ドラマをより深く!
カムバック!イ・ヨンエ

エンタメライター&編集者の高橋尚子さんが贈る、『師任堂(サイムダン)、色の日記』放送前の復習コラム。

まずは、本作が13年ぶりのドラマ復帰となるイ・ヨンエを復習。放送前に、幅広い彼女の出演作と併せて、彼女の女優人生をふりかえってみましょう。

第1回:ドラマ編~メロドラマの女王  (2017.1.5更新)
第2回:映画編~美しさを武器に    (2017.1.6更新)
第3回:時代劇編~世界的お茶の間層へ (2017.1.10更新)

第1回:ドラマ編~メロドラマの女王

聡明で好奇心旺盛な"チャングム"の印象で愛され続けているイ・ヨンエ。デビュー当初、"酸素のような女性"というキャッチフレーズのCMで注目され、今なおそのイメージを保ち続ける無二の存在です。女優としても、ドラマから映画、ロマンスからシリアスまで、キャリアは実に幅広いものがあります。


「宮廷女官チャングムの誓い」でのイ・ヨンエ ©2003-2004 MBC


そんなわけで、『師任堂(サイムダン)、色の日記』での久々のドラマ復帰を記念し、イ・ヨンエの代表作を振り返ってみましょう。

まずは、初期作品。93年にドラマ『お宅の夫はいかがですか』でデビューした彼女は、"メロドラマの女王"として、90年代のテレビドラマ界で華やかな軌跡を残します。


なかでも、印象的な作品は、1996年の『パパ』。未練を残しながら別れた元夫婦が、嫉妬したり衝突したりしながら、再び愛を取り戻していく姿を描いた軽快なラブコメディで、主人公カップルを演じるのは、イ・ヨンエとペ・ヨンジュンです(なんと豪華な)。

ここでのイ・ヨンエは、映画会社の企画室長で一児の娘を持つキャリアウーマン。没頭すると他が見えなくなる仕事人間ですが、ペ・ヨンジュン扮する元夫に気持ちを揺らす女心や愛娘に見せる母の顔を等身大の魅力で演じ、共感度の高いヒロイン像を生み出しています。


一方、97年の『ドクターズ』では、チャン・ドンゴン演じる天才外科医の恋人で聡明な内科医役に。医師としての良心を貫く姿、冷酷な恋人に振り回されつつ断ちきることができない愛の苦悩など、凛としながら柔らかな女性性も見せています。

同じく96年の社会派サスペンス『絆』では、ある社会的事件の鍵を握る謎多きヒロインを演じ、笑顔を封印した重い役どころも。


さらには、98年の大ヒット法廷ドラマ『真実のために』では、弁護士を目指す司法研修生を好演。直向きなヒロインが現実に揉まれながら成長していく姿を、可憐でありながら芯のある演技が光りました。

かと思えば、2000年のメロドラマ『火花』では、婚約者がいながら旅先で電撃的恋に落ちた女流作家に扮し、大人のロマンス演技も披露。

また、主演ではありませんが、95年のドラマ『アスファルトの男』では、イ・ビョンホン&チョン・ウソン演じる主人公兄弟の長姉で、米軍クラブのホステス(のちにシングルマザーに)に扮し、弟たちとの確執と絆を繊細に表現。


と、初期のドラマだけでもこれほどまでの振り幅なのです。


"メロドラマの女王"として一時代を築いたイ・ヨンエが、『師任堂〜』で魅せる新たな"時代劇メロ"が気になります!


Text:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮〜Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ−信義−」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のコメンテーターとしても活躍中。

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