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アジアドラマの処方箋#45|“頑張る女性を応援したい!”ときは「茶金」がおすすめ!

この連載では、様々な症状に効く華流ドラマをご紹介します。今回は「頑張る女性を応援したい!」時におすすめの、激動の時代と茶商戦に翻弄されながらも懸命に生きた人々を描く時代ロマンス「茶金 ゴールドリーフ」をお届けします。

"頑張る女性を応援したい!"あなたに
「茶金 ゴールドリーフ」が効く3つの理由!


◎ 新しい時代を切り拓いていく女性の活躍を見られます
◎ ドラマを楽しみながら台湾の歴史を学べます
◎ 台湾俳優たちの名演技を堪能できます

台湾の銘茶づくりに挑むヒロインの感動ストーリー「茶金 ゴールドリーフ」

 「茶金」場面写真1
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

台湾のお茶といえば品質が高く、世界的なブランドがいくつもあるのは、皆さんもご存知の通り。
いったいどのようにしてあんなにも美味しいお茶が生まれてきたのでしょう?

そのお茶づくりの歴史を1人の女性の視点から描いたドラマが「茶金 ゴールドリーフ」。
1949年、新たな時代が始まった台湾で、世界に通用する銘茶を生産するべく努力していく茶商の令嬢が体験していく出来事とは?

昨年、台湾エミー賞と呼ばれる金鐘奨で長編ドラマ部門16部門にノミネートされ助演女優賞と編集賞を受賞した、傑作ドラマの見どころをご紹介します。



茶商の跡取りは誰に? ヒロインとその婿候補3人

物語は台湾を代表する茶商のお嬢様であるヒロインが年頃となり、婿取り騒動が起こるところからスタート。茶商の跡取りとなることが期待される婿候補は?

連俞涵
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

ヒロイン:張薏心(チャン・イーシン)

茶葉の商売で財を成した日光有限会社の社長・張福吉の一人娘。商売のセンスがあり自分も会社で能力を発揮したいと思っていますが、当時は女性が後継ぎになるという考えのない時代。父親は娘にいい婿を取らせようとし、彼女もそれが自分の運命だと受け入れていました。でも、次第に自分は普通の賢妻良母にはなれないと考え始めて……!?

▶演じるのはリエン・ユーハン(連俞涵)
リエン・ユーハンは秀作ドラマ「一把青」で演技力を認められ、「オレ様ロマンス~The 7th Love~」「一千回のおやすみを」「台北女子図鑑」などに出演、作家としても活動する才女。本作のような芯の強い聡明なヒロイン役がハマり、レトロなファッションもよく似合います!

薛仕凌
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

婿候補1:范文貴(ファン・ウェングイ)

日光有限会社の下請け会社を経営する范家の五男坊で、当時としては珍しく大学に進学した秀才。兄が4人もいて父親の会社を継ぐ可能性がないため、張福吉は娘の婿候補にふさわしいと白羽の矢を立てます。実際、頭が良いものの性格はおとなしく、張福吉を尊敬していて茶葉の商売についても理解がある彼は、従順な婿になりそうに見えます。でも、男性としてはイケておらず、しゃれたお嬢様の張薏心とは不釣合いで……!?

▶︎演じるのはシュエ・シーリン(薛仕凌)
日本人と台湾人メンバーで結成されたヒップホップグループ、DA Mouth(大嘴巴)のメンバーとしてMC40の名前で活動し、解散後は「私の隣に元カレ」「ふたりの私」などの人気ドラマに出演するなど、俳優としても活躍が目覚ましいシュエ・シーリン。本作でも彼の巧演から目が離せません!

曾少宗
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

婿候補2:古剣雄(グー・ジエンション)

張福吉と親しくしている紡織会の理事長を務める名士の甥。日本で学んで帰国し、武雄(たけお)という日本名で呼ばれています。礼儀正しい堂々としたイケメンで、商売人としても自信に満ち溢れている好青年。モテそうなので浮気するリスクはありそうですが、見た目も家柄も張薏心と釣り合いが取れていると、周囲の評判は上々。でも、偶然、彼の本音を盗み聞きしてしまった張薏心は……!?

