「師任堂(サイムダン)、色の日記」といえば、主演のイ・ヨンエさん、ソン・スンホンさんの印象が強いですが、その他のキャストもかなりの実力派揃い!
このコラムでは、新星からベテランまで、「師任堂(サイムダン)、色の日記」に出演する俳優達を深堀していきます。
ミン・チヒョン|チェ・チョロ
非情な野心家で、妨害となる人物はどんな手を使っても排除していく野獣のような男ミン・チヒョン。
動物的な勘を持ち、妻のフィウムダンとともにサイムダンの敵となる存在です。
この厄介な悪役を凍るように冷たい目つきで演じ、物語に緊張感を与えているのが、チェ・チョロです。
コミカルなキャラからシリアスなキャラまで、妙に気になる存在感を残す名バイプレーヤーで、現代劇・時代劇双方で活躍しています。
学生時代に舞台俳優として演技活動を開始した彼は、20代後半から端役としてドラマにも出演。長い下積み生活を経て、2006年の大ヒット時代劇 「大祚榮 テジョヨン」で主人公の忠臣コルサビウを演じ、注目を浴びます。
一度見たら忘れられない強烈な"眼力"は、その後も彼の武器となり、徐々に主演級の役どころを担うように。
その代表作で出世作が、2009年の 「僕の妻はスーパーウーマン」。冷徹でスキのない敏腕ビジネスマンでありながら、初恋の女性の夫となった部下を妬んで間抜けな面も見せるギャップ男子をコミカルに演じ、大ブレイク。
2010 年の 「恋愛マニュアル~まだ結婚したい女~」 では、純情で奥手なイケメン漢方医師を好演。キム・ボム演じる年下の主人公から恋愛指南を受ける様も愉快で、演技の振り幅を見せています。
同年、大河時代劇「トンイ」で主人公トンイを苦しめる南人派の役人を担うも、トラブルを起こし、途中降板。
謹慎後の2012年に活動復帰し、「ラブ・アゲイン症候群」では主人公カップルの恋をサポートする雑誌編集長に扮し、アラフォー世代の成熟した魅力を見せました。さらに、2014年の長編ホームドラマ「一途なタンポポちゃん」では、ヒロインの父親役に扮し、父性愛を表現。生き別れた娘との波乱の運命にも惹き込まれます。
近年の時代劇でいえば、「朝鮮ガンマン」も秀逸。このドラマでは、イ・ジュンギ演じる主人公を見守る武官に扮し、渋く硬派な役どころで重厚な印象を残しました。
というように、代表作だけ見ても演じてきたキャラクターはとにかく多様。
作品ごとに悪にも善にも振れるため、「今回は悪い人だろうか?最終的にいい人になるのだろうか?」と予想がつかず、いい意味で裏切られる俳優です。
さて、本作でのミン・チヒョンはどうか? 物語に緊張感を与える冷酷非道な悪役キャラの行方から目が離せません!
「師任堂(サイムダン)、色の日記」©Group Eight
「一途なタンポポちゃん」Licensed by KBS Media Ltd. © 2015 KBS. All rights reserved
「朝鮮ガンマン」Licensed by KBS Media Ltd. ⓒ 2014 KBS. All rights reserved
Text:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮〜Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ−信義−」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のコメンテーターとしても活躍中。