懐かしさに胸熱! 『応答せよ1994』
いま韓国で話題をかっさらっているというドラマ『応答せよ1988』。早く見たくて気になりますよね! 私蜜柑も「応答せよ」シリーズが大大大好きなのです。
『応答せよ1997』というドラマが韓国でえらく人気らしい、という噂を聞きつけたのは2013年のこと。いつもはテレビなどで一回見たドラマの中で、手元に置いて何度も見たいと思うものを購入するパターンなのですが、「そんなに噂になっているのなら間違いない」と『応答せよ1997』は、映像を一度も見ずにDVDを予約。予感は当たっていました。翌年の2014年夏、『応答せよ1994』も一度も見ないまま事前予約(当然です)。1997も必見ですが、1994ときたらさらにパワーアップしていました。というわけで、前作『応答せよ1994』の魅力を皆さまと一緒にシェアできればと思います!
2013年秋、ソウル上岩洞のナジョン夫婦宅。引っ越し祝いに集まった仲間、ユンジン、サムチョンポ、ピングレ、スレギ、ヘテ、チルボン、そしてナジョン。この中にナジョンの夫もいるがそれが誰かはわかりそうでわからない。7人は新村下宿で一緒に過ごした昔を思い出しながら、舞台は1994年の新村へ......。
ナジョンの両親が営む新村下宿は、一か月前に家族で馬山からソウルへ出て来て始めたばかりの新しい下宿。今日からお世話になる下宿生サムチョンポはソウル駅に到着した後、地下鉄に乗るにも一苦労。ようやく新村駅に着いてタクシーに乗ったら遠回りされてぼられる始末です(車窓からさっき通ったソウル駅まで見えます。あんなに苦労したのに。サムチョンポのがっかりした顔が忘れられません......)。一方ナジョンの両親もソウルになじめません。家のカラオケで一曲歌っただけでご近所さんからうるさいと言われ、夜わいわいとテレビを見ていたら子どもが勉強できないじゃないかと隣の家から苦情が来ます。買ってきたミカンの箱は見えているところはきれいでも下の段には小さくて腐ったものばかり。「人情ってものがないのよ!」と腹を立て、「馬山に帰ろうか」と意気消沈するナジョンの母イルファ。蜜柑自身は東京生まれですが、地方から東京へ出てきた父はこんな気持ちになったこともあるのかなぁと思いながら見ていました。
そこへまたチャイムが。「今度は何だ!?」とナジョンの父ドンイルは怒り心頭ですが、玄関から戻ってきて呆然としているイルファの口から出たのは意外な言葉でした。「洗濯物を取り込めって言われたの、雨が降ってきたから。」冷たいと思ったソウルの人たち、でも大丈夫、ここでやっていけそうだわ、というイルファの心の動きが感じられ、私も一瞬あっけにとられた後じーんとしました。そう来たか! 第1話「ソウルの人たち」。のっけから心をわしづかみにされました!
「応答せよ」シリーズでは実際に起きたことやテレビ番組、歌などが劇中に散りばめられているので、韓国で過ごしていなくても主人公たちがどんな時代を過ごしたのか感じることができます。第12話「俺(私)たちに起こる奇跡」では、歴史的な大事故である三豊百貨店の崩落事故が出てきます。1995年6月29日、三豊百貨店の地下で待ち合わせをしたナジョンと友だちのチルボン。ナジョンは待ち合わせ場所へ向かうバスの中で乗客たちのポケベルが一斉に鳴り始めるのを聞いて異変を感じます。ふと近くのビルの大スクリーンを見ると、そこには完全に崩れ落ちた三豊百貨店の映像が......。チルボンの無事を祈り泣きながら走るナジョン。そこへ道路の向こうで大きく手を振るチルボンの姿が映ります。チルボン! あぁ無事だったんだ、と見る人も胸を撫で下ろした瞬間でした。
しかし、誰しもにこのような奇跡が訪れるわけではありません。ナジョンにとって兄のような存在、スレギの勤める病院では次々と患者が運び込まれ、その中にはその日退院するんだとスレギに嬉しそうに話していた女性の夫の姿も。マンドゥを食べたいと言った女性のために買いに行き事故にあったのです。自分と同じ腕時計をしていたその男性の腕を見つめるスレギ。何度見ても涙がこぼれてしまいます......。凄惨な大事故。絶望的な状況の中、崩れ落ちた現場から生存者が見つかる奇跡に韓国中から喜びの声が。
翌週、ナジョンがスレギと一緒に行きたかったミュージカルの日。やっぱり無理かなと部屋で落ち込むナジョン。そこへスレギから電話が。急いで門の外へ出るナジョン。「久しぶりにオッパとデートでもするか?」とスレギ。ナジョンはスレギが好きなのに、今までずっとはぐらかされてきました。なぜ好きなら好きと言わないのかな! 見ている私もやきもき。スレギはお互いの家族のことを思ってなかなか言えなかったのです。でもついに自分の気持ちをナジョンへ見せ始めたのがこの時です。
-70億人いる地球。好きな人に好かれる確率はどのくらいだろう。もしかしたら今、私に奇跡が訪れたのかもしれない(ナジョンのナレーション)-
???(キム・イェリン)の歌「??? ??(ヘンボッカン ナルル/幸せな私を)」が流れるなか、スレギとナジョンが手をつないで歩いていく後ろ姿は、緊張と涙の三豊百貨店事故の話のあとで、ほっとできるひとときです。歌もとてもいいんですよ! 二人の手と手が重なるその瞬間、歌のサビが聴こえるこのシーンは必見です。
ナジョンとスレギの二人の話は続いていきますが、数年後メジャーリーガーとなったチルボンも負けていません。ナジョンのことを好きなチルボンとスレギ。はたしてナジョンの夫は誰になるのでしょうか!? 最後までドキドキの展開です。(最終回にようやく明かされるのですが、まだ見ていない方のためにここでは内緒にしておきますね。)そして、最後にまた2013年秋のナジョン夫婦宅へカメラが戻り......。夜遅くまで飲んで帰っていく仲間たち。サムチョンポのナレーションが入ります。
-今は上司の顔色を窺う哀れなサラリーマンだが、こう見えても韓国初の新人類X世代だったし、小言をまくしたてる平凡なおばさんになったが、かつては追っかけに命を懸ける青春を過ごしていた。人類史上で唯一アナログとデジタルの両方を経験した祝福された世代だった。70年代の音楽と80年代の映画をダサいと嘲笑していた自分を反省する。なぜならそれらはただの音楽や映画ではなく、あなたたちの青春であり時代だったことが、若くない今ならわかる-
-熱くて純粋だったからこそしびれるほどに懐かしいあの時代。聞こえるか? 聞こえたなら応答せよ。俺の90年代よ-
ポケベルからPHS、そして携帯電話へと一年ごとに変化していくのを目の当たりにした自分の学生時代を重ね合わせて懐かしく思うとともに、会社の上司や先輩にもきっと一生懸命な青春時代があったんだろうなぁと胸熱くなるエンディングでした。たとえ今職場で見せているのが毎日こわい顔でも、昔はドキドキしながら学校の門をくぐる可愛らしい新入生だった頃もあったのかな、と思うと嫌いにはなれないですよね。蜜柑は会社員なので職場の人たちを思い浮かべましたが、あなたの周りの人たちにもそれぞれの青春があったことでしょう......。
ここには書ききれない仲間たちそれぞれの青春の模様も要チェックです。恋愛、家族愛、そして懐かしさまでが詰まって、さらにはくすっと面白い『応答せよ1994』に、あなたも応答せよ!
著者:蜜柑
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