コラム
鑑賞コラム

BSフジにて放送中の「師任堂(サイムダン)、色の日記」。
この放送に併せ、鑑賞コラムを掲載!
ライター高橋尚子さんが、より深く・より楽しく「師任堂~」を味わうためのポイントを、毎話放送後にお届けしていきます。

※コラムはその日放送された回の内容に触れています。まだご覧になっていない方はご留意ください。
※話数は、BSフジ放送版(全44話)です。


Text:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮〜Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ−信義−」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のコメンテーターとしても活躍中。

第38話<BSフジ放送版>

サイムダンが御真影を描いていることで、宮廷内は荒れ模様です(ちなみに、彼女が御真影を描いたという史実はありません)。
あれこれ文句をつける重臣たちが憎らしく思えますが、男のメンツ的には許しがたいことなのでしょう。

そういえば、チャングムも女性でありながら王の主治医となった人物でした。
ドラマでは描かれていませんが、実際は中宗が彼女を御医女(主治医)に任命したとき、周囲の重臣たちから「医女の医術は劣っており、王の体を診させる任にはふさわしくない」と反発が起きたと言われています。
女性に厳しい時代だったんですねぇ。

そんな状況を知りつつ御真影を描く任務を引き受けたサイムダンに、中宗は「恐れぬのか。その勇ましさはどこから来るのだ」と皮肉交じりに問うわけですが、


サイムダンは

「勇ましさではなく、母の心です」

と答えるんですねぇ。
画員になる夢を抱く娘に希望を与えたいという母の心。女は強いと言いますが、強いのは「母」ではないかと思うのです。

しかし、チャングムを引き立てていた中宗が、サイムダンのことは目の敵にしているという点が実に興味深いです。
実は、中宗は『チャングムの誓い』で描かれているような"いい人"ではなく、本作のように猜疑心に苛まされ、重臣に振り回された優柔不断な王だった模様。
そんなわけで、あれだけ可愛がっていたギョムを、今は窮地へ追い込もうとしているわけです。

この回、中宗はギョムを主管絵師に命じ、サイムダンとともに御真影を描くよう指示します。

その意図が読めませんが、「2人で会える最後の姿かもしれない」と冷笑を浮かべながら告げる王の表情からして、よくない計らいであることは定か。あぁ、怖い怖い。

それを察してか、せっかく2人きりで絵を描いている(しかも身を寄せ合うように!)にもかかわらず、ギョムとサイムダンの顔は暗く沈んでいます。ギョムは、2人が顔を合わせられる時間はこれが最後であるかもしれないことには触れず、こう話します。

「こんな殺風景な場所でそなたと絵を描くことになるとはな」

そんなギョムにサイムダンは、絵筆を動かしたまま答えます。

「この場所でも嬉しく思います」

うぅ......。
ひたすらツンを貫き、本心を明かすことのなかったサイムダンが、ギョムと一緒に絵を描くことを「嬉しい」と、

「嬉しい」と告げるなんて!!!!

胸がきゅっと締め付けられてしまいます。
こんな状況でなければ、良かったねギョム!と、言いたいところなのに!

御真影を描き終え、帰ってよいと告げられた2人が、「御苦労だった」「宜城君様も」と、互いに慰労し合う場面は、切ないことこの上なし。
終わりは別れを告げているのですから...。


しかし、このまま2人はこれが最後になってしまうのでしょうか。
いよいよクライマックスが近づいてきましたよー!

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<放送情報>
●BSフジ 放送中! 
毎週(月)~(金) 14:59~16:00 
【公式サイト】

<DVD情報>
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