【きゅんとあじあ】Magic Power(MP魔幻力量) ライブレポート
11/29(日)、原宿アストロホールにて、台湾を代表するEDMバンド、MPことMagic Power(MP魔幻力量)がワンマンライブを開催した。〈THIS IS MAGIC POWER ! ~THE 1st JAPAN TOUR 2015~〉と題し、一昨日の大阪に続き日本デビューを飾る東京公演。会場は入り口付近までファンが溢れるほどギュウギュウの満員。そのファンが待ち受ける中、ステージに張られた幕の向こうにメンバーがスタンバイ。いよいよライブスタート!
ステージ左からDJのグーグー、ベースのカイカイ、ツインボーカルのティンティンとガーガー、ギターのレイボウがほぼ一直線に並び、後方にドラムのアシャンという布陣で、白い衣装に身を包んだメンバーが姿を現すと、彼らの日本デビューを待ち望んでいたファンからワッと歓声が上がる。
オープニングは日本デビューアルバム〈THE BEST OF MAGIC POWER〉と同様、〈FIGHTING FOR LOVE/戰神〉。アシャンのドラムがダダダダン、ダダダダン、とイントロを鳴らし、ガーガーの低音ボイスが重なるカッコいいナンバー。一転キャッチーな高音になるサビで会場の手拍子が更に盛り上がり、ジャンプ、ジャンプ!
次のナンバーとの繋ぎでガーガーが「Hey!Hey!Hey!Hey!」と会場を煽ると、それに観客が応える。
2曲目は〈GET OUT〉。フードをかぶりサングラスをかけたティンティンが低い姿勢で歌う姿はクールだ。まるでクラブに来たよう。間髪入れずの3曲目は〈SHAMELESS/不要臉〉。「みなさん、一緒に歌おうぜ!Let's Go!Oh yeah!」とガーガーが叫び、腕を前後に大きく振る。ティンティンが白いパーカーを脱ぎ捨てる。間奏ではベースのカイカイ、ギターのレイボウのソロが。ガーガーの「Tokyo Let's Go!」の掛け声から始まった4曲目のイントロは、〈SECRET/天機〉! メイデイ(五月天)のアシン(阿信)とコラボしたこの曲は、映画『ゴールデン・スパイ』の主題歌。何度も何度も、スクリーンにかかるこの曲を聴きにいった。そんな感慨に耽っていると、間奏でレイボウがギターをかき鳴らす。ファンも待ってましたとばかり「Wow Wow Wow」の大合唱!
一気に駆け抜けた4曲。まさにツアータイトル通り、〈THIS IS MAGIC POWER ! 〉と言える幕開け。もう興奮しっぱなしで、早くも「次はもっと大きな会場で! もっとたくさんのファンの前で! 行ける、行けるぞー」とテンションが上がり、日本でも大きくなってゆく彼らを勝手に想像して、目頭が熱くなってしまった。うん、早すぎる、落ち着け...
「ハロー、東京のみなさんこんばんは!マジックパワーです!うれしー!」とガーガー。
メンバー紹介でもするのかと思いきやすかさず、「OK、Next song!Ready? Action」
5曲目はミディアムに始まる〈TRAPPED BY FELLING/感覺犯〉。しかしガーガーの「Ready?One、Two」の声で再びテンションを上げる。「みんないくぞ!」の掛け声でタオルグルグルと「Wow~」の大合唱。カイカイがベースを弾きながらクルクル廻り、グーグーもタオルを持った腕を突き上げる。6曲目は〈TRAPEZE/空中飛人〉。これもタオルポイント。カイカイとレイボウが大きく手を挙げ、ドラムのアシャンが立ち上がる。爽快なイントロから再び「Wow~」の大合唱。間奏ではレイボウが中央にきてソロ。カイカイも上手に移動しピョンピョンと飛び跳ねている。
ようやくMCへ。
ティンティンが英語で、「知っている日本語は二つだけです」とはじめ、「お会計お願いします。すばらしい。以上です」と言うと、メンバーが口々に日本語で、「あつい」「さむい」と言い、暑いなら脱げ、というジェスチャーやら、「おおきい」「どこが?」「へんたい」という、小学生の男の子のような展開に...
最後は女の子大好き担当カイカイの「かわいいね~」から、「きれい~」「やさしい~」でフィニッシュ...
インストアイベントをご覧の方にはお馴染みの展開?
