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意外かも? さまざまな顔を持つ台湾俳優たち《前編》|台湾エンタメ通信

映画やドラマを通して、私たち視聴者を魅了してくれる俳優の中には、ほかにも高いスキルがあったり、その特技を生かして別分野でも活躍したりしている人たちがいます。今回は、そんな意外な面がある台湾俳優をピックアップしたいと思います。

音楽の才に長けた俳優たち

冒頭から矛盾するようで何ですが、まず意外性の低い順から挙げるとしたら、レゴ・リー(李国毅)、リウ・イーハオ(劉以豪)、ビビアン・ソン(宋芸樺)のように、歌の才を発揮し、楽曲をリリースしている俳優はとても多いですよね。

デビュー映画『帶我去遠方』(09)で台北電影奨にダブルノミネートされて以降、あまりにも順調な俳優人生を歩んでいるリン・ボーホン(林柏宏)も、芸能界入りのきっかけは歌のオーディション番組でした。その素晴らしい歌唱力で、最新作『僕と幽霊が家族になった件』(23)をはじめ、出演作品のサウンドトラックも数多く担当しています。


また『僕と幽霊が家族になった件』の相方であり、「時をかける愛」(19)で大ブレイクしたグレッグ・ハン(許光漢)も、2021年にリリースしたアルバム、その名も『許光漢』で数々の音楽賞を受賞するほど高い評価を得ています。


「1989年の君へ」(16)、「サンドイッチガールの逆襲」(18)のマーカス・チャン(張立昂)は、作詞作曲も手掛けるシンガーソングライターでもあります。かつてオーディション番組に出演したもののデビューには至らず、遊園地やコンサートでアルバイトをしたり、劇団やドラマに楽曲提供したりと下積み時代を経験したマーカス・チャン。2014年、『等一個人咖啡(原題)』で俳優デビューした後、本来の夢だった音楽活動もできるようになりました。初のフルアルバムのリリースが待たれるところです。

 「サンドイッチガールの逆襲」マーカス・チャン
「サンドイッチガールの逆襲」マーカス・チャン(張立昂)
© 2018 SANLIH E-TELEVISION CO., LTD

近年、「茶金 ゴールドリーフ」(21)、『疫起/エピデミック』(22)など、話題作に引っ張りだこのシュエ・シーリン(薛仕凌)は、かつてヒップホップユニットDa Mouth(大嘴巴)のラッパー兼作詞家として大活躍していました。Da Mouthは2007年から9年足らずの活動でしたが、台湾では知らない人がいないほど。日本人や韓国ミックスのメンバーと構成する多国籍グループとしても名を馳せた人気グループです。その音楽性も高く評価され、金曲奨を2度受賞しました。

「茶金 ゴールドリーフ」シュエ・シーリン
「茶金 ゴールドリーフ」シュエ・シーリン(薛仕凌)
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

俳優としてのシュエ・シーリンは、2010年代後半から頭角を表し、「私の隣に元カレ」(18)では主演二人に肩を並べるほどの存在感を見せ、2020年のゴールデン・ベル・アワード(金鐘奨/GBA)では、「生生世世(原題)」と「做工的人(原題)」で最優秀主演・助演男優賞のダブル受賞を果たしました。もはや台湾に欠かせない俳優に大成したシュエ・シーリンですが、もし今年公開された『疫起/エピデミック』で金馬奨を受賞すれば、「三金」受賞という偉業を達成することになります。


異色の経歴を持つのは、「あすなろ白書〜Brave to Love〜」(19)の成美役や、「WAVE MAKERS〜選挙の人々〜」(23)で「#mee too」運動の一翼を担ったことで知られるワン・ジン(王浄)でしょう。2013年、15歳という若さで小説『芭樂愛情』(ペンネーム:菌菌)を出版。これがまたベストセラーになっているのですから、その才能に舌を巻きます。

「あすなろ白書〜Brave to Love〜」ワン・ジン
「あすなろ白書〜Brave to Love〜」ワン・ジン
© 2019 EBC. All Rights Reserved. Based on the original graphic novel “ASUNARO HAKUSHO” created by Fumi SAIMON © Fumi SAIMON / SHOGAKUKAN

芸能界入りのきっかけは、15年にアップされた1本の動画。移動するタクシーの中でヒビ・ティエン(田馥甄)の「小幸運」を歌う姿がネット上で注目を浴び、『全ては愛のため(痴情男子漢)』(17)出演へと繋がりました。今や「ジョウ・シュン(周迅)の後継者」、「天才型俳優」と言われるほど実力、人気ともに兼ね備えた彼女ですが、本人は「歌手としてデビューすると思っていた」とインタビューで答えていたほど、歌にも自信があるようです。書いても歌っても演じても一流とは、なんと多才な方でしょうか。

「あすなろ白書〜Brave to Love〜」といえば、取手治役を演じたエディソン・ソン(宋柏緯)も、『共犯』(14)でデビュー後、BLドラマ「HIStory 離れて、離さないで」(17)から社会派ドラマ「太陽を見つめた日々2」(17)まで幅広く活躍中の俳優ですが、実は音楽が大好きでCluTch (離合器楽団)というバンドのギタリストでもあります。バンド活動はそれほど活発ではないようですが、自身の出演作で作詞作曲した楽曲を提供したり、自身がボーカルを務めたりするほか、インストゥルメンタルのアルバム「Outline Vol.1」(21)もリリースしました。

「HIStory 離れて、離さないで」エディソン・ソン
「HIStory 離れて、離さないで」エディソン・ソン
©CHOCO MEDIA CO., LIMITED


<後編「意外な副業がある俳優たち」に続きます>


\いままでの「台湾エンタメ通信」はこちら/

Text:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。

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