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2015年11月30日、「師任堂(サイムダン)、色の日記」の記者会見が、韓国の江原道にある江陵シーマークホテルにて行われました。
この記者会見の模様をほぼノーカットでお届けいたします!
<ほぼノーカット版>後編
記者会見<ほぼノーカット版>後編です!
Q.イ・ヨンエさんは、これまで子供を育て上げながら専業主婦の生活を送られ、
この度本格的に撮影を開始し、ワーキングマザーになりましたが、苦労されている事がありましたら教えてください。
また、イ・ヨンエさんが考える"良妻賢母"とはどんなものでしょうか。
<イ・ヨンエ>
良い質問ありがとうございます。
「10年経てば山河も変わる」ということわざがありますが、私も母や妻になってから、世の中を見る目が以前より広く深く変わった気がします。
特に育児に関しては、子を育てる母親の立場で様々なことを見ることができるようになりました。
この作品で、師任堂を通じ、女性の人生や悩み、子供の教育などを考えてみようと思ったのです。
それは、私が母であり妻だからこそ、より強くこの作品に出演したいと思えたんだと思います。
母と妻の立場からの苦労についてのご質問ですが、師任堂も考えてみると、彼女も朝鮮時代のキャリアウーマンだったんだと思います。
有名な画家であり、自分の才能を高めながら、家庭生活をしていた女性だったんですから。
そう考えてみると、朝鮮時代の女性にも同じ悩みがあったのではないかと思います。
現代の私も仕事をする立場でもありますが、
これに関しては「夜9時までしか撮影しない」と誇張された内容が記事に書かれ放送されたりもしましたが、そんなことはありません。
10年前の私と今の私が違うように、既存の制作環境だと、今の私が置かれている母や妻の立場からするとちょっと難しくて。
もっと質の良い作品に携わりながら、母親としての家事も十分にできるようにする、と言う条件があったのですが、
事前制作のおかげで、今回、私は二つを両立することができたのです。
「師任堂」が事前製作される最初の頃の作品になるので、この作品が成功して、
今後の制作環境が良くなり、多くの良質な作品ができたらいいなと願っています。
Q.ソン・スンホンさんの演じるイ・ギョムは、過去に演じた他の役と大きく違うように感じます。
イ・ギョムというキャラクターと過去のキャラクターの違いや、
俳優としてこの役を演じることで何か目標にしていることはありますか?
<ソン・スンホン>
私は以前、ひげをつけて韓服を着て「Dr.JIN」というタイムスリップものの時代劇ドラマに出演しましたが、本格的な時代劇はこの作品が初めてです。
そのため、最初は挑戦的な面が多かったです。
時代劇は現代劇と違って、見知らぬものも多い。
俳優にとってそう言った自分が経験したことのないことを演じるのが一番大変なことだと思います。
自分が生活した事のない朝鮮時代、なのにその時代を生きていた人々の物語を描がいていると言うことだけで
時代劇というジャンルは不慣れで大変だろうと思いました。
イ・ヨンエ先輩が演じる申師任堂という人物は、韓国を代表する良妻賢母のお手本で、天才画家でありながら、実在した人物です。
それぞれの人々が持っている"師任堂"に対するイメージや先入観もあると思います。
その中から作りあげた物語なので、イ・ヨンエ先輩は私よりももっと大きなプレッシャーを感じていらっしゃると思います。
イ・ギョムは実在した人物ではありませんので、演技をする私としては、多様で型にはまらない演技ができるという利点があります。
イ・ギョムという人物は、師任堂の初恋の相手でありながら、自由な魂を持っている男です。そして師任堂を、生涯を通じ愛し続ける男です。
イ・ギョムという人物は時にはシックな姿で、またある時には堕落した姿を見せ、
またある時には情熱的に師任堂を愛する姿を見せるなど、色んな面を持っていて多様な表現ができるキャラクターです。
最近とっても楽しくイ・ギョムを演じながら撮影していますので、是非期待してください。
Q.ソン・スンホンさんへの質問です。
今回のドラマは、中国でも放映される予定ですが、何か期待なさっているのことは有りますか?
こんな反響があってほしいなと望んでいることなどありましたら教えてください。
<ソン・スンホン>
今年(=2015年)の夏『第3の愛』という作品が中国の皆さんに大きな愛と頂くことができました。
初めて韓中合作映画の主演として出演することができましたので私にも意味がある作品でした。
イ・ヨンエ先輩が10年ぶりの復帰作にてこのドラマを選んだのには理由があると思います。
ですが、それはこの作品がアジアで韓流ブームを巻き起こせそうだからとか、それを目標にしているからではありません。
そもそも「チャングム」や私が出演した「秋の童話」など、多くの韓流ブームを巻き起こした作品も
最初からアジア市場でのヒットを目的にして作られた作品ではないはずだと思っています。
人が持っている感情は国を超えて皆同じであるため、愛も多分皆同じで感じていると思います。
今回の作品を通じて、個人的には
「ソン・スンホンが時代劇で見たことのない姿を見せてくれるのだ」と視聴者の皆さんに言われたい
という俳優としての欲があります。
皆さんに新しい姿をお見せし、イ・ヨンエ先輩と共演も「2人お似合いだな」と。
そして2人の非常に胸が痛むような恋や、韓国の美しさを世界に知ってもらえたらと思います。
Q.今までの撮影中に面白かったエピソードはありますか?
<イ・ヨンエ>
こんにちは。ありがとうございます。
私がドラマの中で恋愛模様を演じるのが10年ぶりで...
