中奇縁。原作:大漠謡)はご覧になっていますか? また4月4日から、「雲中歌~愛を奏でる~」(原題:大漢情縁雲中歌)がLaLa TVにて放送されますよ。
過去の記事で「雲中歌」は中国人気作家桐華(トン・ホァ)の著作「大漢情縁」シリーズの2作目であり、「風中の縁」との関連性を少し説明しましたが、ここに「賢后 衛子夫」も?と思う方もいらっしゃると思うので、この3作品に隠れた真実を皆さんにご紹介します。(「雲中歌」のネタバレにもなりますので、ご注意ください)



「賢后 衛子夫」は去年チャンネル銀河で放送された中国歴史ドラマです。衛子夫は漢・武帝の姉・ 平陽公主のお邸で、弟・衛青とともに使用人として働き、お邸を訪れた武帝と出会いました。民の幸せと国の安寧を願う彼女の高潔な心に感銘を受けた武帝は、衛子夫を宮廷に連れ帰り、彼女はさまざまな試練を乗り越えて皇后になります。
既に「賢后 衛子夫」と「風中の縁」をご覧になった方もいらっしゃると思いますが、両者の関係性に気づきましたでしょうか? 実は、「風中の縁」の物語が起きた時代は漢武帝の時代であり、ドラマで登場した皇帝夫婦は漢武帝と衛子夫をモデルにしたものです。「風中の縁」で皇帝夫婦のラブロマンスを紹介するセリフもあるので、「衛子夫」をご覧になった方は「え、なんか見覚えがあるラブストーリーだな」と思う瞬間があるかもしれないですが、安心してください、間違っていないですよ。下記の関係図でご覧になったらわかりやすいですが、エディ・ポン(彭于晏)が演じた衛無忌の原型は「衛子夫」で登場した霍去病です。



原作小説の中では、「漢武帝」「衛子夫」「霍去病」の名前を使っていますが、ドラマはある理由ですべて名前を変えたのです。なぜならば、霍去病は中国の歴史上で侵略から漢民族を守ってきた有名な将軍で、今でも誰もが知っている大ヒーローです。しかし小説で彼は愛する女性の為に国を裏切ってしまったと描かれました。
今放送された時代劇は正史をアレンジするところが多く、我々大人は「どうせ作りものだから」と見てすぐ忘れますが、子供たちはテレビで見たものを素直に覚えてしまうのです。ラブロマンスとして見ると感動しますが、歴史から見ると、国を守ったヒーローが「裏切り者」となってしまいます。それ故、広電総局(総務省的な存在)はこのドラマの改正を命じて、すべての物語をフィクションにしました。
この流れで、2012年に撮影された「風中の縁」は最初の「大漠謡」から「星月伝奇」に、それから最後に「風中奇縁」となる「改名騒動」が起きてしまいました。更に、ドラマの登場人物の名前は全部変更され、その中の一部のセリフも変更したのです。「中国ドラマあるある1」でも紹介しましたが、吹き替えプラス内容変更のせいで、「風中の縁」は他の作品に比べてセリフと口が合わないところが多かったのです。

話は戻りますが、「風中の縁」で霍去病は「衛無忌」に改名されました。この名字の「衛」も伯母さんの「衛子夫」との関係を示しました。
「風中の縁」と「雲中歌」の関係は簡単になります。「雲中歌」の主人公の雲歌は「風中の縁」のカップルの娘です。「風中の縁」で?月と結ばれなかった莫循は養子の孟?に、最愛の女性の娘・雲歌を守るようお願いし、物語がそこから展開されます。詳しく説明するとネタバレになってしまうので、是非テレビでご覧ください。

ところで、3月30日からDATVで放送される「ハンシュク~皇帝の女傅」も漢朝の時代の物語ですよ。しかし、「班淑伝奇」は東漢(いわば後漢)、およそ紀元106年に起きた物語です。上記の三作は西漢(いわば前漢)、およそ紀元前139年から始まり紀元後まで続きます。前後100年以上離れていますが、同じ漢朝ですので、あまり文化や衣装などは変わりません。そして、「ハンシュク」の中で、主人公たちの会話で漢朝の最盛期を作り上げ、後世に影響を与えた漢武帝がよく出てきます。ぜひチェックしてください。




文:Jenny
エスピーオーの中国人社員Jennyが、中国・台湾のエンタメニュースや流行を紹介します。

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