平凡な公務員のソヌ(キム・ジェジュン)は、両親の愛情に包まれて暮らす心優しい息子だ。だが実は、彼は家族も知らない国家情報院のエリート諜報員という顔を持っていた。ある日、ソヌは中国・瀋陽での作戦を遂行中、北の工作員の妨害で事故に遭い、同僚を失う。作戦を失敗したソヌを待っていたのは、彼の能力に目をつけた分析班のチーフ、ジュンヒョク(ソキム・ミンジェ)による引き抜きだった。
そんな中、ソヌは恋人のユンジン(コ・ソンヒ)を家族に紹介するが、母のへリム(ペ・ジョンオク)は彼女に不自然なものを感じ、落ち着かない。さらに、ヘリムの前には、死んだと思っていたかつての上官ギチョル(ユ・オソン)が現れる。実は、ヘリムは元・北朝鮮工作員だった。「ソヌを北の工作員に抱え込め」というギチョルの要求に驚き、動揺するヘリム。ヘリムは悩んだ末、息子を守るため、ソヌに代わって夫とともに工作任務を引き受けることに。
一方、分析班に異動となったソヌは、北朝鮮の対南工作組織の不穏な動きを知り、その裏に同僚を死に追いやった男、ギチョルがいることを掴む。なんとしてもギチョルを捕まえようと捜査に没頭するソヌ。そして、ユンジンは危険な仕事に関わるソヌを案じながらも、彼に言えない秘密で苦しんでいた…。
【中国・瀋陽とは?】
第1話冒頭で作戦遂行中のソヌが事故に遭った場所で、ヘリムやユンジンにも所縁の深い場所、瀋陽。中華人民共和国遼寧省の省都で、中国東北部最大の都市だ。ソウルから飛行機で1時間弱の距離にあり、朝鮮族が多く住むことでも知られている。ちなみに、朝鮮族とは中国国籍をもつ朝鮮民族、朝鮮系中国人のこと。公用語として中国語と朝鮮語を使用し、食生活や文化は韓国・朝鮮に近い。