最新台湾映画|リン・ボーホン×ニッキー・シエ『愛的噩夢』、台北電影節でワールドプレミア
ニュース提供元:台北電影節
台北電影節
600席のチケットが即完売したという注目作『愛的噩夢(原題)』が先月26日、台北電影節(台北フィルムフェスティバル)で上映された。満席の中山堂には、プロデューサーのディン・チャンユー(丁長鈺)、監督のリャオ・ミンイー(廖明毅)をはじめ、リャオ作品おなじみのリン・ボーホン(林柏宏)とニッキー・シエ(謝欣穎)、本作で最優秀主演女優賞にノミネートされたクロエ・シアン(項婕如)、大飛ことウー・ジーチン(呉志慶)らが登壇し観客と交流した。
4年前の台北電影節でアジア初上映されたリャオ・ミンイーの前作『恋の病 〜潔癖なふたりのビフォーアフター〜』に続き、今回もスマートフォンで撮影された『愛的噩夢』は同映画祭でサウンドトラック賞、サウンドデザイン賞など4部門にノミネートされ、堂々のワールドプレミアを飾った。
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本作は、リン・ボーホン演じる男性が、必死に口説き落とした奇癖持ちの女の子、忘れられない昔の同級生、心の中の夢の女神など、周りの女性たちが次々と入れ変わり、恋愛ゆえの悩みやトラブルに直面する様を描く。『恋の病〜』コンビのニッキー・シエとの共演シーンはさらにレベルアップし、リン・ボーホンが組み敷かれる上裸ベッドシーンもあった。リン・ボーホンは「最初に服を着た状態で動きをリハーサルしました。ストーリー上、絶対に必要なシーンだと思っています」、ニッキー・シエは「大きな機材がないスマホ撮影だったので、二人ともリラックスして演じられました」と、ベッドシーンの撮影についてそれぞれに語った。
リン・ボーホンが『恋の病〜』で演じた主人公はほぼ恋愛経験がなかったが、今回は普通の青年に近く、男性視聴者の共感を呼ぶことを期待していると述べた上で、「クロエが演じる白佳琪は清純で白い紙のように清潔です。旧知の仲である大元はある種のソウルメイト。ニッキーが演じる黒澤は男の夢である女神的存在で、それぞれに違う魅力があります」と相手役のキャラクターを説明。もし自身なら誰を選ぶかとの問いには、長い間迷った末に「ソウルメイトですね」と答えつつ、二股をかけられた経験があるので劇中のような二股状態は受け入れられないと複雑な心境を明かした。
4年ぶりの台北電影節に緊張しきりのリャオ・ミンイーは、クロエ・シアンをキャスティングした経緯について説明。初めて会ったのは、クロエ・シアンが『疫起/エピデミック』の撮影中で、マスク着用が義務化されている時期だった。「ですから、私は彼女の顔をちゃんと見ていないんです。ただ意志の光が感じられる瞳に、彼女だと思いました」と一目で決めたことを明かした。劇中、クロエ・シアンが演じるキャラクターは極度の潔癖症で、恋人の携帯電話やレシートを毎日チェックする偏執的な恋愛観の持ち主。クロエ・シアンは、恋人が水分や果物を摂っているかまで気にする母親のようだとした上で、「白佳琪の一番すごい決まりごとは、外出中の彼氏に、居場所の証明として指定した番号と一緒に写真を撮らせること。ここまでの行為は本当に予想していませんでした」と白佳琪の変人ぶりを説明。初ノミネートの主演女優賞については、認められたということなので感謝していると喜びを示した。
台北電影節は6月21日から7月6日まで、臺北市中山堂、信義威秀影城、光點華山電影館で開催中。最終日の授賞式の模様は、台湾の主要チャンネルや配信プラットフォームのほか、Dish TV、YouTubeなどで生配信される。
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翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。
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