インタビュー|「玉骨遥」シャオ・ジャン(肖戦)“僕は自分の選択を信じる”
美しくも切ない、禁断の大ヒットドラマティック・ロマンス時代劇「玉骨遥(ぎょっこつよう)」。この度、大ヒット作「陳情令」でブレイクし、本作では 骨の髄まで美しく気品あふれる若き神官の時影(じえい)を演じたシャオ・ジャン(肖戦)のオフィシャルインタビューが到着した。
——簡単に時影(じえい)というキャラクターについてご紹介ください。
シャオ・ジャン 彼は数奇な運命を辿るキャラクターです。本来の身分は世子(せいし)ですが、ある災難が宿命づけられていたために本来の世子の身分から逃れることになり、九嶷(きゅうぎ)山にこもって法術の修行をします。その過程で自分に災難をもたらす宿命の相手に出会い、そこから彼の新たな人生の旅路が始まります。彼を形容するとしたら、責任感があり正義を助け、天下を思い国を思い民を思う、愛に対して忠節を守り通す勇敢な人です。
——脚本を読んでどんな点に最も魅力を感じましたか?
シャオ・ジャン 時影と朱顔(しゅがん)の二人は宿命を信じることなく、人間の力が天に勝る、全ては自分の努力によって変えていけることができると信じます。その点が気に入りました。冒頭から彼は自分の宿命が何であるかを知っています。時影は朱顔と出会った時から彼女が自分に災難をもたらす人物で、彼女が自分に死をもたらすと分かっています。それでも彼はその宿命に立ち向かうことを選択し、その宿命を変えようとするのです。そのために以前は避けていたいろいろなことにも関わっていくようになります。
——そんなキャラクター設定を理解して、最初の感想はいかがでしたか?
シャオ・ジャン まず思ったのは、時影というキャラクターを決して乏しい表情で演じてはいけないということでした。このようなエレガントでクールな人物は多くの場合、表情が変わらず感情の表し方も小さくなりがちです。そのため画面を通してそれを観る視聴者にいつも同じ顔をしていると思われてしまいます。それでは視聴者を信じさせることができません。乏しい表情ではステレオタイプなキャラクターしか表現できませんし、そういう人物が本当に表情を動かさないわけではありません。我々は彼がなぜこのようにクールな人物となったのか、彼のベースにあるものは何なのか、その背景を探り当てなければなりません。時影はなぜ九嶷山に隠居して世間と距離を置いたのか、全てには理由があると思うからです。脚本にクールと書いてあるんだからそうなんだで済ませるわけにはいかないのです。しかも、彼が幼くして皇宮と母親から離れざるを得なくなり隠れ住むようになったのは、自分の命と母親の命を守るためでした。彼は外界はもちろんのこと、女性と接触することも許されません。女性と出会えばそれが彼に死を招く宿命の人物となる可能性があり、100分の0.1の可能性であっても彼の未来に影響するかもしれないからです。だから彼はその可能性につながるものを全て断ち切って生きてきました。その結果、このようなクールでエレガントな人物像が出来上がったのです。そんな時影という人物をものにするには表面的でステレオタイプな演技をしてはならないと思いました。
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——つまり、彼を完璧な人物として演じようとはしなかったのですね?
シャオ・ジャン そうです。脚本を読んだ時には時影が完璧な人物に思えました。幼い頃から利口でなすべき事をしようという向上心があり、非常によくできた人物です。そんな彼を唯一揺るがす存在が朱顔なのです。そういう設定も気に入りました。彼をありがちなキャラクターにしないために(現場では)いろんな話し合いをしました。
——ありがちなキャラクターにしないために、どんな演技を心がけましたか?
シャオ・ジャン つまり、生活感を出す演技を心がけましたね。例えば、腹が立つような話を聞いたらやっぱり時影だって腹を立てるだろうし、彼を神格化せず、神官を演じるのだと思わないようにしました。彼も全てのリアクションにおいて何事にも動じない、何をされても平常心でいるというわけではないと思います。普通の人なら何か刺激されるようなことを言われたら、当然それに何か反応を返すはずです。
——時影のどんな性格を評価しますか?
シャオ・ジャン やろうと決めたことは必ずやり遂げるところです。彼は極めて行動力がある人物だと思います。
——極めて行動力があるというのは、あなたに似ているのではないですか?
