「賜婚」と「贈婚」なにが違う?|中国時代劇トリビア#83
中国ドラマを観ていて、あれ、これ…なんかちょっと気になる~!? という小さな“なにか”を見つけてしまうことはありませんか? そんな中国ドラマに登場する、ちょっと気になる小さなアレ! をご紹介していきます。
今回はドラマ「将軍の花嫁」「金蘭良縁」の気になるアレを探ってみました!
時代劇のあるある “賜婚”ってなに? 贈婚との違いは?
意にそぐわぬ婚姻だったはすが、共に過ごすうちにやがて互いに本当の愛に目覚めていく…という展開は、中国時代劇ではおなじみのあるあるパターン。
ドラマ「金蘭良縁」の金元宝と婚約者の江暁萱も、聖旨(皇帝の命。ドラマでは皇太后の策略が…)による婚礼“賜婚”によって、結婚することになります。賜婚は、功績のあった者などに、皇帝が褒美として与える婚姻で、皇帝に従う者はこれを受けることになります。ドラマ「将軍の花嫁」でも、ぜったいに逆らえない皇帝の命として、ヒロインの沈錦が鬼将軍と恐れられる楚修明に嫁ぐことになりました。
賜婚の対象となるのは、先にあげたような大きな功績のあった者の他に、皇族と関係が深い貴族やその子弟、そして清代には同盟、加盟国との関係維持のために政略的な使われ方が特に目立つようになったとも。こうした皇帝が婚姻を与える(賜る)という習慣は、古代皇帝が多くの妃や女官を持ち、その中から臣下に妃子や女官を下賜したことから、封建支配者の一夫多妻制や側室制度と切り離せないものでもあったようです。
またこれとは別に、古代中国では同姓不婚の父系性社会であり、女性の身分が低く、家にいれば父に従い、嫁いだ先では夫に従うという形がとられていました。このため、自由な婚姻などは許されず、父が娘を他の一族へ妻として与える、または夫が妻を他人に与えるといった“贈婚”という形式がとられることもありました。
史実的な例としては、中国春秋時代の晋の君主・文公が白狄に亡命してきたときに、白狄族と敵対し、破れた赤狄族の姉妹が文公たちに差し出され、妹の季隗を分公が娶り、姉の叔隗を趙衰が娶った…というようなやり取りを指します。
Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。
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