ソン・スンホンさんも先緊張したと話しましたが、それはソン・スンホンさんだけではなく私も同じく緊張しました。
私も緊張で震えてNGを出して、緊張からの震えが画面からも見えるほどだったんです。
それでお互いに少し慣れてからにしようと、今、重要なシーンは後回しにしているんです(笑)。
でも、そのような緊張感があった方が良い気もします。撮影後半になって2人が親しくなるとミステリアスな感じがお互いになくなるような気もして...。
そんな色んな面白いことがたくさんありました。
撮影現場ではソン・スンホンさんが時代劇の衣装を余りにもかっこよく着こなしていて。
多くの女性スタッフさんが、私の出番の時にはあまりモニターを見ないのに、スンホンさんの出番になるとモニター前に集まって見ているのです。
それで今、私が現場で一番嫉妬して羨ましいと思っている存在がソン・スンホンさんになりました(笑)。
このドラマの私のライバルが余りにもカッコよくて、そんなライバルとの恋愛模様を描く現場で本当に楽しく撮影しています。
<ソン・スンホン>
ありがとうございます。
実は俳優は、撮影中に数日現場を休んだだけでも、撮影現場に戻ると何だかすごくぎこちなさを感じたりします。
たったの数日でそう感じるのに、10年ぶりに撮影現場に復帰したイ・ヨンエ先輩はそういう感情をもっと強く感じていらっしゃると思います。
私は最近色んな作品の撮影をしましたが、イ・ヨンエ先輩と初めて息を合わせる撮影日に、私はデビューした日を思い出しました。
それくらいとっても緊張していました。
その日撮影した場面はイ・ギョムが師任堂に怒りをぶつけるシーンだったのですが、
イ・ヨンエ先輩が私と目を合わせながら目の前に立っておられ、喉が詰まってセリフが全く出てこなかったんです。
"あれ?どうしたの自分?あれ?"と頭では考えているのですが、心臓がバクバクして、何度もNGが出ました。
結局、そのシーンは先送りになりおそらくこれから撮影する予定です。(笑)
それだけイ・ヨンエ先輩と共演するのをとても光栄に思い震えた記憶がエピソードです。
Qイ・ヨンエさんは俳優に加えて、チャリティー活動もたくさんしておられますが、これからどんな人生を送りたいですか?
<イ・ヨンエ>
私はこの作品が女性の人生を描いた作品だったので出演を決めました。
女性がどうやって生きていくべきか?結婚して妻になり母になると、どのように生きていくのが良い人生なのか?
その質問に対して私も結婚してから、以前よりよく考えるようになりました。
師任堂は自分の才能を発揮しながらも、子供たちを立派に育てるために努力していましたし、家庭を正しい方へと導こうと努力していました。
私も師任堂を演じながら一緒に悩んでいます。
イ・ヨンエとしての人生。私の才能を活かして仕事をして。そんな私の才能を、多くの人々と分け合い、誰かのためになりたいと望みんでいます。
そして母としても妻としても充実した生活、バランスの取れた人生を送りたいと願っています。
それは私だけでなく、恐らく全ての女性たちが思い夢見る理想的な女性の人生だと思います。
ですが、決して容易なことではありません。 師任堂を通じて、そういった女性の葛藤と苦悩などを見せたいと思いました。
Q.ソン・スンホンさん個人的には今後どのような人生を送りたいですか?
<ソン・スンホン>
イ・ギョムという人物は天才画家であり、芸術家ですが、
一方では朝鮮時代の王族の親戚でもあり、自分が求めれば政治的野心を実現させるのもできたかも知れません。
そうしたら、より豪華な生活が送れたに違いない人物です。
しかし、そのようなものに興味がないキャラクターなので、イ・ギョムを説明する時に"自由な魂"と言う表現が合うと思います。
ですが同時に、彼の中には朝鮮時代両班たちの堕落した姿を見てそんな朝鮮を変えてみようとする烈士のような感じもあって。
そのような相反する2つの姿が、イ・ギョムが持っている魅力だと思います。
さっき「今後の人生をどう送りたいのか?」との質問がありましたが、
今現在、人間ソン・スンホンが最大の話題と考えていることは「どうすれば私が幸せになるのか?」ということです。
多くの人々が新年になると大きな目標を立てます。
それは自分がやりたい事だったり、達成したい目標だったり、
皆それぞれ未来に対する大きな目標を立ててそれを追いかけようと努力していると思います。
ですが、遠い未来じゃなくて明日自分がどうなるかも分かっていないのでは?と思いました。
昨年、個人的に色んなことがありました。私の親友も胸を痛むことになりました。
その全てを見て、人は自分が明日どうなるかも分かっていないのに、
いつも余りにも大きな夢だけを追いかけて毎日頑張って生きているのではないか、と思うようになりました。
そのように毎日苦労しながら生きている人たちに、
今この瞬間、自分の周りにいる愛する親友や家族、一緒に働く人たちとの幸せな時間を楽しめずに、
いつ来るか分からない遠い未来だけを考えそればかり追いかけているせいで、
今自分が感じるべきだった現実の幸せを感じていないのではないのかなと思いました。
人だから仕方ないのかなとも思いますが、その全てが人の欲のせいではないのかなとも感じるし...。
何か話がずれてしまったのですが、幸せを感じるためには自分の中にある欲をどうやってなくせるのかが
人間が最も幸せな人生を生きれる方法だと思います。
どうしたら幸せな人生を生きることができるのか。そのような事をここ最近よく思うようになりました。
<おわり>