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【きゅんとあじあ】五月天/Mayday Just Rock It 2015 TOKYO at 日本武道館 〈抱きしめて〉 レポート

今や、アジアに君臨するスーパーバンドとなったMayday/五月天。
1999年に台湾でデビューした彼らは、2012年には北京国家体育場(鳥の巣)で2日間連続公演を行い、20万枚のチケットを即完させているほど。
2001年、「GLAY EXPO 2001」に台湾代表として出演したMaydayが、単独の日本ライブを行ったのが2006年。その後もZepp Tokyoなどのライブハウスでワンマンを行い、地道に足場を固めながら、2013年に遂に日本デビューを飾りました。
そのMaydayがいよいよ、夢のステージ=日本武道館に登場! なんと、台湾出身バンドしては初の快挙! またひとつ歴史を塗り替えたMayday。その記念すべき武道館2Daysの2日目の模様をレポートします。



九段下駅から千鳥ヶ淵を過ぎ、田安門をくぐり抜け、武道館へと向かう。この期待が高まっていく感じ。たまらない。人混みを抜け武道館の中に入ると、ステージの前には、まるでお祝いのホールケーキのように、楽器たちが円形に飾られています。一緒にたどり着いたよ、というメンバーの想いが伝わってくるようです。その楽器たちが運び出されていき、客電が暗転すると、いよいよ開演です!

オレンジの光の中、ステージに掛かった紗幕にメンバーのシルエットが浮かび上がります。 1曲目は日本語曲〈Do You Ever Shine?〉。幕が落ち、阿信(アシン/Vo.)、怪獣(モンスター/Gt.)、石頭(ストーン/Gt.)、瑪莎(マサ/Ba.)、冠佑(ミン/Dr.)の姿が現れると、大歓声が歴史的大舞台に立つMaydayを迎えます。



先に言ってしまうと、このオープニングから、最初のMCまで、なんと7曲!ノンストップで一気に駆け抜けたのには驚きました。その間、ステージに掛けられた特大のスクリーンには、Maydayのヒストリー映像がカウントダウン形式で映されていきます。長年彼らを支えてきたファンにとっては、とても感慨深い映像だったと思うし、ファンになったばかりの人にとっては彼らの軌跡を知ることができ、想い出を共有する機会になったのではないでしょうか。

サイドスクリーンには演奏するメンバーの姿と、日本語と中国語の歌詞が映し出されています。日本のファンにも、アジア中から集まってきたファンにも一緒に楽しんでもらいたい、という演出が随所に見られ、公式サイトに紹介されていたメンバーのコメント、「Maydayに参加するのは、決して遅くはない!」「アジア中のファンが一体になるような貴重な瞬間を生み出す」などのメッセージが思い返されました。



2曲目〈君は幸せじゃないのに/?不是真正的快樂〉、〈大切な何でもない事/ 最重要的小事〉とスローナンバーが続き、インド舞踊のようなエキゾチックなイントロから始まった〈孫悟空 / 孫悟空〉でメンバーがジャンプ! 5曲目〈武装 / 武裝〉、6曲目〈OKさ / OK?〉では「OK?!」の大合唱、7曲目〈コール・ミー・ナンバーワン / 叫我第一名〉では、「LaLaLaLa」に合わせてストーンがギターを弾きながらクルクルと回ります。



7曲もぶっ通しのライブなんて初めて見た!きっとアシンは喉が強いんだな~と感心(アシンの両脇には加湿器が置かれていました)。
さあ、アシンの第一声は?
「(日本語)こんばんは、Maydayです! 武道館に来た......ワンモアタイム...」(場内笑い)
「(中国語)この瞬間に一緒にいてくれてありがとう! 16年前のMaydayを驚かそう!」

(写真:阿信(アシン/Vo.))