▶︎演じるのはフィガロ・ツェン(曾少宗)
フィガロ・ツェンはコミックボーイズ(可米小子)のメンバーとしてデビューし「イタズラなKiss Ⅱ~惡作劇2吻~」「秋のコンチェルト」などのドラマに出演、近年はドラマ版「悲しみより、もっと悲しい物語」での演技も好評。日本でも活動している彼が日本語のセリフをこなしているのに要注目!

温昇豪
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

婿候補3:劉坤凱(リウ・クンカイ)/KK

太平洋戦争では日本軍兵士としてビルマに出征、米軍の捕虜となりインドで働いていましたが、台湾に戻った後は、国民政府を支援するアメリカの会社に勤務。戦争で家族を亡くした癒えない心の傷を抱えながら、どこかで生きているかもしれない娘を捜し続けています。また、社会を良くしたいという広い視野と反骨精神を持っていて、化学肥料を生産する事業で張福吉と意気投合。そんな彼に張薏心は惹かれていきますが……!?

▶演じるのはウェン・シェンハオ(温昇豪)
ウェン・シェンハオは「結婚って、幸せですか」などの台湾ドラマ、「斗羅大陸 ~7つの光と武魂の謎~」などの中国ドラマでもおなじみの人気俳優。台湾客家人の彼は劇中で海陸客語(客家語の一つ)、台湾語、標準中国語、英語のセリフを話し、持ち前の語学能力をいかんなく発揮しています!


私だって活躍できる!激動の台湾で奮闘していく女性たち

婿取り騒動が繰り広げられる一方で、張薏心は着実にビジネスの手腕を発揮。人付き合いや伝統を大事にする父・張福吉とは違って、リスクを恐れず新しいことに挑戦していきます。それで時には痛い目を見ながらも失敗から学び、会社の売上を伸ばすだけでなく従業員の生活を守るためにも奮闘、皆から“新社長”と呼ばれるほど信頼を獲得していくことに。また、張薏心だけでなく女性で初めて茶師として抜擢された羅山妹(ルオ・シャンメイ)も、当初は周囲から軽んじられていたものの、美味しいお茶を作って実力を証明、誰もが認める天才茶師として活躍していきます。

そんなふうに時代の変遷の中で、女性たちが仕事で才能を開花させていく、生き生きとした姿が描かれるのも爽快な見どころです。

「茶金」場面写真2

「茶金」場面写真3
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

数々の困難を乗り越えていく!人々の姿を描いた感動ドラマ

張薏心と張福吉は互いに意志が強く努力家で、茶葉を愛する気持ちを同じくする似た者親子。ただ、ビジネスにおける考え方が違うためにしばしばケンカになります。それでも、大事な家業を守るという共通の目的のために手を取り合って努力していく2人。彼ら親子が政情不安で明日も知れぬ社会状況の中、次々と降りかかってくる困難に立ち向かっていく展開にハラハラ。そして、それらを乗り越えていく過程にじーんと感動させられます。また、2人を取り巻く従業員たちにもそれぞれの人間ドラマがあるのも見逃せないポイント。彼ら一人一人の悲喜こもごものエピソードに、思わず涙がこぼれたり、ほっこりしたりさせられます。

「茶金」場面写真4© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

果たして、張薏心の婿選びの結果は? 彼女は世界の人々を魅了するお茶を作り出せるのでしょうか? 時代の変革の波に翻弄されながらも、夢を実現し自分なりの生き方を見つけていくヒロインのラブストーリー&人間ドラマをぜひじっくりと味わってみてください。

「茶金」場面写真5
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation


\そのほかの処方箋はこちら/

TEXT: 小酒真由子(フリーライター)
映画界・出版界での会社勤めを経てフリーライターに。アジアから欧米までドラマについて執筆しています。双葉社『韓国TVドラマガイド』にて「熱烈推薦!! 中華ドラマはこうハマる!」を連載、Cinem@rtにて「『山河令』の台詞を読み解く」「アジアドラマの処方箋」などを執筆。

今回のおくすり:「茶金 ゴールドリーフ」
「茶金」キービジュアル

DVD-BOX 発売中(13,200円・税込)
DVDレンタル&動画配信サービスにて配信中

発売・販売元:エスピーオー © 2021 Taiwan Public Television Service Foundation
https://www.cinemart.co.jp/dc/t/chakin.html

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