【のむコレ3特集】『虹色の朝が来るまで』&『ゴッズ・オウン・カントリー』配給&宣伝 村井さん インタビュー
シネマート新宿&シネマート心斎橋で開催中の劇場発信型映画祭「のむコレ3」。「のむコレ」宣伝担当の村井さんは、昨年大ヒットをおさめた『ゴッズ・オウン・カントリー』を個人配給された方でもあります。今年も村井さんオススメの1本『虹色の朝が来るまで』が上映されるということで、お話を訊きました。
プロフィール:村井さん(フィルモット)
元々は単に映画好きな一般人から、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でのボランティア活動を機に、映画を配給する喜びに目覚める。学生当時から通い詰めたアップリンクに入社し、映画宣伝を経験し、フリーランスに。当初は、宣伝プロデューサーとパブリシティだけだったが、最近は「のむコレ」を機に単身ながら配給も行っている。
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― 「のむコレ」も今年で3回目の開催となりました。宣伝を担当される村井さんからみて、今年の「のむコレ」の特徴はどんなところだと思いますか?
村井さん 昨年の第2回目から宣伝に携わっていますが、昨年は、最速で日本上陸を果たした『魔女/The Witch』や『7年の夜』、『狂獣 欲望の海域』、そして「のむコレ」が最初で最後の劇場公開となるはずだった『ゴッズ・オウン・カントリー』などの大ヒット作が出て話題となったことは、宣伝担当としても大変嬉しかったです。
そして今年は更にスケールアップし、全36本がラインナップされていることも楽しみです。加えて、野村さんのプログラミングの内容も、ますますチャレンジしているように感じます。
アジア作品はより厚く、サスペンス・スリラー・ホラーもさらに充実、そしてLGBTQ作品をこんなにも上映してくれる劇場発信型映画祭はこの「のむコレ」だけです!今年は5本もあります。最初聞いた時は驚きました(笑)。
― 村井さんといえば、「のむコレ2018」の際に『ゴッズ・オウン・カントリー』を個人配給し大ヒットをおさめ、その後全国の劇場へと広がり、たくさんの方にご覧いただくきっかけを作られました。
その反響の大きさを感じることはありましたか?
村井さん 当初は、全回満席になるとは全く思っていませんでした。なので、予算組みもキャパ(333席)の半分が埋まる前提の計算でしていましたし、全くの弱気でした(笑)。昨年のインタビューを改めて読むと、その弱気っぷりがチラホラ垣間見えます(笑)。
それが蓋を開けてみれば、回を増す毎にお客さんの盛り上がる熱をヒシヒシと感じるほどのムーブメントになっていて。それにあの上映の機会がいかに貴重なことなのか分かって応援してくださるお客様もたくさんいて、マスコミの皆さんも記事化してくださり、それはもう感謝しかなかったですね。
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― 今年も1作品、レインボー・リール東京で上映された作品の中から『虹色の朝が来るまで』を個人配給で公開されることになりました。
今回『虹色の朝が来るまで』を「のむコレ」で上映しようと思った理由はなんですか?
村井さん 『虹色の朝が来るまで』との最初の出会いは、昨年の春でした。毎年ボランティアをしている「レインボー・リール東京 ?東京国際レズビアン&ゲイ映画祭?」で、上映作品を決めるため、ひたすら作品を試写している中の一本でした。
ろう者の監督による、ろう者のキャストばかりが出てきて、しかも登場人物の設定はLGBTQという作品は初めて観たので、作品のテーマとしても新鮮でしたし、キャストの演技も、普段から手話でコミュニケーションを取っているからか、手話の一部である活き活きとした顔の豊かな表情も相俟って、圧倒的な演技力に魅せられたんです。
後で知ったのですが、主演のレズビアン役を演じたふたりの女性は、演技が初めてでした。更に驚きましたね。ろう者の劇団などで演技経験があるんだろうと勝手に思い込んでいたのです。
昨年の「レインボー・リール東京 ?東京国際レズビアン&ゲイ映画祭?」で勿論上映したのですが、チケットは即日完売。その後も、劇場で上映できる機会があればいいねと監督とも話していて、今回「のむコレ」で野村さんにその機会を頂きました。
― 村井さんの思う『虹色の朝が来るまで』の魅力はどんなところですか?