アシンの「イッショニウタオウ~!」から、〈モーター・ロック / 軋車〉。
間奏でストーンが上手、モンスターが下手の花道の先端へと走ります。
アシンの「ワンツースリーフォー」のカウントで、ストーンがリフトアップされ、1階席の目の前へ!
白いギターを持ったストーンの1分を超えるソロ。噴射されたスモークに観客が沸き、ストーンがピックを1枚、2枚と客席に投げ込み、モンスターの方を指差します。かっこいい!



続くカウントで今度は赤いギターを持ったモンスターがリストアップ。これまた1分半に及ぶソロ。
最後は背面弾きを披露し、ピックにキスして客席にトス。わお!
続いてマサのベースソロ、ミンのドラムソロ。これまたかっこいい!
最後は、アシンが上下させる手の動きに合わせて、「Hey Hey Hey Hey」の声援合戦。

〈瞬間少年ジャンプ / 離開地球表面〉では、アシンの「Jump!Jump!」の煽りで、ジャンプ!

大歓声の中、モンスターを残しメンバーがステージから退場。
とくれば...キーボードのイントロから、モンスター主演映画「逆轉勝」の主題歌〈追憶のナインボール / 九號球〉へ。後半からメンバーが加わると、スクリーンに1つだけだったビリヤードの玉が5つに変化していきました。

(写真:怪獣(モンスター/Gt.))

続いて日本語で〈抱きしめて / 擁抱〉。衣装を替えたアシンが緑のレーザーの中に浮かぶ。
12曲目は〈愛情万歳 / 愛情萬?〉。「Oh~Oh~」というアシンのシャウトと、泣いているようなギターの音が重なってかっこいい!

ここからメンバーそれぞれのご挨拶。

(写真:石頭(ストーン/Gt.))

ストーン:「(日本語)みなさんこんばんは~。私はストーンです。日本語勉強します。コンペ?いいですか? カンペ?いいですか?」白い紙を取り出すストーン。
「今まで、何回も↑日本に↑来ましたが↑、仕事ばかりでした(語尾が上がるので、そのたびに場内から笑いが起こります)。でも今回は、やっといろんな場所へ↑、行くチャンスができました。上野動物園、お台場、八景島(場内大歓声)。ぜんぶ面白くて、キレイな場所、でした。
これからもメイデイ、応援してくださいねぇ↑。もっとたくさん日本のきれいな場所を発見したいので、よろしくお願いします」(あれ、観光目的?(笑))
「(中国語)時間かかった~。次回までに日本語の教科書を終わらせます!」と言って、みんなの前でカンペを破り捨てます。

(写真:瑪莎(マサ/Ba.))

マサ:「(日本語)武道館の皆さん、こんばんは。私はメイデイのベース、マサです。ストーンさん、すごいね~」上手い!
ここで、スクリーンに映っていた同時翻訳の字幕が昨日のもので、「台湾語の挨拶」「広東語の挨拶」と書いてある。そのため、台湾語と広東語で挨拶。その後はずっと台湾語。
「今回はチャンスをくれてありがとう」と締めくくりました。



モンスター:「アンアンアン、とっても大好き、モンスターです~♪」
「(日本語)武道館の皆さん、こんばんは~。やっと、このステージに立つことができました!今日は最終日ですね。終わってしまうのが寂しいですね。昨日も今日もずっと感動しています。
僕らにこの夢のような2日間をくれた日本のスタッフとみんなにほんとうに感謝しています。
ありがとうございます! たくさん曲を用意していますので、今日は楽しんでいってください!」
びっくりするほど流暢!

(写真:冠佑(ミン/Dr.))

