韓ドラファンにお馴染みのエンタメライター&編集者の高橋尚子さんが贈る、『師任堂(サイムダン)、色の日記』放送前の復習コラム。
今回は、サイムダンと切ない愛を繰り広げる芸術家イ・ギョムを演じた、ソン・スンホンさんにフォーカスします。全3回にわたり、過去作をふりかえりながら彼のキャリアをふりかえります。
第1回:『秋の童話』そして『夏の香り』 (2017.1.11更新)
第2回:タフでセクシーな男 (2017.1.12更新)
第3回:意外な初挑戦 (2017.1.13更新)
第2回:タフでセクシーな男
"ロマンチックな優しい男"の代名詞としてアジア中の女性たちを虜にしたソン・スンホンですが、軍除隊後は"タフでセクシーな男"としての魅力をキャラクターに投影していきます。そのきっかけとなるのが、除隊復帰作でもある2008年の「エデンの東」です。
「秋の童話」や「夏の香り」で魅せた"純粋な目"はそのままに、熱い"正義感"を加味し、父を死に追いやった人物への復讐を胸に生きる男イ・ドンチョルに扮しています。
劇中を通して、カジノのディーラー、裏社会の幹部、さらには切れ者の事業家と、様々な姿を見せたスンホンですが、どの姿もひたすら男くさくセクシー!
なにより、生き別れた弟を自分の命以上に大切に思う"兄の魂"はしびれるものがあります。
このドラマにおけるスンホンの魅力は、実は"苦悩"と"葛藤"の表情にあります。
愛する復讐と愛の間で苦悩する姿、最愛の弟を思って涙する姿......タフの裏側に隠した「優しさ」が滲み出て、見る者の心を惹きつけるのです。
ちなみに、除隊後の数年はスンホンにとって「"タフな魅力"磨き」期といえます。
2008年の映画『宿命』(共演:クォン・サンウ、チソン)、2010年の『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』(共演:チュ・ジンモ、キム・ガンウ)も、むせぶような野性の色香を放ち、友情、裏切り、野望といった"男の物語"を演じています。
特に、『男たちの挽歌~』では、マフィアのNo2として伸した男ヨンチュンに扮し、輝かしい時期から右脚の負傷により転落した後までを表現。
人生の浮き沈みを見せたという意味で、その後の役者人生の幅を広げる挑戦になりました。
面白いのは、この翌年となる2011年に、それまでの反動のように明るく愉快なロマンチックコメディ「マイ・プリンセス」に出演していること。
男性的魅力を表現に取り込んだ彼は、十八番の正統派王子様キャラ(ロマンチック)のコメディ版という新たなキャラクターに臨んでいくのです。
ここからが、ソン・スンホン"2度目の黄金期"のスタートとも言えますが、詳しくは次回にしましょう。
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(C) 2011 Curtaincall Production Inc. & Storm S Company Co., Ltd
Text:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮〜Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ−信義−」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のコメンテーターとしても活躍中。