【最新ドラマin台湾】台湾オペラとも呼ばれる伝統芸能「歌仔戲」がドラマに! 新たなる挑戦にキャストがプレッシャー明かす
ニュース提供元:公視台語台
10月15日、公視台湾語テレビ(公視台語台)の新ドラマ「孟婆客棧(原題)」(仮訳:忘却旅館)のプレミア試写記者会見が行われ、総合プロデューサーのタン・メイユン(唐美雲)をはじめ、主要キャストのツァイ・ジェンナン(蔡振南)、ファン・シン(方馨) 、チェン・ジューション(陳竹昇)、シュー・フーカイ(許富凱)、ファン・ヨウシン(方宥心)、ワン・ジンイン(王金櫻)、シアオミー(小咪)、ルオ・ベイアン(羅北安)、ロータス・ワン(王彩樺)、コー・シューチン(柯淑勤)、シー・イーナン(施易男)、リー・チェンナ(李千那)らが登壇した。
「孟婆客棧」は、台湾オペラとも呼ばれる伝統芸能「歌仔戲」をシットコムに仕立てた全く新しいタイプのドラマ。2018年に唐美雲歌仔戲団が上演した同名舞台劇を、現代的手法でリメイクした。
メイユン演じる萬千帆は、時空を超えた冥界、あの世の入り口にある孟婆旅館経営の任務を閻魔大王から与えられる。さらに顧客から5つ星評価を得ることを課せられ、この世の商売スタイルを取り入れて旅館を経営していくというストーリー。
製作費1億1000万台湾ドル(約4億5000万円)が投じられ、衣装はホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督の御用達デザイナー・ホアン・ウェンイン(黃文英)が手掛けた。
メイユンは「これまでの俳優人生で、これほど気を揉み緊張したことはない。最近はずっとプロモーションに走り回っていて、金鐘奨で最優秀主演女優賞を受賞したときより忙しい。手塩にかけて育てた子どもを親戚や友達に紹介するような感じ。皆さんに気に入ってもらえたら」と話した。
ファン・シンは本作のプレッシャーが大きすぎて食欲が増し、10キロ太ってしまったことを明かした。クランクアップの後にダイエットし、やっと49キロのスリムな体型に戻したそうだ。
ヨウシンとフーカイの二人も、撮影現場に毎日おいしい食べ物が用意されていたため、誘惑に抗えずずっと食べていたことを明かした。ヨウシンはアクションシーンが多いにもかかわらず、48キロから54キロまで太ってしまったため、撮影時に4回も衣装が破れてしまったという。「当時自分でも見ていられなくて、フーカイと『これ以上甘いものを食べたらお互いに平手打ちする』と約束した」と話した。
旅館のメンバーの一人を演じるフーカイは台湾語の人気歌手。テレビ番組で彼に出会ったメイユンがドラマ出演に誘った。初めてスタジオで歌の試し録りをした際、フーカイの素晴らしい歌声に度肝を抜いた監督は、「うますぎる。ドラマではそんなにうまく歌ってはだめだ。もっとドラマチックに歌わないと」と要求したという。フーカイは、演じてみて初めて「歌の中にドラマがあり、ドラマの中に歌がある」という表現スタイルを掴めたと話した。
閻魔大王の妻を演じるロータスは、「頭に十数キロの飾りをつけていたので、腰が曲がりそうで、とても大変だった」と撮影時の苦労を語った。閻魔大王を演じるベイアンは50歳を過ぎて台湾語を習い始めた。「メイユン先生が私を選んでくれたので、私も勇気を出して演じた。もし続編があるなら、話さない役 を演じたい」と、全編台湾語の台詞に大きなプレッシャーを感じていたことを吐露した。
イーナンとチェンナは旅館の1組目の客、梁山伯と祝英台を演じる。歌仔戲の二枚目スター(※)小明明を母に持つイーナンは、「母の評判を落としてしまわないか心配だった」と明かした。チェンナは「祖母も歌仔戲を演じていた。メイユンさんが私にオファーをくれる少し前に、祖母が亡くなってしまったのがとても残念。天国の祖母にも『孟婆客棧』を見てほしい」と話した。
※歌仔戲では、女性が男性役を演じることも多い
メイユンは「劇中の客人の希望を叶えることで、限られた時間の中で周りの人や物と付き合う時間を大切にすることを視聴者に伝えたい」と話す。また冥界が舞台ではあるが、「温かく、ロマンチックなコメディー」だと説明した。
「孟婆客棧」は、毎週夜8時から公視台湾語テレビで先行放送中。同日中華電信MODで配信、民視無線台では11月8日の月曜〜金曜夜6時30分から放送予定。
翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。2017年4月より、ラジオ番組「Asian Breeze」では台湾の現地情報を発信するコーナーを担当中。
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