韓国に関するイベントのレポートをお届けします。
【イベントレポ】あなたに観て欲しい一本!~「シグナル」編~@韓国文化院
先月6月8日に韓国文化院(東京・四谷)で開催されたイベント「あなたに観て欲しい一本!~「シグナル」編~」の模様をお伝えいたします。
今回のテーマはタイトルにあるように、数々のドラマ賞を受賞し大きな話題を呼んだヒューマンドラマ「シグナル」。本作の魅力を、エスピーオー宣伝担当Mを聞き手に、韓流ファンにはお馴染みのライター高橋尚子さんにお話しいただきました。
プロフィール:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮?Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ?信義?」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のパネリストとしても活躍中。
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エスピーオー宣伝担当M(以下、宣伝M):
これから『創業30周年、老舗韓流ドラマメーカーSPOがあなた"に観て欲しい一本!~「シグナル」編~』と題して、「シグナル」というドラマについてのトークと、特別な映像をお楽しみいただこうと思っています。
本日は素敵なゲストにお越しいただいております。
「韓国TVドラマガイド」の編集・執筆をはじめ、多くの書籍でライターをされております高橋尚子さんです!高橋さん、簡単に自己紹介をお願いいたします。
高橋尚子さん(以下、高橋):
先程もご紹介いただいたのですが、「韓国TVドラマガイド」という雑誌の編集とライターしております。
あとは、韓国ドラマのDVDのオフィシャルライターも担当させていただいております。
ちなみに私の韓国ドラマのベスト1は、「バリでの出来事」です(笑)。
宣伝M:
では早速ですが、今回お話しさせていただくドラマ「シグナル」の予告編をご覧いただきたいと思います。
宣伝M:
では、ものすごくかいつまんでドラマの内容をお話しすると...
過去と現在の刑事が、壊れたはずの無線の交信で繋がり、その交信をきっかけに協力しながら未解決の事件を解決していくという物語です。
高橋:
皆さんは、『殺人の追憶』や『殺人の告白』という映画はご存じでしょうか。
題材として使われていた未解決事件が、このドラマでもモチーフになっています。
宣伝M:
そうですね。韓国で有名な未解決の事件がモチーフとなって、ドラマの中に出てきます。ここでみなさんにちょっとお聞きしたいことがあります。
韓国映画のファンだよ~という方?(会場のお客様の大勢が挙手)
韓国ドラマのファンだよ~という方?(会場のお客様の大勢が挙手)
ご協力ありがとうございます!
今回ドラマのお話をさせていただくのは、少し不安だったのですが...、ドラマのファンの方もいらっしゃるようで良かったです(笑)。
では、ここからはみなさんに「シグナル」をおすすめする理由を、高橋さんにお話しいただこうと思います。
高橋:
このドラマの何がすごいかというと、まずスタッフが豪華です。
演出家はキム・ウォンソク監督で、代表作としては「トキメキ☆成均館スキャンダル」や「モンスター」、そして「ミセン-未生-」などがあるのですが、この監督はとにかくキャスティングが上手いんです。
「トキメキ☆成均館スキャンダル」だったら、パク・ユチョンやソン・ジュンギやユ・アイン、「ミセン-未生-」だったらイム・シワンやピョン・ヨハン、カン・ハヌルなど、キャリアの浅い俳優や出演前にはあまり知られていなかった俳優をキャスティングして、そのキャラクターにはめこみ、それぞれの魅力を引き出していくのが上手い演出家です。
もうひとつは、上の世代と下の世代の両方の人物を描いていて、それぞれの理想や葛藤、それぞれの世代が交流して成長していく、というドラマを得意としています。「シグナル」にもそれが表れています。
脚本はキム・ウニさんで、「サイン」「ファントム」「スリーデイズ~愛と正義~」が代表作なのですが、韓国のサスペンスドラマを成功させた脚本家です。