ミン:「(日本語)モンスターさん、ほんとにすごい。私も、すごい」
「(中国語)この夜を楽しんで! ところで、翻訳があるからジョークをやるよ」
待ってました!とばかりの大歓声~
「ある日...」から始まり、豚やら熊やら鶏?が登場するジョークをやるものの、スクリーンに映る翻訳が追い付かず。それが意味不明で、メンバーも会場も余計にはしゃぐ。
翻訳を見ながら、「小さい、鶏、鶏」と読み上げると、悲鳴に近い大歓声!
なに~なんなの~(どうやら女の子は口にしないほうがいい言葉らしいですよ)

この大騒ぎが嘘のように、青春を感じさせる〈笑忘歌 / 笑忘歌〉へ。いい歌。
続いて、アシンの呼び込みでスペシャルゲスト、flumpoolのボーカル、山村隆太が登場!
アシンと一緒に、リン・チャン(林強)の〈向前走〉を台湾語で歌います。すごいっ!
山村が2番の出だしをマサにふり、肩を組む場面も。

さらに、flumpoolのメンバーも登場! メイデイのメンバーが自分の楽器を渡してバトンタッチ。

山村:「僕は悔しい。僕らが武道館で5周年ライブをやったとき、Maydayが出て来てくれて、すごい歓声だった。今日、僕が出てきた時より!ここは日本なのに!」と言うと、改めて大歓声。
「みんな大好きです。謝謝!」

flumpool の演奏で、映画「おしん」の主題歌〈Belief~春を待つ君へ~〉。
最後はMaydayのメンバーとflumpoolとがハグを交わす。



白い紙吹雪が舞った〈やさしすぎて / ?柔〉が終わると、再びメンバーが退場。
スクリーンに海の映像が映り、それが中央で割れると、大きなゾウが登場!
マサが「スーツケースに入れて連れてくる」ってコメントしていたヤツ!これは嬉しい!



メンバーが登場し、アシンとストーンの掛け合いで、〈OAOA〉の日本語バージョン!
2番はミンとマサが歌う。これは盛り上がります!

一転、感動的な〈ひとり上手にならないで / 我不願讓?一個人〉から、ジャジーにベースのイントロで始まる〈Three fools / 三個?瓜〉。マサのベースソロがかっこいい! 長めのソロでスクリーンに映ったモンスターもかっこよかった!

アシンのカウントから、日本語曲〈Dancin' Dancin'〉。
「Dancin'」のところで、こぶしで胸を叩くストーン。



幅広い曲調で、トップバンドの魅力と実力、パフォーマンス力を存分に見せつけるステージ。
その最後を飾るのは、ストーンのイントロで始まった〈人生は海のよう / 人生海海〉。

ここでゾウが退場し、五月天の文字がスクリーンに大きく映しだされる。
ミンも前方に出てきて、みんなでお辞儀をすると、割れんばかりの大歓声と拍手の中、ステージを後にしました。

その後アンコールに応え、Tシャツに着替えたメンバーが登場。
日本語曲〈YOUR LEGEND~燃ゆる命~〉で一気にロックな音に包まれた後は...
待ってました! ドラマ「蘭陵王」の主題歌 〈出陣の歌 / 入陣曲〉!
イントロで、わっと歓声が上がる。赤一色の中、モンスターのソロ。

アシン:「(日本語)台湾と東京は3時間の距離だけど、武道館にたどり着くまで、16年かかった。この想像もできない夢は、今現実になりました。皆さん、本当にありがとう!!!」
と叫ぶと、場内からも「ありがとう~」の声。ここでアシンもカンペを破いてストーンへ渡す。


モンスター:「感動しています。武道館で演奏できて、あっという間でした。最後まで、一緒にいこう!」

マサ:「みんながどこから集まって来たとしても、この夢を実現できたのは、みんなのお陰です!」

ミン:「かっこいい?」「ある日...」 再びのジョークに沸く会場。

ストーン:「これからも一緒に夢を追おう。もっと大きい場所へ!」



アシンが、「みんな、携帯ある? 今夜の東京は雨だけど、東京の星をみんなでつくろう」と呼びかける。星の瞬く会場でファンとMaydayが一体となって奏でた〈満ち足りた想い出 / 知足〉。
最後の歌詞をアシンが叫ぶように歌い、その想いを繋ぐようにモンスターのギターが鳴る。
胸を打つ演奏でした。



続いて〈僕は僕に嘘をつかない / 倔強〉の大合唱で感動はMAXへ。
明るくなった会場を見つめ、未来を誓うように左胸に手を置くアシン。




メンバーが退場しアンコールが終了すると、耳が痛いくらいの歓声と五月天(ウーユエティエン)コール。それに押されるように、再びメンバーが登場!

