KNTVでの日本初放送に合わせて、毎週放送された2話分から気になるワードをピックアップ!
解説していきます。
【25話&26話】御真影
女人には許されないことが多すぎると訴えるメチャンの希望となるため、御真影絵師に挑戦するサイムダン。ギョムと二人、肩を寄せ合って画布に向かう姿が印象的です。
御真影とは王の肖像画のことで、三国時代頃から描かれてきたようです。朝鮮時代には盛んに描かれるようになりましたが、ほとんどが焼失してしまいました。新羅の第56大王・敬順王の肖像画が現存する最古のものといわれます。
御真影を描く時は、まず背彩法という手法を使って画面を整えます。これは画面となる紙や布の裏側に色を塗って、表にほんのり色が透けるようにした手法です。
ここに、当代最高の絵師たちが集まって、王の姿を髪一本一本まで繊細に表現していきました。
王と対面して描く図写、既存の絵をもとに描く模写、王の死後に描かれる追写と、三つの制作方法があり、通常6~7人、多いときは10人以上が制作に携わりました。
現存する朝鮮王の御真影は初代・太祖、第7代・世祖、第21代・英祖、第22代・正祖、第23代・純祖、第24代・憲宗、第25代・哲宗、第26代・高宗など。よく歴史本の表紙などに使われている太祖の御真影は1872年、高宗の時代に制作された模写で、国宝第317号に指定されています。
来週は5月2日(火)更新!
【27話&28話】のキーワードをご紹介します。
お楽しみに!
Text:青島昌子(ライター、韓国語翻訳家)
1990年代に韓国に留学。帰国後は翻訳、通訳として活動。韓流ブームとともに執筆活動に入る。翻訳書「スノーキャットのひとりあそび」(二見書房)共訳「韓国の歴史を知るための66章」(明石書店)「美男<イケメン>ですね フィルムブック」(キネマ旬報社)など。得意分野の本格時代劇を中心に、DVDオフィシャルライターとして「龍の涙」「ケベク」「チャン・オクチョン」「お願い、ママ」など、多数の作品に参加。
「師任堂(サイムダン)、色の日記」©Group Eight