このわちゃわちゃからすぐさま7曲目に。〈MISS NVREDIBLE〉では「Baby」の歌詞で手で作ったハートを掲げる。公式Facebookで公開されていた、振り付け動画のあれ。8曲目は〈ELOPE TO THE MOON/私奔到月球〉。かわいいナンバーが続く。この2曲では、グーグーがアコギも担当。ティンティンが最前列のファンにマイクを渡し、フロアからの合唱にしばしメンバーが耳を傾ける。続いて「一緒に!Come On!Put your hands up!」の掛け声から9曲目〈ROCK ZOMBIE〉。バイクの振り付けのやつ。ガーガーが後ろ向きでおしりをフリフリ踊ると、カイカイも負けじとダンスで対抗。それっぽいけど、なんか変だ(笑)
ここでガーガーが、「ダンスのビデオ、みんなOK?大丈夫?」と問いかけると、ファンから「Sure!」の声。
アシャンも加わり、まずはみんなで練習タイム。「パパパパパッパパ~」のところの振り付けを練習。「えーと...もう一個...」とガーガーが言いよどむと、ファンから「えー」というブーイングとともに「田植えでしょ!」と突っ込まれる。「そう、たうえダンス!見せるから」と見本を披露。「OK?OK!最高!VENUS!」という振りから10曲目〈VENUS/維納斯〉。練習の成果もあり間奏では全員でダンス!
ティンティン、ガーガー、グーグーが一旦ステージから離れ、アシャンがカンカンカンとシンバルを鳴らすと、ベース音が響き出す。スポットに照らされたカイカイのソロ。カッコいい! 後ろを向いていたレイボウがクルリと前を向き、エレキで高らかにリフを掻き鳴らし、スポットの中でソロに突入! わ~これ何の曲だっけ?
カイカイとレイボウが向き合う。最後はアシャン! 立ち上がりバスドラをドスンドスンと鳴らしながらフロアを煽ると、その音についてみんなが手を打ち鳴らす。レイボウもカイカイも後ろを向いてアシャンに合わせる。バンドの力量を見せつける力強いソロ合戦! これもライブならでは。
すかさずメンバー全員が再集結し始まった11曲目は〈我們的主場/OUR HOME〉。「M、A、GIC!Everybody MP Let's Go!」コールと、「Wow~」で掲げる崇拝のポーズが印象的な曲に酔いしれる。
12曲目はピアノのイントロとガーガーの低音ボイスで始まる〈RAINBOW/彩虹黑洞〉。サビの壮大に広がってゆくような感じ。全員がそれをキャッチしようとするように、高く挙げた手のひらをステージに向ける。
「今から、撮影OKです」とガーガーが言うと、みんなが「おー」と言ってスマホや携帯を取り出す。
「携帯番号は?」「09...」と番号を言い始め、レイボウ(だったかな?)が「おい!」と止めていたので、リアルな番号だったのかも(笑)
ティンティンがキーボードの前に座る。「日本盤のアルバムには2曲の日本語曲があります」と言って歌い出した13曲目は、田村淳作詞による〈I STILL LOVE YOU~JAPANESE VER.~/我還是愛著?〉。ティンティンとガーガーが声を合わせる「あなたが好き」「あなたが好きです」というサビが胸に迫る。ストレートで素敵な歌詞を書いてくれた淳さんに感謝。ティンティンが演奏を止め優しい声で「いっしょに」と言うと、ティンティンの伴奏に合わせファンがサビを歌う。最後はツインボーカルが加わりクライマックスへ。みんなが掲げるスマフォの明かりの先に見えるステージが綺麗だった。
14曲目は〈SECRETLY/愉愉的〉。今度はファンがスマホのスポットライトを左右に揺らしている。ガーガーもiPhoneでファンを撮影。キーボードのティンティンのほか、グーグーもアコギで演奏に加わる。レイボウが前方のファンひとりひとりに視線を送り微笑んでいるのが印象的。
暗転すると、ファンがメンバーそれぞれの名前を叫ぶ。
明るくなるとティンティンが今回関わってくれた関係各社やゲストの名前を読み上げ、感謝を伝える時間。ティンティンが一旦ストップすると、メンバーみんながティンティンの周りに集まりメモを覗きこむ。某バンドのメンバーなど、会場に見に来ていたアーティストの名前が呼ばれる。振り返って関係者席を見た観客から歓声が上がる。
続いて、「バトル!バトル!」と言いだしたメンバー。最前列中央のファンに右か左かを選んでもらい、会場を左右ふたつに分ける。右はガーガー、レイボウ、アシャンのチーム。左はティンティン、カイカイ、グーグーのチーム。メンバーの手の合図で声を出したり、ティンティンのリードで「我愛?們」などの掛け声で盛り上がる。