これが本当のラストナンバー、台湾語曲〈馬鹿/ ?人〉。
ファンが「LaLaLa...」と歌い続ける中、アシンが語ります。

「この場所に立てるなんて、今まで考えたこともなかったよ」
そして今日まで支えてくれたファンへの感謝を伝え、およそ2時間45分に及ぶライブを締めくくりました。中国語なので定かではないですが、夢や勉強や仕事を頑張る皆さんへ、「僕らが側にいるから-」と言ってくれたように聞こえました。


武道館にたどり着くまで16年。さて、次の夢までの距離は?
これからの期待を抱かせる、素敵なライブでした。



(文:村野奈穂美)


(写真は全て8/29公演分です)

Mayday Just Rock It 2015 TOKYO at 日本武道館
2015.8.29(Sat)【抱きしめて】
セットリスト (日本語表記 / 中国語表記)

M1. Do You Ever Shine?
M2. 君は幸せじゃないのに / ?不是真正的快樂
M3. 大切な何でもない事/ 最重要的小事
M4. 孫悟空 / 孫悟空
M5. 武装 / 武裝
M6. OKさ / OK?
M7. コール・ミー・ナンバーワン / 叫我第一名
M8. モーター・ロック / 軋車
M9. 瞬間少年ジャンプ / 離開地球表面
M10. 追憶のナインボール / 九號球
M11. 抱きしめて / 擁抱
M12. 愛情万歳 / 愛情萬?
M13. 笑忘歌 / 笑忘歌
M14. 前へ進め / 向前走 feat. 山村隆太
M15. Belief ~春を待つ君へ~ feat. flumpool
M16. やさしすぎて / ?柔
M17. OAOA / OAOA
M18. ひとり上手にならないで / 我不願讓?一個人
M19. Three fools / 三個?瓜
M20. Dancin' Dancin'
M21. 人生は海のよう / 人生海海

EN1. YOUR LEGEND ~燃ゆる命~
EN2. 出陣の歌 / 入陣曲
EN3. 満ち足りた想い出 / 知足
EN4. 僕は僕に嘘をつかない / 倔強

EN5. 馬鹿/ ?人


2015.8.28(Fri)【DO YOU EVER SHINE】
セットリスト (日本語表記 / 中国語表記)
M1. Do You Ever Shine?
M2. 君は幸せじゃないのに / ?不是真正的快樂
M3. 天使 / 天使
M4. 孫悟空 / 孫悟空
M5. ギャンブラー/ 賭神
M6. OKさ/ OK?
M7. 孤独の終わり/ 終結孤單
M8. モーター・ロック/ 軋車
M9. 瞬間少年ジャンプ / 離開地球表面
M10. 追憶のナインボール / 九號球
M11. 抱きしめて/ 擁抱
M12. 雌雄同体 / 雌雄同體
M13. 乾杯 / 乾杯
M14. 恋愛ING / 戀愛ING
M15. やさしすぎて / ?柔
M16. OAOA / OAOA
M17. 愛の記憶は突然に / 突然好想?
M18. 前へ進め / 向前走 feat. 山村隆太
M19. Belief ~春を待つ君へ~ feat. flumpool
M20. Dancin' Dancin'
M21. 人生は海のよう / 人生海海

EN1. YOUR LEGEND ~燃ゆる命~
EN2. 出陣の歌 / 入陣曲
EN3. 満ち足りた想い出 / 知足
EN4. 馬鹿 / ?人

Mayday Japanese Official Website


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