韓ドラファンにお馴染みのエンタメライター&編集者の高橋尚子さんが贈る、『師任堂(サイムダン)、色の日記』放送前の復習コラム。
今回はサイムダンの世界観を作り上げるスタッフに焦点を当てます。全3回にわたり、どんなキャリアをもったスタッフたちが集まっているのか、過去作を振り返りながらご紹介していきます。
第1回:繊細な“色”を描く監督 (2017.1.19更新)
第2回:女心を知り尽くした作家 (2017.1.20更新)
第3回:GROUP8の“目利き力” (2017.1.23更新)
第3回:GROUP8の"目利き力"
本作の制作を手掛けたのは、多くのヒット作を世に送り出してきた韓国エンタメ界屈指のクリエティブ集団「GROUP8(グループエイト)」です。
その代表作は、「宮~Love in Palace」「花より男子~Boys Over Flowers」「イタズラなKiss~Playful Kiss」「キレイな男」「のだめカンタービレ~ネイル カンタービレ」と錚々たるもの。
どんな素材が受けるか、どんな俳優が次に来るか、常に時代の先を読む企画力で、ドラマのトレンドを作ってきました。
こうして見ると、漫画原作が目立つようですが、主人公を演じたソ・ジソブをトップ俳優にのしあげ、シンドロームを巻き起こした「ごめん、愛してる」や、当時の韓国ドラマ界では冒険ともいえた"アメリカ映画のリメイク"に挑み、ヒットさせた「ファンタスティック・カップル」など、目の付けどころは広く、柔軟です。
さらに、キャスティングを担うソン・ビョンジュン代表の目利き力です。その一例が、「宮~」のチュ・ジフンや、韓国版「花男」のイ・ミンホ、最近なら、韓国版「のだめ~」のパク・ボゴム。
無名の新人を見出し、スターを誕生させてきたソン代表の手腕は、韓国エンタメ界を動かしてきたともいえます。
そして、その目利き力は「師任堂(サイムダン)、色の日記」でも遺憾なく発揮されています。
それは、ソン・スンホン演じるイ・ギョムの少年時代と、現代パートでイ・ヨンエ演じるソ・ジユンの良き相棒となるハン・サンヒョンを1人2役で演じているヤン・セジョンです。彼については、おいおい紹介していきますが、ドラマを見ていただければ、すぐにその「光る原石」に目が行くことでしょう。
また、「ごめん、愛してる」や「宮~」などで培われた海外ロケの企画・指揮力は本作でも存分に生かされ、序盤のイタリアロケは壮大なスケールで演出されています。
セットや衣装、美術面でのこだわり、クオリティーの高さも、「宮~」で保証済み。
制作力の高さを細部で感じさせてくれる仕上がりに唸らされること必至です!
「師任堂(サイムダン)、色の日記」©Group Eight
「宮~Love in Palace」©2009 GD Corp inc.
「ファンタスティック・カップル」©MBC All Rights Reserved.
「花より男子~Boys Over Flowers」©KAMIO Yoko / Shueisha Inc. ©Creative Leaders Group Eight
「のだめカンタービレ~ネイル カンタービレ」©二ノ宮知子/講談社 ©2014 Group8 & SPO All Rights Reserved.
Text:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮〜Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ−信義−」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のコメンテーターとしても活躍中。