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この連載では、「師任堂(サイムダン)、色の日記」で描かれる朝鮮時代、特に1500年頃~1600年頃を描いた韓国時代劇をご紹介。
「師任堂(サイムダン)、色の日記」放送前の予習としてご覧いただくのもよいかもしれません。時代の雰囲気などを知れる良い機会になると思います。
第2回も韓国時代劇の人気作のひとつ。ほぼ同時代、そして同じく女性アーティストの人生を描いたこの作品です。
「ファン・ジニ」
KBS /水木/ 2006.10.11 ~ 12.28(全24話)
演出:キム・チョルギュ
脚本:ユン・ソンジュ
視聴率:平均20.4% 最高27.1%
●キャスト
ハ・ジウォン(ファン・ジニ= チニ=ミョンウォル)
キム・ヨンエ(ペンム)
チョン・ミソン(ヒョングム)
チャン・グンソク(ウノ)
キム・ジェウォン(キム・ジョンハン)
リュ・テジュン(ピョクケス)
チョ・ソンハ(オムス)
キム・ボヨン(メヒャン)
ワン・ビンナ(プヨン)
イ・イネ(タイシム=ケトン)
●解説とあらすじ
朝鮮時代最高の妓生と名高い実在の人物、ファン・ジニの生涯をドラマチックに描いたドラマ。厳しい階級社会の時代に自らの才能でのし上がり、芸の道を追求し続けたファン・ジニの生き様が多くの女性の指示を得て、高視聴率をマークした。
第11代・中宗の治世が舞台。
山寺で母を知らずに育ったファン・ジニ(=チニ)は、松都教坊の妓生(キーセン)たちの踊りに魅せられ、弟子入りを志願する。彼女の素質に気づいた教坊の長であるペンム行首は、チニの弟子入りを認め、徹底的に歌や踊りを教え込む。
やがて美しく成長したチニはその才能を開花させつつあったが、両班の息子ウノと恋に落ちたことで、人生の大きな転機を迎える。
★「ファン・ジニ」も「師任堂(サイムダン)、色の日記」と同じ中宗の時代。
中宗はクーデター(中宗反正)で王位に就くとき、最初の王妃である端敬王后(タンギョンワンフ)を廃位しています。
端敬王后は燕山君の側近の娘であり、燕山君の妃の姪であったことから権力争いの犠牲となり宮廷を追い出されたのです。これが中宗の悲恋の伝説として伝えられています。
「ファン・ジニ」の終盤でミョンウォルが中宗の前で舞うシーンでは、そのような背景も踏まえて見ると切なさが増します。
一方で「師任堂(サイムダン)、色の日記」でソン・スンホン演じるイ・ギョムは中宗にとって同じ王族、かつ、気の置けない友人でもあったのですが、やがて、王座を維持することに振り回される中宗の姿に深く絶望していきます。
文・キネマ旬報社
『韓国テレビドラマコレクション2017』『韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史2017年版』
※視聴率「ニールセンコリア」提供(全国基準)
「ファン・ジニ」(C)KBS, Photo Licensed by KBS/KYN