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深堀キャスト解説

「師任堂(サイムダン)、色の日記」といえば、主演のイ・ヨンエさん、ソン・スンホンさんの印象が強いですが、その他のキャストもかなりの実力派揃い!

このコラムでは、新星からベテランまで、「師任堂(サイムダン)、色の日記」に出演する俳優達を深堀していきます。

中宗&ミン・ジョンハク|チェ・ジョンファン

主人公の敵として君臨する悪役は、その存在感が大きいほど、物語をスリリングに面白くしていくものです。

そして、本作においてそんな面白さを担っているのが、野心のため弟子であるヒロイン、ジユンを陥れる腹黒い美術史教授ミン・ジョンハク(現代パート)であり、イ・ギョムの友人で、王座を守るため冷酷に変貌していく中宗(朝鮮時代パート)でしょう。

この2役を演じるのは、ベテラン俳優、チェ・ジョンファンです。

とりわけ時代劇での活躍が多いチェ・ジョンファンですが、なかでも馴染み深いのは「トンイ」でのチャン・ムヨル役でしょう。
公平な人物のように見えながら、ヒロイン、トンイを陥れようと画策を続ける野心家で、気にならざるを得ない存在です。


また、本作同様、朝鮮王朝11代王・中宗を演じた「女人天下」(01-02年)ではSBS演技大賞助演男優賞を受賞。

その後は、「淵蓋蘇文(ヨン・ゲソムン)」(06-07年)では後の高句麗第27代王・ヨンニュ王(コ・ゴンム)を、「済衆院 チェジュンウォン」(10年)で朝鮮王朝後期の王・高宗を、「階伯-ケベク-」(11年)では百済第30代王・武王を演じるなど、様々な時代の様々な王役を務め、カリスマ性を放ってきました。


他にも、「ホジュン-伝説の心医」の御医役や、「六龍が飛ぶ」での将軍役、現代劇でも「IRIS[アイリス]」の北朝鮮労働党員、「キムチ~不朽の名作~」の病院理事長など、実に幅広い役どころで一癖ある演技を見せてきた名バイプレイヤーです。


本作でも、出てくるだけで嫌な感情を沸き起こし(いい意味です)、物語のキーパーソンとなっていく役どころを巧演。
現代と過去の2役いずれも、穏やかな笑みの陰で見せる冷ややかな眼差し、腹の底は読めない"クセ者"ぶりで、強烈なアクセ
ントとなっています。


「師任堂(サイムダン)、色の日記」©Group Eight

Text:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮〜Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ−信義−」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のコメンテーターとしても活躍中。