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連載

【きゅんとあじあ】蘇打緑 8月から《印夏天》ツアー開催決定! と、その前に...《故事未了》回想

今日で、シネマート六本木が閉館してからちょうど1年になります。早いものですね。
いきなり個人的な話ですが、閉館後、ゼロからのスタートを鼓舞してくれたものがありました。
映画なら、台湾映画『百日告別』。ドラマなら、韓国ドラマ「ミセン?未生?」。そして音楽は、蘇打緑(Sodagreen)との出会いでした。これらの作品を胸に抱き過ごす日々に、どんなに励まされたことか。手前ミソですが、弊社SPOが目指す「アジアのエンターテインメントで人々の生活を豊かにしたい」という想いに、私こそが助けられてきたなと思いました。


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さて、昨年8月の日本でのライブで遅ればせながらすっかり蘇打緑のファンになった私。
そのレポートはこちら
このライブで強烈に彼らに魅せられながら、私は「今後彼らはどこへ向かうのだろう?」と思っていました。もっともっと大規模なコンサートなのか? はたまた、原点に戻ってファンとの距離感が近いキャパでのライブなのか?

待つこと約1ヶ月、新譜発売のニュースが入ってきました。〈春・日光〉〈夏/狂熱〉〈秋:故事〉に続く四季シリーズの最終章〈冬 未了〉のリリース。ファンとして初めて手にするアルバムです。しかも、ベルリンのオーケストとの共演です! キャパの大小なんてありきたりな概念をふっとばす、はるかに上をいく発想に、またまたリスペクト。そのニュース以降、公式facebookには、新曲のPVが次々とアップされていきました。ひとつひとつ、宝物を受け取るような気分です。ある日、その中の1曲を通勤電車の中で聴いた私は、人前も憚らず涙しました。〈下雨的夜晩〉というその曲が、青峰の優しい歌声が、「側にいるよと」言ってくれた気がしたのです。ああ、早くこの新譜が欲しい! 中国語が堪能ではないファン1年生は、必死に情報をたどり、友人の助けを借りながら、ついに予約特典付きの BOXを手に入れました。3枚のディスクのうちの1枚は、ベルリンのスタジオでオーケストラをバックに行ったライブの映像でした。こうなると、このライブを生で観たい!と思うのがファン心理というもの。でもオーケストラなんて、莫大な費用がかかることは素人にも想像ができます。無理か...


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ところが、これが実現されることに! 台北小巨蛋での3DAYSです! チケットなんてもう瞬殺です! もちろん取れるわけありません!! しかしコンサート間近になり台湾の友人からメッセージが。「最終日だったらチケットあるよ、後ろの方だけど」。もうエアハグものです。


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こうして昨年の12月に急遽台湾に飛んだ私は、念願だった蘇打緑とオーケストラとの共演を目の当たりにしました。
それはもう素晴らしく感動的なものでした。するとまた、例の考えが頭をもたげます。「彼らは、次はどこへ?」。
しかしそれ以降メンバーの姿を見ることがなくなりました...。まさか...燃え尽きたなんてことは...。

そんな不安を抱えたまま、4月になりました。するとある晩突然、メンバーが集まってわちゃわちゃとしているLIVE動画が配信されたのです。この仲良しな感じにニンマリ。それ以降、どうやらリハーサルをしているような動画なんかも配信されました。ああ、じれったい! そして6月2日、ついにツアー決定のニュースが! 8月から毎週末、10週に渡り、今までリリースしたアルバムを振り返るライブを決行! 台北、台中、台南、高雄にて全28回! なんてことしてくれるんですか。もう台湾に住むしかない! 

■2016 sodagreen Album Replay Tour "In Summer" 
蘇打綠專輯巡迴「印夏天」
詳細は公式facebook、またはチケットサイト
チケット発売は6月25日から


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と、ひとしきり興奮したあとは、改めまして、出しそびれていた12月のライブを簡単に振り返りたいと思います。

急遽決めた台湾行きでしたが、ライブ当日は奮発して10,000円ほどするお宿に宿泊。
チェックインすると、角部屋のテラス付き! 壁には西門町の映画街のイラスト。お、まだ映画の神は私を見捨てていないか?なんて興奮するあまり、ベッドの角に足をぶつけました。今まで感じたことがないほどの激痛。その時の血豆は半年経った今も左足の親指に残っています。すみません、余談でした...

