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8月8日(木)までの1週間限定上映

シークレット・ディフェンス

魔術師ジャック・リヴェットが放つ傑作ミステリー ついに公開 復讐の舞台への列車がいま 動きだす

研究所に勤めるシルヴィのもとに、ある日弟のポールが訪ねてくる。切羽詰まった表情で彼が語ったのは、事故によるものと思われていた父の死は、実は彼の右腕だった男ヴァルサーの仕業だったという驚くべき真相。いきり立つポールに先回りし、ヴァルサーが暮らす田舎の古城にひとり向かったシルヴィだったが、思いがけない事態に巻き込まれていく────

その魅惑的な映像マジックによって、長年にわたり映画ファンを夢中にさせてきたフランスの巨匠、ジャック・リヴェット。この『シークレット・ディフェンス』は、リヴェット監督の後期を代表するサスペンスの傑作にも関わらず、長らく日本未公開だったいわくつきの作品だ。真実を追う姉弟、謎多き母親、幼少期に自殺したもうひとりの姉、父の死に深く関わる男。まるでギリシャ神話やシェイクスピア劇のような復讐譚として出発する物語も、リヴェットの手にかかれば亡霊のような人物たちが立ち現れては行き交う、美しい迷宮へと姿を変えていく。それぞれの思惑が対峙する古城とシルヴィが歩きまわるパリの街並み、過去と現在、現実と別天地とを結びつける電車を用いたシークエンスは本作の白眉で、これぞ映画といった魅力に満ちあふれている。シルヴィをクールに好演するのは『冬の旅』(85)、『仕立て屋の恋』(89)、『あのこと』(2021)などで知られ、監督としても活躍する女優サンドリーヌ・ボネール。シルヴィの父殺しの疑いをかけられるキーパーソンの男、ヴァルサー役にはジャン=リュック・ゴダール監督『パッション』(82)で知られるポーランドの名優、イエジー・ラジヴィオヴィッチ。またエリック・ロメール監督『モード家の一夜』(69)のフランソワーズ・ファビアンが短い出演時間ながら曲者っぷりを発揮しているのも見どころのひとつ。<シークレット・ディフェンス=秘められた防衛>とはいったい誰が何のために仕組んだものなのか?そして陰謀と愛憎が絡みあう果てにシルヴィがたどり着く衝撃の結末とは?ヌーヴェル・ヴァーグ随一の魔術師、ジャック・リヴェットの真骨頂を目撃せよ!

予告編

監督

ジャック・リヴェット

キャスト

サンドリーヌ・ボネール、イエジー・ラジヴィオヴィッチ、グレゴワール・コラン、フランソワーズ・ファビアン

スタッフ

1998年 / フランス / カラー / 173分
脚本:パスカル・ボニゼール、エマニュエル・クオー、ジャック・リヴェット 撮影:ウィリアム・リュプチャンスキー 編集:ニコール・ルプシャンスキー
© 1997 PIERRE GRISE PRODUCTIONS/LA SEPT CINÉMA, T&C FILM AG
© 2019 Les Films du Veilleur

物販情報

パンフレット作成がございません。

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