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コラム
鑑賞コラム

BSフジにて放送中の「師任堂(サイムダン)、色の日記」。
この放送に併せ、鑑賞コラムを掲載!
ライター高橋尚子さんが、より深く・より楽しく「師任堂~」を味わうためのポイントを、毎話放送後にお届けしていきます。

※コラムはその日放送された回の内容に触れています。まだご覧になっていない方はご留意ください。
※話数は、BSフジ放送版(全44話)です。


Text:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮〜Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ−信義−」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のコメンテーターとしても活躍中。

第36話<BSフジ放送版>

チヒョンと再び遭遇するサイムダン。
そこに通りかかると、サイムダンを背にかばい、チヒョンとにらみあうギョム。
あぁ、このハラハラは何度見ても慣れることはなく、息を飲み込んでしまいます。
ほんと、チヒョンをどうにかしたいものだわ!

そんななか、中宗の御真影を制作することになり、世子からその全権を託されるギョム。

新しい画員を募集するわけですが、絵を描くことが好きで、その才を持ったメチャンは、男装して試験に挑んじゃったりして。
しかも、描いた絵が最高点を取っちゃったりして。

母譲りの大胆さは、痛快なほどです。
が、案の定、女であることがばれ、落第になってしまうメチャン。

「絵をうまく描いても画員になれない。抱負は男だけのものですか」と、涙ながらに訴えるメチャンに、大人たちの心は揺さぶられるのですねぇ。

そんなメチャンを慰めることもできず、「メチャンをなだめてほしい」と、サイムダンに手紙を送るギョムの、でしゃばりすぎない、さりげない優しさが、またいいんだぁ。

そして、「お母様は本当に幸せでしたか」というメチャンの言葉に動かされたサイムダンは、御真影を描く画員として志願するのです!


同じく、現代では、ジユンがソウルに戻ることを決意。
ミン教授と再び戦うことを心に誓いました。ジユンはミン教授にこう言います。

「大事なのは、絵を描いた人の気持です」

その気持ちを守るためにも、戦うと。自分の地位や名声のためではなく、絵に込められた描いた人の思いを守るために、ミン教授と戦うと、ジユンは心に決めるのです。

まさに、サイムダン!


さて、朝鮮時代では、世子(のちの仁宗)の意味合いが大きくなってきました。
なので、ちょっと補足しておきますと、彼は朝鮮王朝時代でもっとも孝行息子だったとされる人物で、病気で床に臥せった父、中宗を懸命に看病したことで知られています。
父の死後、王位に就きますが、父が試みようとした改革の遺志を引き継ぎ、科挙によらない人材登用制度を復活させたりしています。
そんな世子が、ギョムを慕い、ギョムに助言を求めたのも納得ですね。

ちなみに、義理の母(育ての母でもある)文定王后らの陰謀で、火事で殺されそうになったり、たびたび命を狙われたりもしたそうで、なかなかに悲劇的な世子なのです。
(『天命』ではイム・スロン/2AMがこの世子を演じ、様々な宮廷の暗躍が描かれておりました)

世子とギョム、そして中宗の関係も、今後の展開を大きく動かしていきそうですよ!


※仁宗については、こちらでも詳しくご紹介しています!ぜひご一読ください。
「【連載】今週のキーワード:仁宗―育ての母を決して疑わなかった純粋な魂を持った王」
http://www.cinemart.co.jp/saimdang/special/dorama/cat82/2122.html

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<放送情報>
●BSフジ 放送中! 
毎週(月)~(金) 14:59~16:00 
【公式サイト】

●LaLaTV 8/21(月)~
毎週(月)~(金) 13:30~
【公式サイト】

<DVD情報>
●セル

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