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アジアをもっと好きになる

9月6日(火) 19:30より上映‼

ノー・オーディナリー・マン ☆トークあり

20世紀半ばに、アメリカで活躍したジャズミュージシャン、ビリー・ティプトン。1989年の死後に「実は女性だった」とメディアにアウティングされた彼を、きちんと「男性」として歴史に刻み直したいと、現在を生きるたくさんのトランスジェンダー当事者が集まった。
過去に埋もれたビリーの物語を発掘すると同時に、現在のトランスの語りを記録に残そうとする過程の中で、見えてくるのは、30年経っても、「社会はあまり変わっていないんだ」ということ。シスジェンダー中心の社会においてトランスとして生きる経験は、今も昔も重なる部分が多い。
だが一方で、この映画は「けれども時代は確実に変わってるんだ」という希望の象徴でもある。孤独だったビリーと、作中に登場するたくさんのトランスの表現者(役者、ミュージシャン、作家、活動家、映画監督etc)の対比を見れば明らかだ。
まだまだ問題は山積みだ。
でも、私たちは確実に時代を変えてきた。
この映画がその証拠だ。
そんなメッセージを感じる作品である。
また、ビリーが白人であったことを見逃さないのも、この作品の注目すべき点。
なぜ白人のビリーの物語を描くにあたって、監督は、黒人の役者に声をかけたのか。その疑問について語るシーンがある。自分の白人特権に向き合わなければいけない、という監督の姿勢の現れではないのだろうか。自分が生きている世界から見える景色だけでは、描けていないものがあるという意識があったのではないだろうか。まだまだ不十分ではあるが、特権ゆえの無知さを自覚し行動しようとする監督の姿勢を、「日本人」は最低限見習うべきだと思う。
たくさんのテーマを取り上げていて、ついていくのに精一杯かもしれないが、ぜひ日本の状況のことも考えながら、見てほしい。
(文責:西木久実)

主な上映歴・受賞歴

監督

アシュリン・チンイー、チェイス・ジョイント

スタッフ

英語題・原題
No Ordinary Man

上映時間
83分

制作年
2020年

制作国
カナダ

言語
英語

字幕
日本語字幕あり / 英語字幕なし No English subtitles
(字幕協力:NPO法人レインボー・リール東京)

特別料金

【大阪1回券】1プログラムに有効

A価格 800円
価格選択の目安
食費や家賃の支払いに困っている / 一ヶ月の収入が15万円以下

B価格 1,600円
価格選択の目安
明日の生活に金銭的な支障がない

C価格 2,400円
価格選択の目安
経済的余裕がある / 映画祭をお金で応援したい


【大阪パス 限定15枚】
各会場の全プログラムに有効
パスは、パスに記名された1名様のみ有効です。

A価格 3,000円
価格選択の目安
食費や家賃の支払いに困っている / 一ヶ月の収入が15万円以下

B価格 6,000円
価格選択の目安
明日の生活に金銭的な支障がない

C価格 12,000円
価格選択の目安
経済的余裕がある / 映画祭をお金で応援したい

詳しくはこちらから⇓
https://kansai-qff.org/2022/ticket/

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