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BSフジにて放送がスタートした「師任堂(サイムダン)、色の日記」。
この放送に併せ、鑑賞コラムを掲載!
ライター高橋尚子さんが、より深く・より楽しく「師任堂~」を味わうためのポイントを、毎話放送後にお届けしていきます。
※コラムはその日放送された回の内容に触れています。まだご覧になっていない方はご留意ください。
※話数は、BSフジ放送版(全44話)です。
Text:高橋尚子(ライター兼編集者)
韓流ブーム初期から雑誌や書籍で原稿を執筆。
2005年には「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を企画・創刊し、現在まで責任編集(執筆含む)を担当。
DVDのオフィシャルライターとしても「宮〜Love in Palace」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンイ−信義−」「仮面」など、多くの作品に関わってきた。王道の胸キュンロマンスを得意とし、「イルジメ[一枝梅]公式応援ブログ」などWEBでの原稿執筆や、韓流トーク番組「どっぷり衛星劇場」のコメンテーターとしても活躍中。
第11話<BSフジ放送版>
この回、はっとさせられたセリフがあります。
それは、ミン・チヒョンが比翼堂のギョムを訪ねたときのこと。
ギョムが描いている花の絵を見たチヒョンは、それは何の花かと問います。
ギョムの答えは、「シャクヤク」。
「立てばシャクヤク、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉もありますが、我々、現代人にはいずれも美人の形容に使われる美しい花といったイメージでしょう。
が、ここでチヒョンは、
「両班にはなじみのない花だ」
と話し、それに対してギョムは
「両班にはそうでも、民にはなじみの深い花です」
と返すのですねぇ。
実際、中国や韓国では牡丹は高貴な花として貴族・王族が身に付けるものに刺繍されるなどしてきましたが、シャクヤクはそれこそどこにでも咲いている花として庶民の生活の中で生きてきたようです。
「芸術はどこにでもある」と語るギョムが、シャクヤクを愛したのも頷けますし、それをかつてサイムダンに贈った髪結び(テンギ)に描いたのも分かります。
シャクヤクは、ギョムにとって、サイムダンのような花で、サイムダンはシャクヤクのようにどこででも美しく咲く花なのでしょう。
そして、フィウムダンです。
かつてギョムとサイムダンを引き裂く要因を作った少女ソクスンですが、彼女はいまだギョムからもらった筆を持っているのです。
なんと重く深い愛、そして憎。
彼女の回想シーンで、少年ギョムは少女ソクスンにこう言いました。
「貧しくても学ぼうとする姿は立派だ」
ーーそう、それがギョムなんですね。
今も昔も変わることなく、その思想を比翼堂で体現するわけですが、そういったギョムの考え方にそもそも惚れたフィウムダンとしては、憎いけど憎みきれない、複雑な思いが沸き起こるのでしょう。
ギョムの筆を手に、
「昔の私とは違うのよ」「比翼堂、比翼堂というのね...」とつぶやく彼女の表情は、どうにも憎しみだけに見えず、どこか切ない思慕を感じさせるのだよなぁ。
(オ・ユナという女優は、こういう感情表現が本当にハマります)
一方、サイムダンは、チヒョンに遭遇し、ギョムの危険を案じ始めます。
そこで、「名乗れぬ者」として、「くれぐれもチヒョンには用心するように」と、ギョムに文(ふみ)を送るわけですが、ここで注目すべきは、
はじめ右手に持っていた筆を、左手に持ち替えて書いていたことです。
つまり聞き手に右手で書けば、筆跡でサイムダンからの文とばれると思ったからでしょう。
そういった気遣いに、ぐっとなった次第。細やかな心配りの裏に愛を感じます。
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<放送情報>
●BSフジ 放送中!
毎週(月)~(金) 14:59~16:00
【公式サイト】
●LaLaTV 8/21(月)~
毎週(月)~(金) 13:30~
【公式サイト】
<DVD情報>
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