【コラム】"F4"が巻き起こしたこと / 第1回「F4」 望月美寿(ライター)
2004年に「流星花園~花より男子~」のDVD-BOXが日本で発売になり、今年で15年が経ちました。
今でも「流星花園」は根強い人気を誇っており、F4ファンからは熱い声が寄せられます。
ここまで人を夢中にさせる「流星花園」、そしてF4って、いったいどんなムーブメントだったんだろう?
当時をよく知る華流業界の4名に、F4の思い出を振り返ってもらいました。
第1回:F4
第2回:ジェリー・イェン
第3回:ヴィック・チョウ
第4回:ヴァネス・ウー
第5回:ケン・チュウ
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「流星花園~花より男子~」がDVDになって15年と聞いて「え、もうそんなに?」と思わず声が出てしまった。
ジェリー・イェン、ヴィック・チョウ、ヴァネス・ウー、ケン・チュウ。日本の人気漫画「花より男子」が台湾でドラマ化される際、運命の神の手で集められし無名の若者たち。やがて4人は劇中と同じ名でユニットを結成、デビューする。
スーパーユニットF4は01年の台湾での放送開始とともにアジア全域で大ブレイク。CDデビューと写真集の発売を機に本格的な日本進出を果たしたのは05年4月のことだった。
ライターの私はその写真集「F4@TOKYO」でインタビューを担当した。
圧倒的な美貌と繊細さを併せ持つジェリー。仔犬のような天然系不思議男子ヴィック。アグレッシブなお洒落番長ヴァネス。4人の中で一番大人でシニカルな目線が印象的だったケン。
そろって180㎝の長身、血液型バラバラという奇跡の4人は面白いほど個性が違っていて、そばにいるだけで笑ってしまうほどカッコよかった。それが4人合体したときの破壊力たるや!青山のスタジオの屋上に立つ4人を見ながら「天国かな?」と思ったものだ。あの日の夕焼けの色、空気の匂いを今も覚えている。
最年長のジェリーが27、最年少のヴィックが24歳...思えばみんな若かった。
その後、怒涛の華流ブームが到来。
香港コロシアムでのコンサート、台湾観光イメージキャラクター活動、日本武道館他で行われた日本ツアー。あのツアーがDVD化されなかったことは今も残念でならない。
華流雑誌も花盛り。取材のためにどこへでも行った。台湾でのイベントは日本では考えられないほど仕切りがゆるゆるで、毎回「なんじゃこりゃ!?」というような珍ハプニングが勃発。野外イベントはいろんな意味で特にキケンだった。
台湾は南の島だからね~、なにごともおおらかだよね~と言っていたが、そもそもF4そのものが、あんなにカッコいいのになぜかツッコミどころ満載だったのだ。F4を「エフフォー」でなく「エフスー」と呼ぶ、ディープなファンならうなずいてもらえるはずだ。
台湾のマスコミはゴシップがメインで、芸能人のプライバシーに遠慮なく踏み込む。そんな媒体に慣れっ子だった彼らの目に、日本の華流媒体の"ある種の気真面目さ"は、どう映っていたのだろう。
回数が増え、年を重ねるごとにインタビューの内容は深く濃くなっていった。複雑な生い立ち。突然有名になったデビュー当時の戸惑い。スターゆえの孤独、苦悩。それらを語る彼らに驚き涙したことも一度や二度ではない。いつの間にか彼らはたんなる取材相手から、きっと幸せになってほしい4人になっていった。
今年の春、中国のバラエティ番組にジェリーとケンちゃんが仲良く出演しているのを見た。なんだかとても感慨深かった。4人がいる限りF4伝説は続く。2人の屈託のない笑顔はそう言っているようだった。
<第2回:ジェリー・イェン につづきます>
text:望月美寿(もちづきみとし)
8年間の編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。もとは香港映画を得意としていたが、05年、F4の写真集「F4@TOKYO」にインタビュアー&ライターとして参加したことをきっかけに華流の道へ。F4については今はなき華流ムック「Asian Wave」(近代映画社)を中心に大量に取材&執筆。現在は「もっと知りたい!韓国TVドラマ」、韓流サイト「Kstyle」などで韓流をメインに仕事中。台湾明星の独特のゆるさをこよなく愛す。F4の取材で行った淡水にもう一度行きたい!
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