小籠包を食べたあと台北小巨蛋に向かうと、ロビーで彼らと親交が深い音楽評論家の方に遭遇。「もう初日から泣いちゃってるのよ?」という話に、期待が高まります。でも今回のライブは、撮影禁止、ペンライト禁止などなど、色々な注意事項があってちょっと緊張です。


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会場中央に施された全方向のステージ。円柱のスクリーンに映るイラストが、あと何分とカウントダウンしています。
遂にスクリーンが上がると、円形と無限のマークが交わったようなステージが現れました。
円の中にスタンバイしたオーケストラが演奏を始めしばらくすると、メンバーがゆっくりと登場。大歓声と拍手が起こります。

私の席から見ると、一番手前にドラムの小威(シャオウェイ)、ステージ右側にベースの馨儀(シンイー)、その先にボーカルの青峰(チンフォン)、一番遠くにギターの阿福(アフー)、サポートギターの小洋(シャオヤン)、そしてピアノ、左側にギターの家凱(ジャーカイ)、という布陣(ちょっと違うかも)。でも今回は全方位ということで、小威以外は全員動くので、曲ごとに目の前にくるメンバーが変わります。


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それぞれがスタンバイすると、中央に立った阿?(アコン)がヴィオラの弓を高々と掲げます。1曲目は意外にも新譜からではなく〈故事〉。続いて〈?想〉。〈融雪之前〉ではステージ上部のスクリーンに雨のイラストが映され、客席側からの白い光が一斉にステージへ集められます。曲が終わるとしばしチューニング。そしてライブ映像でお馴染みの指揮者が登場! ここでも歓声が起こります。


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指揮棒が振られると、前奏から一気に音が集中していくのが分かります。始まったのは〈痛快的哀艷〉。ついに新譜の曲。赤く染まるステージ。スタンドからマイクを外し歌う青峰。陶酔したように目をつむりマイクスタンドに寄りかかります。途中から走り出し一周すると、ピアノを弾く阿?の元へ行き、今度はピアノに寄りかかります。


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続いて黄色のライトの中で〈對殺人狂指控〉。〈地平線〉から続く〈左邊〉ではスクリーンが下まで下ろされ、青峰と阿?のピアノのみで演奏。〈?心裡最後一個〉まで一気に8曲。ここでようやくMC。ジャケットを脱いだ青峰がしゃべるしゃべる。10分くらい? 内容は全く分かりませんが、この声と甘えたり突き放したりするような話し方だけで至福です。客席は毎度の大爆笑と大歓声。たぶん「ここらは拍手しても踊ってもいいよ」という感じのことを言っていて、会場の緊張がすっかりなごみました。


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手拍子の中、元気に〈後悔莫及〉。ヴァイオリンの力強い前奏から始まった〈?〉では阿?がピアノからヴィオラへ。指揮者も踊っています! ファンも大喜び。青峰も「You are reary good dancer?」と声を掛けます。再びピアノで〈我們不?〉。〈博物館〉ではベースの馨儀(シンイー)がコーラスで加わります。


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再びMC。今度はみんなしんみり聞き入っています。

続いて〈回車諾比的夢〉から、ヴォイスチェンジャー(?)を使っての〈城市〉へ。
ここで15分の休憩。

第2部は、阿?と指揮者が一礼し、阿?の軽快なピアノとオーケストラの共演〈冬之頌?〉からスタート。


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続く前奏から、歌い出したそれは〈小情歌〉。会場からどよめきが起こります。
蘇打緑の楽曲の中でも最も愛されている曲といえるでしょう。
映画の主題歌として、シネマート六本木のロビーを彩った名曲でもあります。
前の席の女の子が下を向いて泣いていて、お友達が肩を抱いています。


