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最新中国ドラマ|「惜花芷」が好成績のまま終了。視聴者の心を大きく揺さぶる作品に

引用元:wechat 德塔文科技 公式アカウント:「德塔文影视观察」
記事タイトル:「剧日报|《惜花芷》温情收官,申奥执导井柏然主演《新生》定档」


「惜花芷」本国版キービジュアル

中国で市場分析を展開する德塔文科技による影視観察(datawinfilmtv)データより、ドラマデイリー景気指数TOP10にランキングしたドラマを、ピックアップしてご紹介!(以下、ドラマタイトルは全て原題の表記です)

今回取り上げられた注目作品は、5月3日にYouku会員向け配信で最終回を迎えたフー・イーティエン(胡一天)&チャン・ジンイー(張婧儀)の時代劇「惜花芷」。トップ市場で強力な作品たちが首位争いを繰り広げる中で、配信開始から景気指数も高い数値を維持してきたことは、このドラマがいかに優れた作品であったことが示される形となった。

このドラマは、さまざまな女性キャラクターたちによる群像劇で、その中心となるヒロインの成長を通して、古代の社会制度の下で生きる女性のさまざまな姿や、強靭さをポジティブに描き出していく。また、ジャンルは時代劇ではあるが、現代に通ずる思想があり、“天然キュート系のヒロイン”や“憎まれライバルキャラ”など古典的な設定はあるものの、共に困難な境遇に属したことで生ずる自己探求と、葛藤する女性たちの美しさを描き出している。

キャラクター造形という点では、登場人物たちに自分の感情を持たせることで、“女性”というアイデンティティの束縛からの解放と、キャラクターの内面の考えを定着させることができており、それぞれのキャラクターにはそれぞれの感情や物語があるなど、キャラクターの魅力や人間性が表現されている。こうした群像劇の描かれ方は、伝統的な時代劇における女性の目覚めの新しい解釈と言え、伝統的な時代劇とは差別化されたこの作品ならではの、新たなアイデアの一つになったと講評されている。

世論のフィードバックによると、視聴者は脚本の設定などに同調している傾向が大きく、劇中のさまざまな登場人物に感情的なつながりと投影を持っていると分析されており、視聴者の心を大きく揺さぶる作品となったようだ。


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翻訳・編集:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

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