KNTVでの日本初放送に合わせて、毎週放送された2話分から気になるワードをピックアップ!
解説していきます。
【23話&24話】メチャン[梅窓]
ドラマではサイムダンの子どもは4人と描かれていますが、実際は4男3女、7人の子どもを産み育てました。
唯一の女の子として描かれていたメチャンですが、長女として1529年に生まれます。
「梅窓」というのは名前ではなく、彼女の号です。
母、サイムダンはメチャンがまだ幼いころから、女性としてのたしなみである針仕事や家事をきっちりと仕込みます。メチャン自身も母の教えをきちんと身に着けていきます。
詩画にも人並み外れた才能を見せたメチャンは、"小さな師任堂"と呼ばれるほど、母サイムダンの才能をもっとも多く受け継ぎました。
さらに、のちに子孫から"婦女子の君子"と呼ばれたように、学識も深かったといわれ、弟の大学者、ヒョルリョン(李珥)でさえ、わからないことがあると、姉メチャンに尋ねたといいます。
これほどの才能を持った彼女が、ドラマのように図画署に入りたいと思ったとしても不思議ではありません。
サイムダンの才能はメチャンに受け継がれ、その後、メチャンの次男チョ・ヨン(趙嶸)に受け継がれていきます。彼が描いた「君山二友図」は朝鮮中期を代表する絵画のひとつといわれています。
現在、サイムダンの生家、烏竹軒(オジュッコン)にはメチャンの作品「梅花図」が、弟のイ・ウ(李瑀)が描いた「菊花図」とともに画帖として保存されています。
また、京畿道玻州にある栗谷の家族墓地には、母・サイムダンや兄弟たち、そしてメチャンの夫、チョ・ナデム(趙大男)、息子チョ・ヨンたちがともに眠っています。
来週は4月25日(火)更新!
【25話&26話】のキーワードをご紹介します。
お楽しみに!
Text:青島昌子(ライター、韓国語翻訳家)
1990年代に韓国に留学。帰国後は翻訳、通訳として活動。韓流ブームとともに執筆活動に入る。翻訳書「スノーキャットのひとりあそび」(二見書房)共訳「韓国の歴史を知るための66章」(明石書店)「美男<イケメン>ですね フィルムブック」(キネマ旬報社)など。得意分野の本格時代劇を中心に、DVDオフィシャルライターとして「龍の涙」「ケベク」「チャン・オクチョン」「お願い、ママ」など、多数の作品に参加。
「師任堂(サイムダン)、色の日記」©Group Eight