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アジアドラマの処方箋#12|“恋の翻訳機がほしい!”ときは「私のキライな翻訳官」がおすすめ!《前編》







ヤン・ミーとホアン・シュアンという2大スター共演の「私のキライな翻訳官」。

通訳の世界を本格的に描いているこのラブストーリーの主人公は頑張り屋ヒロイン&ドS上司。
どちらも勉強熱心、仕事熱心だけど恋には不器用というキャラクターです。




通訳では相手の言いたいことを理解すること、コミュニケーションを図ることが大事なのに、恋愛となるとすっかりそれがうまくいかなくなってしまう2人。
それもこれもお互いに女心、男心がわかっていないせいかも?

ここでは彼らの恋心を翻訳しながら、そのラブストーリーを分析。
前編はまずホアン・シュアンが演じるドS上司、ジアヤンの場合を見ていきましょう!




天然のドSでカンペキ主義

ジアヤンはお金持ちの家に生まれて、容姿端麗、通訳の才能も抜群で将来有望なイケメン。
......のはずなのですが、彼の態度や行動の裏にある本音を翻訳してみると、意外とダメンズな素顔が見えてきます。

ドSというとあえてイジワルをして相手の反応を楽しむタイプもいますが......
ジアヤンの場合はナチュラルに相手に対して厳しいという天然のドS。
真面目でストイックなのは長所でもあるのですが、彼は自分だけでなく他人にもとにかくキビシイ!

フェイが高等通訳学院の面接に遅刻してきた時も、弁明は一切受け付けず、いきなり採点を0点に。
それでもなんとか高等通訳学院に合格したフェイを、有無を言わさぬ鬼の特訓で鍛えます。

そんなフェイに厳しいドSなジアヤンの本音を翻訳してみると......

「実習生を一人前に育てるためにはビシビシやるべき」
「何にでもパーフェクトを求めてこそ最上の結果が得られるはず!」


でも、そんな立派な信念も度を過ぎると相手の反感を買ってしまうもの。
フェイは通訳上達のためと思って頑張りながらも、ジアヤンの独善的な態度にはムカッときてしまいます。

しかも彼はフェイの話をよく聞こうともせずに、彼女を拝金主義のだらしない女子と勝手に誤解。
そんなわけで2人の関係はギクシャクすることになります。





報われない恋に一生懸命

仕事一筋のジアヤンは30歳独身で、恋には興味がないのかと思いきや......

実は初恋の人をずっと想い続けています。
それは幼なじみの年上女性シャオホワ。
でも、彼女は兄のジアミンに一途で、ジアヤンのことを弟としか思っていません。

そんな報われない恋に一生懸命なジアヤンの心を翻訳してみると......

「ここまでずっとあきらめずに彼女のそばにいた」
「努力さえすればいつかきっと振り向いてくれるはず!」


これは勉強に励んで成果を出してきた優等生にありがちな考え方かもしれません。
でも、恋愛に関しては、努力すれば報われるというものではないのが現実。
しかも、ジアヤンは正面からちゃんと彼女に告白する勇気がないので、ただの"都合のいい男"としてシャオホワに振り回されることになってしまいます。




プライドが高く恋には臆病

そんな中、少しずつフェイへの誤解が解けて、彼女のやる気と努力を認めはじめたジアヤン。
フェイがシャオホワへの想いに悩む自分を励ましたり慰めたりしてくれたことも心に響き、だんだんとフェイを意識するようになっていきます。

そして、フェイをデートに誘ってみようとしますが......
いざとなると全然ダメ!
わざわざ買った花も渡せず食事にも誘えず、"残業"に誘ってしまうというお粗末な結果になってしまいます。

そんな二の足を踏むジアヤンの本音を翻訳してみると......

「厳しい上司として接してきたのに、今更どういう顔して誘っていいかわからない」
「彼女に冷たいリアクションをされたらどうしよう?」


つまり、シャオホワの時と同じで、フラれて気まずくなってしまうのが怖くて、最初の一歩が踏み出せないのです。
プライドの高さもジャマして、フェイの前でなかなか素直な気持ちを表すことができないジアヤン。
果たして、彼はこの恋を進展させることができるのでしょうか......?




なんとこの後は、フェイとジアヤンの兄ジアミンとの驚きの過去が明かされたり、フェイが通訳の夢をあきらめようとする様々な事情が出てきたりと、物語は波乱の展開に!
でも、そんな苦難をフェイと一緒に乗り越え、ジアヤンも成長していきます。

「君のためなら死ねる。誰より大切な人だ」

そんな感動セリフが飛び出すまでのジアヤンの心の軌跡、素敵なロマンスの行方に注目です!



後編「その恋心を翻訳!頑張り屋ヒロイン フェイの場合」ではヒロインのフェイの視点から恋の心理を分析します。お楽しみに!


<後編「その恋心を翻訳!頑張り屋ヒロイン フェイの場合」はこちら>



Text:小酒 真由子
フリーライター。欧米からアジアまで幅広くTVドラマについて執筆中。
アクション、ラブ、サスペンスと三拍子揃った中国時代劇は大好物。
ウォレス・チョンが歌手デビューした当時、台湾に留学していた経験あり。


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<処方箋>


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