シャオ・ジャン そうですね、よく似ています。時影は神官である自分を捨てて万劫地獄へ行くと決めたら、それを必ずやり遂げます。時影は海皇を見つけ出すと決めたら、それを必ずやり遂げます。時影は空桑(くうそう)を守る、民を守ると決めたら、それを必ずやり遂げます。
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——彼のそういう点は共感できるところですか?
シャオ・ジャン もちろん、そうです。僕もそのような人になりたいと思っています。
——時影というキャラクターに入り込めたと感じられた瞬間はありましたか?
シャオ・ジャン 清修殿のシーンですね。クランクインして2週間目あたりです。実を言うと、最初の1週間はまだ手探りの状態でした。恐る恐る折り目正しいキャラクターを演じていました。そして、自分が演じた映像を見返したりして、問題を見つけたら自らそれを取り除くようにして少しずつ調整していきました。それから監督とも話し合いました。僕はエピソードを引っ張っていくキャラクターが好きですが、時影は多くの場合、聞き手側に回っています。彼が自分から動かしていけることはそんなに多くはないのです。
——これまで演じたシーンの中で最も気持ちが溢れ出たシーンはどこですか?
シャオ・ジャン それほど多くはないですね。時影は多くの場合、自分の気持ちを抑えているというか、節制しています。自分の気持ちを大きく外に表さないんです。強いて言えば、万劫地獄のシーンですね。万劫地獄は時影が一人になる空間で、そこでは彼も気持ちを発散させることができます。そこにいるのが彼ただ一人だからです。
——気持ちが溢れそうになりながらも節制する、そういう演技は純粋に気持ちを発散させるのと比べていかがですか?
シャオ・ジャン 難しいですね。確かに難しいです。視聴者がどれくらいの濃度でそれを受け取るのか、視聴者にはその気持ちを100%伝えなければならないのに表情など見た目ではそれを100%表せない、そこが難しく感じるところです。そういう演技も一つ一つ演じるうちに手応えをつかんでうまく演じられるようになれたらと思っています。どのようにしたらこのような悲しみの気持ちを直接的に外に表すことなく視聴者に感じてもらえるのか、僕もずっと模索しています。
——つまり、この役を演じたことで演技に対して新たな気づきがあったということですね?
シャオ・ジャン 実際、どの役を演じるのも新たな経験となりますし、作品によってキャラクターはどれも違って、自分の感じ方もそれぞれです。
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——役選びにおいては、これまでとは違う役を演じたいと思っていますか?
シャオ・ジャン もちろんです。どんな作品であっても、以前演じた役柄のイメージを視聴者に忘れさせることができたら成功だと思っています。毎回、「えっ、これは彼なの?」「自分が思っていたイメージと違う」と思ってもらえたら嬉しいですね。僕が演じたキャラクター自体を覚えておいてもらえたらいいと思っています。
——時影は自分の宿命を知りつつ、このような選択をするわけですが、もし自分だったら同じような選択をしますか? 違う選択をしますか?
シャオ・ジャン 同じ選択をすると言いたいですが、それはとても大変なことですよね。今の僕ならやっぱりそのようにしたい。でも、今後の僕もそうするかは、正直分からないですね。人は常に変わっていくものだから。人はそれぞれの人生のステージで変化していくと思うからです。自分の信念さえ変えずに守ることができれば、それでいいと思います。
——つまり、人生の結末が分かっていても、やはりその道を取るということですか?
シャオ・ジャン そうですね。僕は“運命論”を全く信じていないからです。僕は人間の力が天に勝ると考えています。変えられないものは何もないと思っています。自分がそうしようとさえ思えば。僕は自分の選択を信じます。そうすれば後悔もしません。全力を尽くせばいいと思います。
——横店影視城で撮影するのは何回目になりますか?
シャオ・ジャン 4回目です。「陳情令」「斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~」「最美逆行者(原題)」に続いて4回目です。
——「斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~」のインタビューの際は、視聴者はあなたの時代劇衣装の姿を見て喜んでいました。ずっと横店にいて時代劇を撮ってほしいと思っているファンもいますが?
シャオ・ジャン あの時にまたフラグを立ててしまったんですよね。もう時代劇は撮らないと言ったから、(逆に)撮ることになってしまいました(笑)。
——もし時影を現代の職業に当てはめるとしたら何でしょうか?
シャオ・ジャン 裁判官です。
——劇中では誰の法術や法器が一番かっこいいですか?
シャオ・ジャン 僕です。
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