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映画『親愛なる君へ』から知る、基隆(キールン)のこと【ドラマから知る台湾のこと #7】

この連載では、台湾のドラマ(ときどき映画)を観て感じた小さな疑問をきっかけに、台湾のくらしや文化をご紹介していきます。 

教えてくれるひと:ローズさん
台湾・高雄生まれ、来日7年目。日本の映像系企業に勤務。台湾で10年間劇団に参加し、ドラマを観ることも大好き。言語と文化に興味を持ち、毎日日本人の旦那さんと日台文化の違いを楽しく体験している。将来の目標は台湾と日本の架け橋になること。


― 7月23日より劇場公開がスタートした台湾映画『親愛なる君へ』、心に響く良い映画でとても感動しました…!

ローズさん:おお、ご覧になりましたか! 私も大好きなんです。台湾でもかなり好評で、2020年の興行収入TOP10にも入った作品なんですよ。

― モー・ズーイー(莫子儀)さんをはじめ、俳優の演技が素晴らしく、随所でうつる景色も味がありましたよね。この作品、舞台は台湾のどこなんですか? 映画の冒頭に港がでてきましたよね。

ローズさん:あれは基隆(キールン/きりゅう)という、台北市の右上に位置する台湾北部の港町です。「雨の都」として知られて、雨がよく降る場所なんですよ。三方を山にかこまれ、北側が海に面しているので、一年中湿気が多いのが特徴です。

『親愛なる君へ』場面写真1
『親愛なる君へ』より。劇中、何度も基隆の港が映る

 ― 確かに雨や曇りのシーンが印象的でした! 曇天のくすんだような光や色調が主人公の気持ちを表しているようで。この映画にぴったりのロケ地ですね。

ローズさん:私もそう思います! 『親愛なる君へ』の監督、チェン・ヨウジエ(鄭有傑)さん曰く、この映画の舞台を基隆に決めた理由は港は船が帰る場所なので主人公リン・ジエンイーの居場所を探しているような心境にぴったりだから、だそうです。

― そんな理由があったんですね。

『親愛なる君へ』場面写真2
『親愛なる君へ』より。基隆の港

ローズさん:あと、この映画を見ていると随所で台湾らしさを感じられます。アパートの前に二人で協力してスクーターを押すシーンとか、ゴミ収集車にごみを出すシーンとか。

―  そういえば、映画の中でこいのぼりが出てきたように思うのですが、台湾でもこどもの日にこいのぼりを飾るんですか?

ローズさん:それは違います(笑)。台湾のこどもの日は4月4日で、日本と違いますし、日本みたいにこいのぼりを飾る風習もありません。この映画でこいのぼりが登場するのは、もしかして監督の日本との繋がりが理由かもしれません。実はチェン・ヨウジエ監督のお父さんは日本に30年間住んでいたことがあり、監督ご自身も日本語が堪能なんです。大好きな是枝裕和監督の小説「歩いても、歩いても」の台湾華語版の翻訳も務めたほどなんですよ!

チェン・ヨウジエ(鄭有傑)監督
チェン・ヨウジエ監督


― 監督だけじゃなく、翻訳まで?!すごい! 日本とつながりが深い方なんですね。


ローズさん:チェン・ヨウジエ監督の出身地である台南は、日本統治時代から残された古跡が有名ですが、実は基隆市長官邸の建設や基隆港の大規模な築港工事が始まったのも日本統治時代でした。基隆は今でも人気の観光地で、特に基隆廟口夜市がおすすめです! 日本人に大人気の観光地・九份にも近いですし、私も台北に住んでいた頃は、何度も九份~基隆廟口夜市の日帰り旅行に行っていました。

― いいですね! いつかローズさんのおすすめルートで観光してみたいな。台湾に行けるようになる日まで映画『親愛なる君へ』をもう一回観て、基隆の風情を味わいましょう!

コラム「ドラマから知る台湾のこと」記事一覧ページ/

今回、台湾を知るきっかけになった映画は『親愛なる君へ』

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https://www.cinemart.co.jp/vod/lineup/detail/000772.html

監督/脚本:チェン・ヨウジエ 監修:ヤン・ヤーチェ(楊雅喆)
出演:モー・ズーイー、ヤオ・チュエンヤオ(姚淳耀)、チェン・シューファン、バイ・ルンイン(白潤音)
2020年/台湾/カラー/106分/シネマスコープ/5.1ch  原題:親愛的房客 配給:エスピーオー、フィルモット
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