村井さん テーマは、ろう者×セクシュアル・マイノリティ×地方都市という、いくつもの生きにくい環境が重なる中で悩み生きるろう者のレズビアンカップルの成長物語ですが、今井ミカ監督自身の物語でもあります。監督はXジェンダーで小さい頃から同性を好きになることがあったそうで、ダブルマイノリティとして、周囲からの差別・偏見や、社会的な生きづらさを感じてきた人です。本作で、登場人物たちが語る手話は、まさに監督の心からの熱いメッセージそのものです!
先程も言いましたが、演じているろう者たちは、俳優で生計をたてていません。本編も、手話で進行します。なのに、手振りとその豊かな表情のみで、登場人物の喜怒哀楽が痛いほど伝わってきます。キャストたちの手話に魅了されて欲しいです。
それに忘れちゃいけないのは、ゲイ役やゲイが恋するノンケの先輩役、FtMのトランスジェンダー役を演じた男の子たちがみんな、とってもカワイイことです(笑)。
最後に、手話には日本語字幕がすべて付きます。ですので、聴者の皆さんも安心して観に来てください。
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『虹色の朝が来るまで』上映スケジュール
11/20(水) 21:10の回上映後に、乙武洋匡さん、キャスト&監督による舞台挨拶開催!
日時:11/20(水) 21:10の回(上映後)
登壇者(予定・敬称略):乙武洋匡、長井恵里(主演・華役)、玉田宙(翔役)、今井ミカ(監督)
場所:シネマート新宿 スクリーン1
料金:1,500円均一 ※リピーター割:1,200円 のむコレ対象作品です。
チケット:下記にて販売中。上映1時間前まで購入可能です。
※窓口は、劇場オープン時より販売開始。(残席ある場合)
https://www.cinemart-ticket.jp/shinjuku/schedule/index.php
<シネマート新宿(東京)>
11月20日(水)21:10~
12月1日(日)
1月31日(金)~2月7日(金)
<シネマート心斎橋(大阪)>
11月30日(土)
12月6日(金)
12月19日(木)
12月25日(水)
1月3日(金)
1月4日(土)
1月8日(水)
「のむコレ3」公式ウェブサイト
『虹色の朝が来るまで』作品情報
ずっと一緒にいたい、ただそれだけのこと...
ろう者の監督が描く、ろう者×LGBTQの心温まる物語
群?の?話サークルで知り合ったろう者の華とあゆみ。華は初めて同性に惹かれ?惑うも、あゆみと交際することになる。
後?、華は実家へ帰り、両親にあゆみとの交際について話すと、いつでも味?だった?親から拒絶されてしまう。?親の態度に華はショックを受けるが、あゆみとの関係を断ち切ることがどうしてもできない。
苦しんでいる華を?かねたあゆみは、東京で開かれる"ろう者のLGBTQ イベント"に華を誘う。そこには、悩みを抱えつつも前向きに?きる、ろうのLGBTQ の?たちが集っていた。
それぞれが今まで乗り越えて来た苦難を聞くうちに、初めは緊張していたふたりも、次第に?を開いていく...
監督・脚本・編集:今井ミカ|撮影:湯越慶太|音楽:門傳一彦
出演:長井恵里、小林遥、玉田宙、佐藤有菜、ノゾム、菊川れん、高木里華、太田辰郎 ほか
提供:シュアール|企画・制作:JSLTime
配給・宣伝:フィルモット ─filmott─、ムービー・アクト・プロジェクト
宣伝デザイン:ドラゴンフライ|予告:今尾偲、蛯原浩彦|ウェブサイト:ハンガイアキコ
2018|日本|63分|16:9|カラー|日本手話・日本語字幕|英題:Until Rainbow Dawn
c2018 JSLTime
『虹色の朝が来るまで』公式ウェブサイト https://nijiasa.com
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