メンバーが「Super」と言った後に「Hero!」とファンが叫ぶ練習をした後は、15曲目〈SUPERHERO/超級英雄〉。カイカイがベースを置きダンス。アシャンは腕を出しムキムキの筋肉を披露。会場の熱が上がってゆく。するとレイボウがガーガーにキスをしようと迫る。ファンがどよめく。また迫る。どよめく。迫る。どよめく。最後はガーガーのほうからレイボウの頭をがっちり押さえてキスしようとし、レイボウが瞬時にそれをかわして逃げる。その気にさせたのは誰ですか? いつの間にかグーグーもハンドマイクで前に出てきて、アシャンも立ち上がりスティックをカツンカツンと鳴らす。
そのテンションのまま、聴こえてきたイントロにファンが歓声を上げ、手拍子がどんどん大きくなる。16曲目はお待ちかねの〈SHOOTER~JAPANESE VER.~/射手〉! 白井裕紀.作詞による日本語バージョン! リハーサルを挟み、みんなで合唱&シューターダンスで盛り上がる。歌詞の通り最高潮でMPコールが巻き起こる中、メンバーが「またね!」と言ってステージから去って行った。
残された私たちは、ざわめきの後に、「もっと!」とばかり当然のアンコール。
しばらくして再びメンバーがステージへ。
機械音で始まったアンコール1曲目は〈LONG LIU LAN〉。クールでパワフルなナンバー。
MCタイム。
「Tokyo is a very beautiful city。私はボーカルのティンティンです。愛してる~」とティンティン。
通訳さんが呼び込まれ、ここからは中国語のMCに。
ファンのみなさん、中国語の方が嬉しそうですね。英語より反応がいい。
大阪から来た人は? 台湾は? お~カイカイが飛行機代おごるよ!といったやり取りのあと、ガーガーが「Everybody from Tokyo~?」と言うと、口々に出身地が叫ばれる。
結局は「待って待って」となり、「Welcome to Tokyo!」とひとくくりにされました(笑)
(ちなみに、台湾アーティストのライブではふたを開けてみると日本人が少ないというパターンがよくあるが、彼らのライブは恐らく日本人が一番多かったように思う。そして男性も多かった)
ティンティン:大学からの友人が東京で働いていて、今日も見に来てくれました。
「女の子?」と聞かれティンティンがごまかすと、みんなから冷やかしの声が。それをさらりと無視し、
ティンティン:最近よく日本に来るので、日本のアニメを観はじめました。「ONE PUNCH MAN(ワンパンマン)」というアニメです。皆さんも観てみてください。台湾の方が人気みたいですね。
今新しいアルバムを作っています。アルバムができたらまた東京で会いたいです。ありがとう!
レイボウ:(日本語)私はギターのレイボウです。よろしく。僕も同級生が見に来てくれました。東京のライブ......行きましたか? え?大阪?大阪のライブ? えーと...(諦めて)、イケメン?
と、ここから「イケメン」「レイボウ」「レイボウ」「イケメン」というコール&レスポンスが2度繰り返され、
レイボウ:みなさん元気いいですね~。ありがとうございま~す!
カイカイ:私はベースのカイカイです。みんな最高! 来てくれた友達、ひとりもいないです(僕もいないよ!と他のメンバーがフォロー)。日本のファンのみんなはライブ中に携帯をいじらないですね。すごくいいと思います。昨日ニュースで見たんだけど、枕の横にスマホを置いて寝るのは危険だそうですね。だから僕は枕の方を捨てました(笑)その枕はグーグーが拾いました。(値段が)高い枕だから。
その後、「声出して」「もっともっと」「いくよ~」という変な掛け合いをして終了(笑)
アシャン:(日本語)私はドラムのアシャンです。日本の料理は美味しいです。天丼、牛丼、壁ど~ん!(ポーズ)。一緒に、壁どーん! すごいね~。私の日本語はまだまだです。でも、頑張ります。どうぞよろしく。僕たちの東京のライブ、初めての人、楽しいですか? 最後まで一緒にがんばりましょう! 安心してください、履いてますから!(ちなみにアシャンは日本語上手です)
グーグー:アシャンの日本語訳してよ! グーグーです。どうぞよろしく~。
台湾の言葉を教えるよ。「そんら!」これは「Happy」、「すいら!」これは「Beautiful」。
僕が「Tokyo」と言ったら「そんら!」、「MP」と言ったら「すいら!」って言ってね。
(しばらく繰り返してみんなが間違えないので)すげえ!
