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レポート・インタビュー
スタッフインタビュー

「師任堂(サイムダン)、色の日記」の制作を行ったグループエイト。今までも「宮~Love in Palace」をはじめ「花より男子~Boys Over Flowers」「イタズラなKiss~Playful Kiss」など大ヒット作を生み出し続けてきた映像制作会社です。
今回はこのグループエイト代表のソン・ビョンジュンさんにインタビューしました!

<プロフィール>
ソン・ビョンジュン(制作会社グループエイト 代表)
1960年生まれ。02 年に制作会社エイトピークスを設立。同年制作の「明朗少女成功記」でいきなり最高視聴率44.6%を記録し大ヒットとなる。05 年に制作会社グループエイトに社名変更した後も、「宮~Love in Palace」など韓ドラ代表ともいえる作品を次々と世に送り出している。


第1回:2017.4.13掲載
第2回:2017.4.14掲載

グループエイト ソン・ビョンジュン代表インタビュー#2

― 本作では、韓国と日本でほぼ同時に初回放送が決まり、以前の他の作品と比べて日本の視聴者たちがより早く楽しめるようになりました。作品を制作されるうえで日本の視聴者たちの存在も影響しますか?

この「師任堂(サイムダン)、色の日記」を韓国と日本、両国の視聴者たちが同じ時期に一緒に見られてとてもうれしいです。

グループエイトは、これまで「宮~Love in Palace」「花より男子~Boys Over Flowers」「イタズラなKiss~Playful Kiss」など多くの作品で日本のファンの方々に愛されてきました。日本の視聴者の皆さんがいなかったら、グループエイトがここまでグローバルに成長できませんでした。
よって、当然、日本市場を意識せずに作品を制作しなかったことはほとんどありません。今後も同様です。国内市場だけを見て狭い視野でコンテンツを作るつもりはないですし、ひいては日韓合作プロジェクトを通して、一緒に作業できる機会が増えるといいと思ってます。

「宮~Love in Palace」より


― 最近は、事前制作の作品が増えていると耳にしました。どういった背景がそれを加速させていると思われますか?また、事前制作のメリット・デメリットがあれば教えてください。

事前制作プロジェクトが増えた理由として、やはり海外市場の影響を受けたという点は看過できません。

しかし、必ずしもそのせいで事前制作システムのドラマが作られているわけではなく、生放送システム(※まるで生放送のように放送直前まで撮影や編集をしているような制作進行)で進められる大部分の韓国ドラマの弊害は、すでに関係者の間では何度となく指摘されてきた部分でした。

グループエイトは、韓国最初の事前制作ドラマである「飛天舞」をはじめ、「タムナ~Love the Island」や「バーディバディ」など、早くから多くのドラマを事前制作システムで制作してきましたし、その過程で長所と短所はすでに把握していました。

長所といえば、やはり徹底した準備ができ、完成度の高い作品クオリティーを出せることで、短所は視聴者の反応を即時に受け入れられないため、どうしても双方向の、視聴者と疎通のとれるドラマ作りはできないことですね。

しかし、長いスパンで見れば、事前制作システムが定着するといいと思っています。現在の生放送システムは、あまりにも多くの制作陣の犠牲により作られているのではないでしょうか。

「タムナ~Love the Island」より


― 「師任堂(サイムダン)、色の日記」もそうですが、新しい要素を持った韓国ドラマが最近多くなってきているように思います。今後の韓国ドラマはどのようになっていくとお考えですか?

韓国ドラマの限界はどこまでなのかと思うほど、最近は韓国ドラマがクオリティー的に驚くべき成長を見せています。
しかし、最近の韓国ドラマは有名脚本家1人に依存するシステムに偏りがちなので、今後は海外のように、企画プロデューサーを中心とするドラマが増えるといいと思います。

グループエイトは「花より男子~Boys Over Flowers」をはじめとしてこの「師任堂(サイムダン)、色の日記」に至るまで、これまでの作品を共同創作システムで制作してきて、韓国内の多くの制作会社の模範になっていると思っています。

必ずしもこのような方式だけが正しいというわけではありませんが、今後、多様な制作システムが構築され、韓国ドラマが発展的な方向性を見つけられると信じて疑いません。

「花より男子~Boys Over Flowers」より


― 最後に 「師任堂(サイムダン)、色の日記」を見る日本のファンに、メッセージをお願いします。

「師任堂(サイムダン)、色の日記」は朝鮮時代の女性の偉人を描いた、韓国の歴史を基にしたフィクションですが、グローバルなファンも誰もが理解しやすい物語だと思ってます。

美術という特殊な素材をとても普遍的なテーマとして解釈し、同時に現代と過去を行き来しながら独特なストーリー展開で、古くさくならないドラマを作るために努力しました。日本でも十分に多くの視聴者が興味を持って見られるのではないかと思います。特に、主演のイ・ヨンエさんとソン・スンホンさんの演技力は、まさにこれまでで最高と言えます。

最後に、先に言及したとおり、グループエイトは自社作品である「宮~Love in Palace」「花より男子~Boys Over Flowers」「イタズラなKiss~Playful Kiss」などで日本のファンから身に余るほどの人気をいただきました。特に、「花より男子~Boys Over Flowers」「イタズラなKiss~Playful Kiss」は日本の素晴らしい漫画コンテンツを韓国ドラマ化して人気を得たケースなので、さらに感慨深いです。

これからも日韓両国の文化交流のために力を尽くすつもりなのでご期待ください。


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「師任堂(サイムダン)、色の日記」 
●予告編



●ブルーレイ/DVD情報

「師任堂(サイムダン)、色の日記」<完全版>ブルーレイ&DVD
BOX1:4月28日(金)
BOX2:5月26日(金)
BOX3:6月23日(金)
BD:21,000円+税/DVD:18,000円+税

★BOX2に封入されたガイドブックレットにもソン代表のインタビューが収録。特典ブックレットでしかよめないエピソードもあります!

セル発売元:フジテレビ/フィールズ/エスピーオー
セル販売元:エスピーオー

<完全版>レンタルDVD
5月2日(火)より順次レンタル開始
※スペシャル・エディション版
レンタル発売・販売元:カルチュア・パブリッシャーズ

「師任堂(サイムダン)、色の日記」©Group Eight
「宮~Love in Palace」©2009 GD Corp inc.
「タムナ~Love the Island」©2009 by Group Eight & Hunus Entertainment 「Tamra, The Island」 ©Jung Hye Na / Seoul Media Group「Tamra, Love The Island」
「花より男子~Boys Over Flowers」©KAMIO Yoko / Shueisha Inc. ©Creative Leaders Group Eight