イベントレポ|『盗月者』舞台挨拶 “イーダン・ルイ、アンソン・ローは香港の有望な若手役者”
香港と東京を舞台に、幻の時計を盗むために4人の男たちで結成された窃盗団が、香港裏社会、日本のヤクザを相手に、盗んだ時計と共に逃げ切るかどうかの大逆転クライム・アクション『盗月者 トウゲツシャ』が11月22日に公開を迎え、11月23日に都内の映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、ユエン・キムワイ監督が登壇、また香港から主演のイーダン・ルイ、アンソン・ローがオンラインで参加した。
ユエン監督は登壇すると、「『盗月者』を見に来てくれてありがとうございます。とても感動しております。日本と香港で撮影できて非常に貴重な映画ですし、皆さんに気に入っていただけると本当に嬉しいです」と日本の観客に挨拶した。
そして香港からスタンバイしていたイーダン・ルイとアンソン・ローの姿がスクリーンに映し出されると、観客から大きな声援が送られた。二人は日本語で「こんにちは、私はイーダン・ルイです。皆さん、楽しんでいただけると嬉しいです」「皆さん、こんにちはアンソン・ローです」と挨拶すると、客席から拍手が送られた。
ユエン監督から見た主演二人の印象としては、「2人はとても違うタイプの役者で、イーダンはとても勉強家で台本の研究するタイプの役者です。私も気が付かなかった観点からの質問もあり、それによって役割に深みを与えるという効果があり、さらに面白い話に発展させることができました。まさに思考系の役者ともいえます。アンソンは正反対のタイプの役者で、現場の雰囲気や直感、フィーリングを大切にしていて、現場で、彼の演技を調整する時には、彼の演技を触るのではなく、相手役の演技を調整することで、彼の反応に変化が生まれていました。このセンシティブなタイプというのは非常に稀で貴重なタイプの役者と言えます。二人とも、私にとってとても貴重な香港の有望な若手役者です」と語った。
一方、二人から見た撮影現場でのユエン監督の印象を聞くと、アンソン・ローは「まずはお褒め頂きありがとうございます。1年前に撮影した作品ですが、監督のリードで全員が楽しく撮影した思い出があります。リハーサルの時からいろいろ試させてくれて、いろいろチャレンジさせていただけた機会でした。一つ印象的なシーンとしては、鍵を開けるものすごく緊張感が高まるシーンがあるのですが、その時にどうやって自分の緊張感を高めるかという時に、監督からある特別な呼吸法を教えてもらって、それであの緊張感の自分のテンションが作り出せたと、とても監督には感謝しています」と語り、イーダン・ルイは「監督とは以前にCMや演劇を通して一緒に仕事をしたことがあり、すでに良い関係がありました。厳しい指導ではなく、温かいお父さんという感じでした。何でも話すことができる信頼関係。ひょっとしたらほかの監督とはここまでこういった信頼関係は築けなかったかもしれない。こういった温かい雰囲気の中で、この4人(注釈※窃盗チームを演じた、イーダン・ルイ、アンソン・ロー、ルイス・チョン、マイケル・ニン)で一緒にできたというのが非常に貴重で、また次回作があればぜひ一緒にやらせていただきたいと思っております」と二人ともユエン監督に感謝の意を伝えると、ユエン監督から「ぜひまた一緒にやりましょう」と笑顔で答えた。
今回の舞台挨拶では、観客からの質問コーナーも設けられ、「2人で演じるシーンの中でどんな演技をするかとか、ディスカッションをどんな風にしたか教えていただけますか」という質問に対して、イーダン・ルイは「僕とアンソンは仲が良くて、いろんなコミュニケーションを通して役柄を考えて、相手の役についても考えて、お互いに違った視点の意見を与えることができ、切磋琢磨して役を深めることができます。そのため、私たちの仲の良さというのも一つの映画を作る中での助けになっています」と話し、アンソン・ローは「そのシーンでいつも意見が合うというわけではないんです。例えば、鍵を開けるというシーンで、僕の演技に対してイーダンからかなり違うという意見もありました。でも、そういったことを率直に会話ができる、なんでも言い合える仲というのが一つの僕たちの特別な関係だと思っています。ぜひとも、これを通じてこの先も、お互いに何でも素直に思ったことを言い合えるという仲を生かして、自分の演技を良くしていくと、そういう関係でいたい」と語った。
また日本でまた映画を撮りたいですかという質問に対して、ユエン監督からは「もちろん日本ではもう一度映画を作りたいと思っています。実はいろいろな候補地をあたためています。『盗月者』も最初は、鳥取砂丘で撮影したいと思っていました。主人公たちが香港に帰る前に一度鳥取へ立ち寄るシーンを考えていました。砂丘の孤独や寂静なそんな感じの雰囲気が実は結構気に入っていたのですが、予算の関係でそこで撮ることはできなかったので、また機会があったらここを候補地にしてみたいと思います」と裏話も飛び出した。
最後にイーダン・ルイから「日本での撮影は、一か月間、朝から晩まで撮影詰めで、夜ラーメン食べて寝るくらいしかできないくらい忙しかったけど、とても楽しかった思い出です。個人的にもショッピングや食事に行ったりと日本が大好きです。これからの機会があれば、ぜひ、日本でまた仕事を通じて皆様と交流できると幸いです」、アンソン・ローからは「皆さん映画をサポートいただき、本当にありがとうございました。この映画は僕にとって今までの仕事とはちょっと違うもので、かなり力を入れておりました。今後もこういった香港の映画や音楽など、もっともっと皆さんにいろんなものを提供したいと思っています。是非サポートをよろしくお願いいたします。ありがとうございました」と挨拶。そしてユエン・キムワイ監督からは「本当に皆さん今日は観に来てくれてありがとうございました。面白いと思ったら、是非お友達にお薦めしてください。香港映画の中で、悪役が警察に捕まっていない数少ない映画です。面白いと感じて頂けたらとても嬉しいです。どうもありがとうございます」と大ヒットを祈願していた。
『盗月者 トウゲツシャ』は、池袋HUMAXシネマズ、渋谷HUMAXシネマほか全国順次公開中。
原題:盜月者 The Moon Thieves 2024年/中国(香港)/カラー/ビスタサイズ/107分
配給:サロンジャパン、ポレポレ東中野
©Emperor Film Production Company Limited MakerVille Company Limited All Rights Reserved
『盗月者 トウゲツシャ』公式サイト https://pole2.work/tougetsusha/
X公式 @tougetsusha
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