ガーガー:今日は東京で初めてのライブです。聞きたいことがあります。みんなライブ見るのは恥ずかしいですか?生まれつき品が良い方ですか? それなら安心しました。これからももっともっと盛り上がって欲しいです。会場にお願いして、遅くまでやれるようにしました。もしお腹空いたら、カイカイと一緒に一蘭(ラーメン屋さん)に行きましょう~
「次の曲は僕たち6人にとってとても意味がある曲。この曲で多くの人に僕たちのことを知ってもらました。皆さんに良いパワーをあげられると信じています。ティンティンの歌詞もすごく良いので、中国語が分かる人は訳して欲しい。でもみんなの中国は僕より上手いけどね。これからも東京や大阪、日本の色々なところに行きたいです。OK? じゃあみんなも一緒に歌ってください!」
というガーガーのMCから始まったのは、en.2曲目〈WHO AM I/我是誰 我是誰 我是誰〉。
確かに日本でも、ドラマ「P.S.男」の主題歌としてたくさんの人に認知された曲。感慨深い。
前方のモニターにカイカイとティンティンが寄り添って座る。
ガーガーも隣のモニターに腰掛け、ファンの合唱に耳を傾け、「すごい」とつぶやく。
これまでの日々に想いを馳せるような感動的な空気が会場に広がってゆく。
いやでもやっぱり僕らはこれだよね!というように、間髪入れずにen.3曲目〈DO IT ALL NIGHT/不按牌理出牌〉が始まる。
しんみりとした空気を吹き飛ばすように、レイボウがファンを煽る。
メンバーもジャンプ、ジャンプ! そして会場がひとつになって、手拍子!手拍子!
これもドラマ「最後はキミを好きになる!」の主題歌。初期のこの2曲はやっぱり嬉しい!
ティンティンの「ラスト!ありがとうございます」の声から、en.4曲目〈THANK YOU〉。
最後に選ばれたのは、セカンドアルバムのラストソングでもあるこの曲。
ファンがかかげた掌が左右に揺れる。
白いライトの中、ティンティンとガーガーが肩を組む。「みんな、ありがとうございます!」
グーグーがファンのひとりひとりを指で差していく。
「Thank You!日本のMPファミリー!ありがとう!ありがとう!ありがとう!」
最後の締めは、みんなでジャンプ!
曲が終わり、ステージを去るメンバー。カイカイがピースで去っていった。
まだまだ!と、再度のアンコールを求める手拍子。
するとなんと、メンバーが出てきた! 歓声が起こる。何をやってくれるんだろう?
「Still wanna Party?」「Are you ready?」
始まったのは、〈SHOOTER/射手〉の中国語バージョン! 来たっっっ!
会場からもこれでもかと大声で歌う声。すごい、今日一番の盛り上がり!
日本の所属事務所である、よしもとのスタッフをステージに呼び込み、みんなでシューターダンス!
なんてイイ奴らなんだ! 最後は「Tokyo!Tokyo!」コール。
(この時ばかりは私もバッグを投げ捨て踊る! あ~ビール飲みたい!)
曲が終わり、エンディングのBGM〈Thank You〉が流れると、サビに合わせてファンから自然に歌声が。
その中を、メンバーが生声で「ありがとう~」と叫び、ピックやスティックを会場に投げ入れ去っていき、東京初ライブの幕が降りた。
約2時間10分。延べ21曲。
〈THE BEST OF MAGIC POWER〉の収録曲から演奏しなかったのは2曲だけ。日本のファンに向けてのライブ構成だったことが分かる。
ライブ後はCD購入者を対象としたハイタッチ会。みんな笑顔。
レイボウがファンの頭をポンポンしていた。
泣き崩れるファンもいた。
そりゃそうだ、最後尾からでもメンバーの表情が見えるなんて、日本でなきゃ不可能な距離。
また今度は新しいアルバムをひっさげ、さらにパラフルなライブで会えることを期待しよう。
大先輩のメイデイだって、ライブハウスから武道館まで登りつめた。
一歩、一歩、踏みしめていこう。
加油! MP!
後記:
前回の来日からメンバーが一蘭、一蘭、言うものだから...締めの一杯。
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