この方の特徴としては、「サイン」だったら法医学、「ファントム」だったらサイバー犯罪の捜査隊、「スリーデイズ~」だったら大統領の警護官と、職業にスポットを当てながら"善とは何か?悪とは何か?"ということを深く掘り下げて描いている点があげられます。
もうひとつの特徴としては、男女のバディものが得意なんです。主人公の男女が協力しながら、「これは愛なの?そうじゃないの?」というような、きわどいところを描くことが上手な方です。「シグナル」もそういう部分がありますね。
絶対にはずさない演出家×脚本家、というかんじです。これを前提に見ていただければと思います。
宣伝M:
ここからはドラマについて更に深いテーマでお話しいただきたいと思います。
最初のテーマは
<映画俳優が主演するドラマはあなどれない>
高橋:
映画俳優は映画が専門になりがちで、なかなかドラマには出てきてくれないことがすごく残念です。
映画俳優は演技が安定しているというか、大きいスクリーンで耐えうる演技が出来る人たちなので、ドラマに出演されるときでも、心理描写などがすごく分厚いんですよね。
映画って少ないキャストで、尚且つそれぞれのキャラクターにものすごくスポットを当てているので、そういう厚みがドラマにも出て来ます。
なので、映画俳優が出演したドラマというのは、人間ドラマとして揺さぶられる作品が多いです。まさに「シグナル」は映画界で活躍する俳優さんが出演されています。
ということで、続いてはキャストをご紹介させていただきます。
予告編をご覧いただいてお分かりかと思うのですが、キャストはとても地味です(笑)。
主要キャストがイ・ジェフンさん、キム・ヘスさん、チョ・ジヌンさんなんですが、ご存知の方はいらっしゃいますか?
(会場のお客様がぽつぽつと挙手)
そこそこいらっしゃいますね(笑)。
まずイ・ジェフンさんですが、有名な作品ですと『建築学概論』や『高地戦』があります。
『建築学概論』では、オム・テウンさんの大学生時代を演じていました。最近では「秘密の扉」という時代劇のドラマでハン・ソッキュさんと共演していて、思悼世子(サドセジャ)という米びつに閉じ込められて亡くなった悲劇の王子の役を演じていました。
1984年7月4日生まれなので、1985年生まれのソン・ジュンギさんなどと同世代で、現在33歳です。すごく演技が安定している方ですね。
「シグナル」では若いプロファイラーという役を演じています。
宣伝M:
仕事面では結構クールな役ですよね。
高橋:
クールだけど熱いですよね。若い刑事なりの無鉄砲さがあって、そういう部分をとても上手に演じられています。
宣伝M:
続いてはキム・ヘスさんです。
高橋:
キム・ヘスさんは、個人的にはすごく好きな女優さんなんです。『10人の泥棒たち』などの映画に出演されていて、ドラマには最近出ていないんですが、「愛の群像」という名作ドラマで、ペ・ヨンジュンさんの相手役を演じていました。
ナイスバディでセクシー女優という印象もありますが、性格的にはとてもサバサバしていて、特技はテコンドーなんです。
そういうサバサバした姉御肌の役が多いですし、今回の「シグナル」でもそういう部分があります。
彼女は過去のシーンにも現代のシーンにも出演されていまして、現代ではクールな切れ者で、常に冷静な刑事なんですけど、過去のシーンでは、何も出来ない新人時代の刑事を演じていて、それがものすごく可愛らしいんです。その二役の演じ分けがすごく上手で、心掴まれます。
宣伝M:
20代と40代の役を一人で演じられているんですけど、全然不自然じゃないんですよね。
高橋:
ちなみに1970年生まれで、イ・ビョンホンさんと同じ歳ですね。
次にチョ・ジヌンさんです。
彼がもしかしたら一番知られていないかもしれないんですけど、意外にたくさんの作品に出演されている方です。映画でいうと『暗殺』や『群盗』、ドラマは「根の深い木 ―世宗大王の誓い―」で、世宗(セジョン)イ・ドの護衛武官ムヒュル役を演じていました。
彼は身長が190cm、体重が100kgぐらいあるんです。でも役によって体重を増減するので、体系も顔も作品ごとに変わっていて、本当にカメレオン俳優なんですよ。ちなみにデビューは『マルチュク青春通り』で、1976年生まれなのでソン・スンホンさんと同じ歳です。意外と若いですね(笑)。存在感がすごくあります。