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座って歌った〈?了再見以後〉に続き、待ちに待ったイントロが流れました。
〈下雨的夜?〉です。〈小情歌〉がすでにあった名曲なら、〈下雨的夜?〉は最初の発表から大切にしてきた曲です。
初めて聴いてから今日までの日々を思い出しながら、「これは私の歌だ、私の歌だ」と思いました。顔はもうグチャグチャです。

力強い〈他舉起右手點名〉から、美しい前奏で始まる〈Everyone〉へ。
これは昨年8月のコンサートで新曲として演奏されたもの。ベルリンの空を舞うような空撮の映像が印象的でした。青峰の「Singing!」の声から、サビの英語を会場一体となって合唱します。


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続く〈?在煩惱什麼〉も大合唱と手拍子。感動的な空気が会場を包みます。
その余韻のまま〈牆外的風景〉へ。これも美しい曲です。

一挙7曲。聞き応えがありました! ここでMC。
「愛」について語っているのかな?ということしか分かりませんでしたが...

いよいよクライマックスへ向かいます。
〈未了〉から、新譜のラストナンバー〈Must Keep Singing〉へ。
最後は名曲メドレー〈小星星組曲〉。

そういえば、青峰がスタンド席まで上がってきてくれて、各コーナーの通路で歌ってくれたのですが、私の横の通路はす?っと通り過ぎ隣のコーナーへ。残念! それでもすぐ近くまで来てくれて満足です。しかもお隣では通路を間違えた青峰が、狭い客席の間を歩くはめに。ちょっと笑えました。お客さんはラッキーでしたね。


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今回のコンサートでは、アンコールのリクエストタイムはありません。
これで演奏は終了です。ここまでおよそ2時間半くらいでしたでしょうか。


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オーケストラと指揮者の名前がコールされると割れんばかりのスタンディングオベーション。
指揮者が英語で「ここであなたたちと演奏できて光栄です。心から感謝します」そして中国語で「皆さんは蘇打緑を愛しています。私たちは台湾を愛しています!」と挨拶すると拍手喝采。すっかり人気者です。


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ここから各コーナーを回りながらのご挨拶へ突入。メンバーそれぞれから感謝のメッセージ。自分の番になり緊張するメンバーを楽しげに拍手で迎える客席。喋れば大歓声。すごい盛り上がりです。最後に残ったシャイボーイ家凱は、ステージ中央に引っ張り出され、メンバーが遠くから見守る図式。完全にからかわれています。青峰の締めまで、ざっと30分くらいあったでしょうか。涙と笑いに溢れた素敵な挨拶でした。


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メンバーが退場すると、中央のスクリーンにスタッフロールが流されました。
思い返せば十数年前、初めて台湾に行った最初の夜に、初めて乾杯を交わした台湾のギタリストがいました。その彼の名が、このエンドロールに「舞台監督」として紹介されていました。私は友人と感慨深くそれを眺めていました。彼の姿は6月にfacebookで配信されたスタジオでのリハの動画にもちょこちょこ映り込んでいるので、チェックしてみてください。

さて、今回のコンサートのセトリを眺めてみると、新譜〈冬 未了〉の曲順のまま、間に過去の名曲を挟み込む構成になっていました。時に荘厳に、時に高らかに、オーケストラの音色に彩られた蘇打緑の楽曲たち。生で聴いてよかった! 来てよかった! と思える、感動的で特別な一夜でした。


■蘇打緑 故事未了演唱會 セットリスト(3日間共通)
01. 故事
02. ?想
03. 融雪之前
04. 痛快的哀艷
05. 對殺人狂指控
06. 地平線
07. 左邊
08. ?心裡最後一個
09. 後悔莫及
10. ?
11. 我們不?
12. 博物館
13. 回車諾比的夢
14. 城市
15. 冬之頌 第四樂章有精神的快板-莊嚴的快板 (阿?與交響樂團演奏)
16. 小情歌
17. ?了再見以後
18. 下雨的夜?
19. 他舉起右手點名
20. Everyone
21. ?在煩惱什麼
22. 牆外的風景
23. 未了
24. Must Keep Singing
25. 小星星組曲(各站停靠+小星星+他夏了夏天)

オーケストラ:GermanPops
指揮者:Bernd

(文:村野奈穂美

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