デヴィッド・ボウイ一周忌 追悼上映『地球に落ちて来た男』

1月7日(土)~1月13日(金)ロードショー

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作品の内容

■「デヴィッド・ボウイ」の誕生
2016年1月10日、この世を去ったデヴィッド・ボウイ。その2日前に69歳の誕生日を迎え、3年ぶりのアルバム『★(ブラックスター)』を発表したばかりだった。架空のロック・スター「ジギー・スターダスト」を演じることで世界的な大スターとなった彼は、それだけではなく、それぞれのアルバムでは常に自分ではない誰かを演じることで、「デヴィッド・ボウイ」となってきた。そんな彼でしかできない、「演出された死」と言いたくなるような、見事すぎる最期でもあった。

■アメリカでの2枚のアルバム
そんなデヴィッド・ボウイが「ジギー・スターダスト」を葬り、アメリカに渡ったのが74年。アメリカでは『ダイアモンドの犬』『ヤング・アメリカンズ』の2作を立て続けに発表し、そしてすぐに撮影に入ったのが『地球に落ちて来た男』。当初、この映画のための曲も用意していたが、あくまでも俳優として、被写体としてのデヴィッド・ボウイを必要としていた監督のニコラス・ローグからの要請もあって、演技に全力を注ぐことになった。しかしそのためボウイは精神的なバランスを崩す。撮影後すぐに製作を開始した『ステイション・トゥ・ステイション』は、そのバランスの回復のため、『ヤング・アメリカンズ』と別方向から対をなすアルバムとなったと言われている。

■宇宙人化する身体
映画の撮影は1975年7月から始まった。主な撮影場所はアルバカーキ、ホワイト・サンズ、フェントン・レイクなどニューメキシコ州の各地。11週にわたる撮影期間中、ボウイは薬物に依存しながら過ごしていたことを、後のインタビューで語っている。当時は自分が何をやっているか、わかっていなかったとも。だがもちろん、そんな不安定で、どこか覚醒した状態こそ、この映画の宇宙人の役柄に求められていたことだった。そしてその身体を見事にとらえたのは、『赤い影』(1973年)や『ジェラシー』(1980年)など、ニコラス・ローグ作品に欠かせないカメラマン、アンソニー・B・リッチモンド。まさに地球外から来た男の、悲しさを帯びたきらめく身体が、そこに映しとられている。

■音楽
俳優に専念することになったデヴィッド・ボウイの代わりに音楽を担当したのは、ジョン・フィリップス。「夢のカリフォルニア」のヒットで知られるママス&パパスのリーダー的存在で、当時はすでにバンドは解散、ソロ活動を行っていた。同時期にローリング・ストーンズのミック・ジャガー、キース・リチャーズとのレコーディング作業も行っており、その縁があってか、本作のサウンドトラックにも、当時のストーンズのギタリスト、ミック・テイラーも参加している。また、日本人のパーカショニスト、ツトム・ヤマシタの音楽も使用。その他、劇中の挿入曲としてルイ・アームストロング「ブルーベリー・ヒル」、キングストン・トリオ「トライ・トゥ・リメンバー」、ロイ・オービソン「ブルー・バイユー」、ビング・クロスビー「トゥルー・ラブ」、そしてアーティ・ショウ「スターダスト」など、懐かしの名曲が印象的に使われている。

■ニコラス・ローグ
監督のニコラス・ローグはロジャー・コーマンの『赤死病の仮面』(1964年)やフランソワ・トリュフォーの『華氏451』(1966年)の撮影監督としても知られる。初監督作品『パフォーマンス』(1970年)ではミック・ジャガー、『地球に落ちて来た男』の次作『ジェラシー』(1980年)ではアート・ガーファンクルを主演に迎えるなど、ミュージシャンの身体を映画の中心に置くことで、「映画」を作り変えてきた。俳優ではない「異物」としてミュージシャンたちの身体があることで、映画は不安定になり、そこに運動が生まれた。まさにこの『地球に落ちて来た男』の物語こそ、ニコラス・ローグの映画づくりそのものだったのだ。

■2枚のアルバム・ジャケット
映画の完成後、デヴィッド・ボウイは「アラジン・セイン」「ジギー・スターダスト」に続く新たな人格を求め、「シン・ホワイト・デューク」を名乗り始める。それは『地球に落ちて来た男』の宇宙人ニュートンのイメージと重なり合うが、ボウイは、『ステイション・トゥ・ステイション』の後にアメリカを離れ、ベルリンへと拠点を移すことになる。そしてベルリンで製作されたのが『ロウ』。『地球に落ちて来た男』の後に製作された2枚のアルバムのジャケットは、ともに『地球に落ちて来た男』でのボウイ=ニュートンの姿が写されている。そのことはいかにボウイにとって『地球に落ちて来た男』の影響が大きかったかを物語るだろう。

■Story
ある日宇宙船が地球に落下する。砂漠に降り立った宇宙人は、あまりに美しい容姿を持っていた。その後弁護士のもとを訪れた彼は、人知を超えた9つの特許を元に、弁護士とともに巨大企業を作り上げていく。アメリカのかつての大富豪、ハワード・ヒューズなどを思わせる、彼の奇妙な暮らしが始まり、彼は全米の注目の的となる。一体彼は何をしようとしているのか?彼は何者なのか? もちろんそんな彼の勢威を恐れる者たちもいた。彼の秘密の計画は思わぬ妨害を受け、彼の暮らしは一気に変わる。果たして彼は、故郷の星に戻ることができるのか・・・・・・。

キャスト・スタッフ

製作総指揮
サイ・リトヴィノフ
製作
マイケル・ディーリー、バリー・スパイキングス
監督
ニコラス・ローグ
脚本
ポール・メイヤーズバーグ
原作
ウォルター・テヴィス
音楽
ジョン・フィリップス、ツトム・ヤマシタ
撮影
アンソニー・B・リッチモンド
出演
デヴィッド・ボウイ、リップ・トーン、キャンディ・クラーク、バック・ヘンリー 、バーニー・ケイシー、ほか

1976年/イギリス/カラー/139分/デジタル
提供:京都みなみ会館、boid
配給:boid  www.boid-s.com
©1976 Studiocanal Films Ltd. All rights reserved.

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