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『流麻溝十五号』原作者&プロデューサー来日!「もう自分で創るしかない」製作の経緯を語る|台湾映画の“いま”

2000年以降の台湾映画の新しい流れがどのように台湾映画の"いま"に繋がってきたのか、そして"いま"何が起きているのかをお届けする台湾文化センターとアジアンパラダイス共催のイベンシリーズ台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"」。先日、第一回『流麻溝(りゅうまこう)十五号(原題:流麻溝十五號)』の上映が行われた。

『流麻溝十五号』は曹欽榮(ツァオ・シンロン)が6人の被害者の口述をまとめた本「流麻溝十五號:綠島女生分隊及其他」をベースにした物語。緑島へ連行された年齢も身分も違う3人の女性…高校生、ダンサー、若い母親が、名前を消され、番号に置き換えられた日々を描く。メガホンを取ったのは、これまで一貫して女性映画を撮ってきた周美玲(ゼロ・チョウ)監督だ。本作は、2022年10月14日から開催された高雄電影節のオープニングを皮切りに、10月28日から台湾で公開され、興行収入4000万台湾ドルというヒットをおさめた。

『流麻溝十五号』ポスター

本作上映後、来日ゲストの姚文智(ヤオ・ウェンジー)プロデューサーが登壇。「白色テロを扱った映画は『悲情城市』や『超級大国民』、『返校』くらいで、台湾の歴史、特に今回取り上げた白色テロについての作品がもっとあっても良いと思い、これはもう自分で創るしかないと、映画製作会社を立ち上げた」と、製作の経緯について語った。

姚文智プロデューサー

また、10年以上にわたりインタビューとリサーチを蓄積し、貴重な古い写真、公式文書、歴史的画像などを入手し完成させた「流麻溝十五號:綠島女生分隊及其他」の作者曹欽榮(ツァオ・シンロン)氏は、実際に本作を再教育施設である「新生訓導処」が設置された緑島で撮影したのは、「100人もの女性達が閉じ込められ、労働も強要され、思想改革もされた場所で撮影をすることが制作サイドにとって大きな意味があると思う」と、語った。

曹欽榮氏

台湾の負の歴史を描いた重い映画ではあるが、二人は終始にこやかに話し、来場者アンケートでも「このような重いテーマの映画を作られたのに(笑)それを観た後にとても気さくそうなお二人に安心しました。いつまでもお話を聞いていたかった」、「社会的に意義のある、この様な映画を作る事は、通常の作品よりもご苦労があったんじゃ無いかと思うのですが、お二人共とてもにこやかで、フランクな印象を受けました」、「姚プロデューサーと曹先生のお話がとても楽しかったです。映画のストーリーは厳しいもので気力をかなり消費しましたが、お二人のトークに癒されました」など感想が寄せられた。

また、映画については「様々な思いや信念を持った人達の強さを感じながらも、でもやっぱり権力には太刀打ちできないもどかしさも見事に描かれていたと思います。処刑された方々がいたという歴史ではありますが、淡々とというか、静かにストーリーが進んでいったのは、ゼロ・チョウ監督の手腕だなぁと思う思いました」、「台湾好きとして関心がありつつも、深く知る機会が少ない綠島での白色テロをテーマに、ここまで深く心に訴える内容で映像化するのは本当に素晴らしかったです。涙なしでは観られませんでした」、「厳しく緊張感あるストーリーでしたが、その中でも、対抗する相手も人間として助けるのは当然である、という心を持つことの大切さ、過酷な環境でも自分の信念を失わない強い意志を持つことの大切さがすごく伝わって来ました。」ほか、多くの感動が寄せられた。

『流麻溝十五号』場面写真

今年の「台湾映画の"いま"」は会場、オンラインの両方で開催されるが、今回のみ権利の関係上、会場のみの上映となった。しかし、この度、周美玲監督のオンラインインタビューや姚プロデューサーと曹欽榮さんのトークをもとに制作されたスペシャル映像コンテンツ『流麻溝(りゅうまこう)十五号の世界』のオンライン配信が決定! 配信は5月中旬を予定。詳細は決まり次第台湾文化センターとアジアンパラダイスのサイト、SNSで発表となる。

また、姚プロデューサーと曹欽榮さんのトーク、周美玲監督インタビューのノーカット版音声も、後日アジアンパラダイスのPodcastで配信。

台湾映画の“いま”イベント会場の様子

台湾映画の“いま”
開催日程:2023年4月〜10月(7回)
スケジュールはこちら
https://www.cinemart.co.jp/article/news/20230405007222.html

開催形式:会場(台湾文化センター 定員50名)+オンライン
参加:無料 事前申し込み制。
スピーカー:江口洋子(台湾映画コーディネーター、アジアンパラダイス主宰)

主催:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター/アジアンパラダイス
協力:映画各社

イベント形式:会場(定員50名)とオンラインによる映画の上映とトーク
(監督や俳優のムービーメッセージ、テーマトーク、台湾映画界の最新情報)
※各回の申込みの詳細は、以下のWebサイトで告知

台湾文化センター:https://jp.taiwan.culture.tw
アジアンパラダイス:http://www.asianparadise.net

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