チベット映画特集「映画で見る現代チベット」
世界的なチベット映画人の作品を中心に、日本プレミア上映を含む貴重な7作品を特集上映。
『ラモとガベ(原題)』<日本プレミア上映>
ソンタルジャ監督の長編第4作。東チベットで生まれた世界最長の英雄叙事詩「ケサル王物語」に若い男女の運命を重ねて描いた意欲的な最新作である。
ラモとガベは婚姻届を出しに行ったところ、ガベが以前結婚しており、まだ離婚が成立していないことを知る。一方ラモは、正月に行われる歌舞劇「ケサル王物語」で、罪のために地獄に落ちた女性の役で稽古に取り組んでいたが、その役にわだかまりを感じ、次第に結婚への恐れを感じ始める。
監督:ソンタルジャ
出演:ソナム・ニマ(ガベ)、デキ(ラモ)、スィチョクジャ(ジャシ)
原題:拉姆与嘎贝|英語題:Lhamo and Skalbe|2019年|110分|カラー
『巡礼の約束』
山あいの村で、夫のロルジェ、ロルジェの父と暮らすウォマ。
病院である事実を告げられたウォマは、聖地ラサへの五体投地での巡礼旅に、一人で行くと決意する。半年以上もかかる巡礼の旅に、初めは反対していたロルジェだが、ウォマの固い決意にラサ巡礼を受け入れる。しかし妻の決意にはある秘密があった。
監督:ソンタルジャ
出演:ヨンジョンジャ(容中爾甲)、ニマソンソン、スィチョクジャ、ジンバ
中国語題:阿拉姜色|英語題:Ala Changso|2018年|中国映画|109分|配給:ムヴィオラ
『草原の河』
日本で初めてのチベット人監督による劇場公開作。
広大な草原で牧畜を営むある家族。幼い娘は、もうすぐ生まれてくる赤ん坊に母を取られてしまうと不安を募らせる。一方、父は、ある出来事をきっかけに出家した自分の父親を今も許せないでいる。娘、その父、そして祖父。家族三代それぞれの心情を峻烈な映像で描く。
監督:ソンタルジャ
『陽に灼けた道』<劇場未公開>
ソンタルジャ監督の長編デビュー作。バンクーバー国際映画祭アジア部門新人監督賞はじめ数々の映画賞を受賞して、一躍世界中に注目された。
監督:ソンタルジャ
出演:イシェ・ルンドゥプ(ニマ)、ロチ(老人)、カルザン・リンチェン(ニマの兄)
『ラサへの歩き方~祈りの2400km』
ニマの家では、父親が亡くなり、まだ四十九日が明けず、法事が行われていた。父の弟のヤンペルは、兄のように思い残すことなく自分は死ぬ前に聖地ラサ行きたいと願っていた。彼らの巡礼のことを知ると、次々と同行を願う村人が集まり、老人、妊婦、そして幼い少女タツォを含め一行は総勢11人になった。
村から五体投地で1200km離れた聖地ラサへ、さらにそこから1200kmあるカイラス山への巡礼の旅がはじまる。
監督:チャン・ヤン(張楊)(『胡同のひまわり』『帰郷』)
『オールド・ドッグ』<劇場未公開>
1990年代末、中国富裕層の間で起きたチベットのマスチフ犬ブームを背景に、「犬を通じてチベット族の現状を表現したかった」と監督が語る衝撃作。主人公は老マスチフ犬を飼っている遊牧民の老人。犬を売り飛ばそうとする息子、しつこく付きまとう仲買人や犬泥棒。老人は「犬は民族の誇り」と手放すことを頑なに拒むが……。
第12回東京フィルメックスグランプリ。
監督:ペマ・ツェテン
『タルロ』<劇場未公開>
家族のいない羊飼いのタルロ。ある日、役所からID(身分証明書)を作れと言われ、タルロはIDに必要な写真を撮りに町へ。髪を切るために入った床屋で女性と知り合い……。
第16回東京フィルメックスグランプリ。
監督:ペマ・ツェテン
キャスト・スタッフ
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主催:ムヴィオラ
協力:ソンタルジャ、ペマ・ツェテン、シマフィルム
『ラモとガベ(原題)』『巡礼の約束』『草原の河』『陽に灼けた道』
©GARUDA FILM
『タルロ』『オールド・ドッグ』
©Mani Stone Pictures
上映館
6月26日(土)〜7/9(金)大阪 第七藝術劇場
6月26日(土)〜7/9(金)大阪 シアターセブン
近日 下高井戸シネマ
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