私はイケメン好きなんですけど、このドラマを見て、チョ・ジヌンさんが本当にカッコ良くて、本気で恋しそうになって、人間って顔じゃないなって思いました。
(会場笑)
(このイベントの前に行われたトークショーでのテーマだった)キム・ナムギルさんって男の香りを感じさせるような魅力があると思うんですけど、チョ・ジヌンさんもまた別の意味で男の香りを感じさせるんです。タフで男臭い、武骨なかんじの魅力を持った人ですね。まさかこの人に惚れると思わなかったので、自分でもびっくりしました(笑)。
宣伝M:
なぜ高橋さんがチョ・ジヌンさんに惚れてしまったのか、というところに関連しまして、次のテーマ、
<こんな不器用な愛も面白い>
「シグナル」にはどういったところに「不器用な愛」があるんでしょうか。
高橋:
「シグナル」はサスペンス色のある捜査ドラマや、ヒューマンドラマというところにスポットが当てられて紹介されていますけど、私はラブストーリーとして見ていました。
過去のシーンで、キム・ヘスさんが演じる新米刑事は、チョ・ジヌンさんが演じる先輩刑事からいろいろ教えてもらっているうちに、憧れというか淡い恋心を抱くようになっていくんです。ちょっとここで具体的なシーンを見てみましょうか。
チョ・ジヌンさん演じるジェハンが捜査中に刺されてしまい、救急車で運ばれる、というシーンです。
キム・ヘスさん演じるスヒョンは心配で心配でたまらないんです。
ちなみに、ジェハンがスヒョンのことを「半人前」って呼ぶんですけど、それがまた良いんですよね。愛情を持って、わざとそういうあだ名で呼んでいるんです。
救急車の中で彼に告白するんですけど、とっても可愛いんですよ。韓国ドラマってヒロインに共感出来るかどうかがポイントだと思うんですけど、このドラマでは本当に彼女が魅力的で、彼女の健気さだったり、捜査に対する正義感に同じ女性として憧れます。
もうひとつは、ドラマの後半で刺されたジェハンがまわりに「病院に行け!」って言われるんですけど、「行くところがあるから」って真っ先にスヒョンのもとに行く、というシーンです。ネタバレになってしまうので、言いたくても言えないんですけど...、ものすごく良くて泣けるシーンなんです。
私はずっと、いつかこの二人がくっつくことを一生懸命願いながら見ていました。新米で何も出来なくて、しかも男ばかりの強力班の中に入れられてどうしていいのかわからない彼女に、ぶっきらぼうに「お茶汲みなんてするな。そんなにかわいい目をパチクリさせるな。」みたいなことを言うんですよ。
不器用に彼女を見守ったり、捜査のやり方を指示したりする姿がとても愛らしくて、まるで小学生の初恋の物語を見ているようなかんじなんです。
シリアスなストーリーの中にそういうシーンが入ってくるので、周りでは次々に殺人事件が起きていたりするんですけど、キュンキュンしましたし、とても印象的でした。人間の愛らしい愛が描かれているので「ハードな作品みたいだから」と思いこんで、見ないのはもったいないと思います。
この二人の絆や愛だけではなくて、ジェハンと若い刑事ヘヨンの無線を通じての絆も描かれています。
宣伝M:
無線でしか繋がっていないから、この二人が顔を合わせるシーンは一切ないんですよね。ただ、交信を繰り返していく中で、お互いがお互いを信頼していって、心配し合うんです。
高橋:
グッときますよね。ヘヨンとチーム長になったスヒョンは上司と部下という関係になるんですけど、そこの絆も深いものがあります。
その三人のトライアングルが決してドロドロしたりする三角関係ではなく、良い意味での三角関係として描かれていて、すごく胸にきました。
韓国でも大ヒットしましたし、名作と呼ばれているドラマです。是非皆さんにもご覧いただきたいと思います。
宣伝M:
濃厚な人間ドラマが描かれていますよね。未解決の事件を解いていく中で、その背景にある人々の想いがしっかりと描かれています。
高橋:
1話みたら先をどんどん見たくなりますよね。
そして、ここで勝手に私のおすすめコーナーを設けさせてもらいたいと思います!
「シグナル」に出演されているカン・チャニさんという方をご紹介させてください。
恐らくカン・チャニさんのことをご存知ない方が多いかと思います。最近日本でもデビューしたSF9というアイドルグループのメンバーなんですが、「シグナル」ではパク・ヘヨンの兄役を演じています。
子役としても活躍していた方で、「私の心が聞こえる?」ではキム・ジェウォンさんの子供時代を演じていたり、「優しい男」でもソン・ジュンギさんの子供時代を演じていて、ものすごくイケメンなんです。
私が勝手に推しているので、今回はチャニさんの出演シーンをご覧いただければと思います。
宣伝M:
このシーンはチャニさん演じるお兄ちゃんが弟に勉強を教えているシーンですね。
高橋:
優しくて、賢くて、正義感のある少年なんですけど、彼はドラマの中で、ものすごいキーパーソンになるんです。
ヘヨンとジェハンを繋ぐ鍵となる人物です。
出番自体は過去の回想で少し出て来る程度なんですけど、彼がある事件に巻き込まれたことによって、複雑な人間模様が始まっていくんです。
ものすごくおすすめですし、今後も注目したいな、と思っています。
宣伝M:
すごいキーパーソンを若手の実力派、かつ、アイドルが演じていますよね。
高橋:
映画俳優が出演するドラマがあなどれないのと同様に、演技ドルもあなどれないな、と思います。
宣伝M:
では、最後に本日のまとめをお願いします。
高橋:
まず、演技力を持った映画俳優が出演するドラマはあなどれない。
イ・ジェフンさん、キム・ヘスさん、チョ・ジヌンさんという映画界で活躍している3人の演技バトルというか、演技で交流し、語り合うドラマを是非、楽しみ味わっていただきたいです。
あとは、スヒョンとジェハンの不器用な愛ですね。繰り返しになりますが、私は本当にキュンキュンしながらこの作品を見ました。
「サスペンスはちょっと...」とならずに、とっても可愛らしい愛の部分もあるので、そこにも注目していただきたいです。
宣伝M:
では、本日のトークを受けた上で、魅力を凝縮したダイジェスト映像を観ていただこうと思います。
高橋:
ダイジェストはギュッと魅力がつまっていましたね。
宣伝M:
かなりつまっていましたね。これだけで満足されてしまったら困ってしまうのですが(笑)
高橋:
多少、チョ・ジヌンさんのカッコよさがおわかりいただけたんじゃないかと思います。ちょっとした表情とか...、私が全話見ているからカッコよく見えるのかもしれないので、是非本当にカッコいいかどうか、みなさんにも全話見て確かめていただきたいです(笑)。
宣伝M:
そうですね(笑)。
「シグナル」DVD-BOX1&DVD-BOX2ですが、現在好評発売中です。そしてDVDレンタルも既に全巻リリースされております。
もしご興味を持たれた方は是非お手に取っていただいて、今日を思い出しながらご覧いただけたら嬉しいです。
高橋さんは告知はありますか?
高橋:
「韓国TVドラマガイド」の最新号が6月22日に発売されます。ナムギルさんの『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』の記事も掲載させていただきますので、是非ご覧ください。
宣伝M:
では以上で本日のイベントは終了です。ゲストは高橋尚子さんでした。長時間ありがとうございました!
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「シグナル」DVD情報
<セ ル>DVD-BOX1&2 好評発売中 各12,500円+税
<レンタル>レンタル全13巻 好評リリース中
提供:電通|発売・販売元:エスピーオー
「韓国TVドラマガイド」
偶数月22日発売!
公式twitter:https://twitter.com/kankoku_tvguide
双葉社公式サイト:http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/listview/51200.html
「シグナル」c2016 Studio Dragon & ASTORY
「バリでの出来事」cSBS
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